6 怒られた
結果、姉ちゃんには怒られた。
俺の周りにいろいろ浮かべていたのが悪かったみたい。
「とりあえず見えないようにできる?」
うすく微笑む姉ちゃんが怖い。
俺はそそくさと、全てを収納しようとしたら、姉ちゃんがぱたぱたと動いている鳥に気づく
「パラメディンじゃないの」
驚いたように言う。
パラメディン?そんな名前だったのか。ずいぶんスリムな鳥だなと思っていたと言ったら
姉ちゃんは、ちょっと困ったように
「この鳥を見たら縁起がいいと言われてるの。羽は、王族の衣装にも使われたりしてるのよ」
「へー」
俺は、しゃがんで、じーと鳥を見る。
上目づかいの黒目できゅるきゅると見られていた。
トサカの部分は黄色の羽をもち、頭から尾は桃色から白のグラデェーションになっていて地面にたれるほどの尾の長い羽根は、また黄色の羽をはやしている。確かに綺麗だ。ニワトリよりも一回り大きめの鳥。
「しめないほうがいいかな。」
パラメディンは俺の言った言葉が分かるみたいに、やれやれみたいな目をしてきたから
「いや、ばれないだろうし」
と言ったら、ビクッとしたような気がしたが、姉ちゃんが
「放しなさい、羽はちょっと惜しい気もするけれど、もしかしたら捕るのにも許可がいるのかもしれないし。後々めんどうになったら困るわ。それに、」
話をくぎった姉ちゃんに振り向く
「イノシシが、あるんでしょ」
そう腕まくりをしながら言う。
よかった、いつもの姉ちゃんだ。
俺は、もう一度、パラメディンを見て、少し考えてから解放する。
「また、会おうな」
夕焼けにとんでゆく鳥にそう声をかけた。
仕留めたイノシシの肉を玉ねぎと人参で塩をいれただけのスープを夕食に食べながら、姉ちゃんの言葉を反復させられる。
「目立たない」
「めだたない」
「隠す」
「かくす」
俺のギフトは、普通とは違うらしく、口を酸っぱく言われる。
「収納ギフトは時々聞くけれど、時間がたっても、そのまま出てくるのも聞いたことがないし、柵みたいに使えたり、刃物みたいに使えたり、遠くのものを捕まえたりできるのは聞いたことがない」
イノシシを調理している時に、なんとなく使えるようになったんだと、今日一日やっていたことを話した。
ふーん。
俺が、うわの空で聞いていたのが分かったのか。
「悪い人に知られたら、姉ちゃんと暮らせなくなるのよ!」
「えっ」
そんな
「めだたないし、かくします」
俺が、力を入れて復唱すると、姉ちゃんは満足そうに肉を飲み込んだ。
仕切りも何もない、ただ小さい水場がある、一部屋。
食卓ともいえない小さいテーブルに、そろっていない椅子が2脚に、ベッドも一台しかなく二人で眠っている。
風が入れば適当な板を打ち付けてしのいでいる、ぼろぼろの家。
だけど、姉ちゃんのの内職のあまり布で作ったパッチワークのカバーが所々あったり、あの窓枠の板は、俺がおさえていいたんだとか多くの記憶があり、俺にはどこよりもほっとする場所だ。
俺のだいじなもの。
姉ちゃんは、少し心配そうだけど、俺が食事の後、食器洗いや片づけを、空に浮かせて手も使わずにしたら、「便利ねー」と満足そうにしていたのでよかった。




