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シスコン弟の世界は姉だけを中心にまわる ー空間魔法をそえてー  作者: 鳥ねこ
第三章 あたらしい場所

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6 城下町




「ここだよ」

トーマスは、そう言って、馬を止めると、飛び降り、俺が降りるのを手伝おうと、手をのばした。

ベリー摘みの成果を、タバサさんに見せると、「こりゃ、多いね~」と喜んでくれたが、やはり、すぐ使う分以外は、売ろうと言う話になった。

俺とトーマスは、お昼を食べると、早速、馬に乗り、お店へ向かったのだ。



俺は、正直、自分の馬以外は、まだ怖いから、乗っていくのは、俺の馬にしてもらった。

トーマスは、俺の後ろにすわり、言う。

「ずいぶん、乗り心地のいい馬だね」

不思議そうに、言ったが、聞こえないふりをしておく。

道すがら、

「変な髪型の馬だ」

と子どもたちの声も聞こえたような気がするが、気のせいだろう。


城下町に入り、人通りは増える。

色々な人種が歩いていて、つい、じろじろ見てしまいな目を、意識して外すから、逆に言えば、きょろきょろした動作になり、よそ者丸出しだ。


ボーガンさんの店は、大通りの入り口に構えられていた。この先へ、進めばすすむほど、城に近くなっていくらしい。

俺は、どんどん大きく見えてくる城を目印のように見ていた。


着いたのは、三階建ての、茶色いレンガ造りの建物だった。

一階は、大きな出入り口があり、その他の壁は、木枠に入ったガラス窓が、等間隔に上下に並んでいる。ゆがみがあり古そうな窓だったが、きれいに拭かれていて、かえって重厚感を感じさせていた。

トーマスは、馬車一台がちょうど通れるくらいの、通路から建物の裏へ入り、慣れたように、馬用であろう、飼葉や桶が置いてある場所に止めると、勢いよく降りたのだ。

トーマスのように俺は、もちろん降りることはできず、素直に差し出され手をとり、降りる。

「おう、トーマス、女の子連れて、おつかいか?」

荷物を肩に担いだ、体格のいいおじさんが、声をかけてきた。

「女の子じゃないよっ」

トーマスは、焦ったように言う。

俺が、どんよりしたのに気づいたのか、おじさんは

「や、馬から手を借りておりるなんてよぅ、お嬢様みたいじゃないか」

女の子より、悪い表現になっている。

ますます、俯きの角度が深くなっている俺を、また気づかうように

「ガリガリな体だからよー、遠目でみたらそう思っちまったぜ」

全然、フォローになっていない、わざとかな?わざとなんだなっ。


「行こうっ」

トーマスは、早くこの場を去るのが一番いいと思ったようで、そう言うと、馬に乗せてあった、荷物をとると歩き出す。

俺も、その後ろをとぼとぼついていく。

「馬に、水やっておくからなー」

後ろから、のんびりした声で伝えてくれる、おじさんに、トーマスはお礼を言うと、俺に

「コバトさん、悪い人じゃないんだ…」

と、俺の空気を変えるように言った。

「うん…いいんだ、別に…」

別に、いいんだ、別に。成長途中なんだ、俺は。

俺は、唇を強く結んだ。


お店には、タバサさんの娘さんだという、サリナさんが働いていた。

食べ物の、おいしさが分かるギフトを持っているらしく、お店の商品は、まずはサリナさんが目を通すらしい。

「ギフトと言っても、母さんや、父さんの経験にはかなわないのよ。だって、甘くておいしのか、酸っぱくておいしいのか、それぞれあるでしょう?私のは、甘さが分かる程度で、他人の好みも分からないし、だいたいの目安ってだけ」

サマンサさんは、軽くそういうが、混ぜ物が入れられている時などは、すぐに分かるらしく、仕入れでは頼りにされているとトーマスに言われ、少し照れていた。


俺たちが持ってきたベリーは、ちょうど欲しいと言っていた店があるらしく、そちらへ持っていくように言われた。

「レストランなんだけど、ジュースにして使いたい果物を探していたの」

トーマスは、それだけで分かったらしく、

「シャワーズでしょ?そこなら、歩いて行けるから、このまま行こう」

と、俺を連れて、店の正面出入り口から出る。

「よく、俺たちのもの、仕入れてくれるんだ、毎日、ヤギのミルクも収めているよ」

そう言うと、歩き出す。

「あのヤギは、他とは違ってるみたいで、味を気に入ってくれているんだ」

たしかに、あのヤギは他とは違うと思う…。

「よく、あのヤギから乳しぼりが、できるね」

「まぁ、向こうも、乳しぼりしてもらった方が楽になるって分かっているし、ずっと世話してるからね。向こうも協力するかって思ってくれてるのかも」

俺たちは、おしゃべりをしながら、歩いていると、周りがだんだんざわざわしてくるのに気づいた。


俺も、トーマスも周りを見渡すが、なにも見えない。

トーマスは、素早く俺を、道の端に寄せると、俺の体を守るように、建物の影に立たせた。

一体、どうしたんだろう。

「きた!こっちに来ている!」

口々に、皆はそう言うと、近くの建物に避難したり、走り出し騒ぎはますます大きくなる。

俺は、皆が上を見ているのに気づき、つられて顔を上にあげる。

「くえぇぇー」

あ、あいつ。

「くええええー」

必死な形相で近づいてくる。

俺は、分かった。

魔力でつながっているということかもしれない。

なんだか、すごくでかくなっているけれど、間違いない。

あの時の、鳥だ。

屋根の上で捕まえた鳥。

よく、こんな遠くまできたなぁと、いやな予感から目を背けるように思うのだった。












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