第10話 圧倒的なる引き分け
俺の名は、ゴロウ、ダンジョンでの依頼をこなしてなんとかAランクになったものの、アイツにボロ負けしてからはやる気を無くしてしまった負け犬だ。そうして落ちぶれてしまった俺は気に入らない奴を見つけては子分達と一緒にボッコボッコにして、相手の心を折り、ソイツが冒険者を辞めていくのをみて愉悦を得ていた。
そして今日は、ギルドに、俺を打ち負かした宿敵のネロが珍しくギルドに来たかと思ったら、連れがいて、ソイツの冒険者登録をしてほしくて来たらしい。
俺はソイツが気に入らなかった。だから3対1の不公平な決闘を挑んだ。ネロがわざわざ連れてきたとはいえ、俺はAランクで子分達はBランクだ。どうやっても俺達が勝つはずだった…。
「何故だ、何故俺の攻撃がきかない?!」
そうなのだ、アイツには俺の攻撃が効かなかった。
それどころか、アイツは攻撃もせずただ突っ立てるだけだった。
「それに何故お前は反撃せず突っ立てんだ!ふざけているのか!?」
そうするとアイツは、
「ふざけてはいません。それに僕が攻撃したらあなた方を灰にしてまいます。」
そうアイツは淡々と言った。
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僕が、ゴロウ達との戦いと言えない決闘の時間を過ごしていると、観客席から声が聞こえてきた。
「ゴロウってAランクだよな?何故アイツの攻撃を受けて傷一つ付かないいんだ?」
「それだけじゃない、あのミムって奴変な瓶に入った赤い液体を舐めた後一歩も動いていないぞ!?」
「もしかしたら、さっきあいつが言った通り攻撃すると灰にしてしまうのかもな。」
「それってもうsランクぐらいの強さじゃないか?!あいつEランクだよな?」
「冒険者は、初めはみんなEランクだ。もしかしたら、山にでもこもって修行してたんじゃないか?」
そう言った声を聞いていると試合時間も残り少なってきた。
「「岩壁」」
「散々コケにしやがって!もういいコイツを喰らって死んでしまえ!「岩爆弾」!!」
そう言ってゴロウは岩で爆弾を作り投げてきた。
「おい!決闘では相手を殺してはいけないんだぞ!?早くスタッフを呼べ!」
「間に合わない!もう爆発する!!いくらあいつでも無傷ではすまない!!!」
そう観客が騒いでいると、爆弾が爆発した。
耳が壊れそうになるほど大きい爆破音と衝撃が響き、大きな煙が巻き起こった。
「「「「「…………………。」」」」」」
そう観客達が黙って息を飲んでいるとやがて、煙がはれていった。そして僕はあの爆撃を喰らってなお、静かに無傷でそこに立っていた。
そうしていると、レフェリーの声が聞こえてきた。
「時間切れにより、両者引き分けとなる。そして「決闘では殺意を持って攻撃してはならない」という闘技場のルールを破ったゴロウは冒険者登録を破棄する。」とレフェリーは冷徹な目をゴロウに向けてそう宣言した。
そして後にこの試合は、「圧倒的なる引き分け」として歴史に名を残した。




