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シスコン弟の世界は姉だけを中心にまわる ー空間魔法をそえてー  作者: 鳥ねこ
第三章 あたらしい場所

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4 朝食




朝起きたら、思ったとおり部屋の窓から、王都の景色が、見えた。

商会は高台にあるようで、想像以上に王都の景色が見渡せる。

赤茶色で揃えられた家々の屋根は、朝日に照らされていき、教会の塔は、高くそびえたつ。

山を城塞として利用するように建てられた城は、遠近が不自然に思えてくるほど巨大だ。


しかし俺は、凛とした朝の景色とは裏腹に、気持ちが沈んでいる。

姉ちゃんは、俺を学校にあげるらしい。

部屋に戻ってきてから、詳しく説明された。

俺の力を、きちんと管理できるためにも、勉強したほうがいいと。

どうせ地元にいたとしても、元気になってるんだから、学校にはいかなきゃいけなかったでしょう、と。

えぇー。

俺の計画…。


「姉ちゃんは、その間、何してるの?」

「そうねー、王都で仕事を探してもいいし、冒険者として働らくのもいいかもしれないな」

「学校って、お金がかかるだろう」

「お金って、あんたが言うとは…」

俺は、ビチルからいただいた数々の物を思い出し、ごまかすように笑う。

「でも、入学検査とかあったら、かえって知られたくないことまで、知られてしまうかも」

心配そうに、言うと

「そうよねー」と、姉ちゃんは悩みだす。

ふふ。

うそだ。ごまかし方なんて、いくらでも思いつく。

これで、あきらめてくれればいいんだけど。

「でも、どちらにしろ学校には行かなきゃいけないわ」

だめだった。

「まぁ、どういう学校がいいか、考えておきなさいよ。商業学校とか、いろんな学校はあるんだし」

「はぁい」

俺は、考えなきゃいけないらしい。

とりあえず、着替えるかと、寝間着をぬいだ。



姉ちゃんは、もう部屋にいなかった。

目覚める前に、「起きて,走りにいくわよ」と聞こえたような気がしたが、夢だろう。


俺は、顔でも洗おうと下に降りる。

朝食は、七の鐘が鳴る頃に、食堂に用意してあるから、それくらいに行って各々食べるそうだ。八の鐘が鳴る頃には下げられるから、気を付けてとのことだ。

ボーガンさんの分は、部屋に持っいっているそうだが、そもそも食べないこともあるらしく、ダメよねーと、タバサさんは、小言を言っていた。

ちょうど、顔を洗っていると、七の鐘が鳴ったので、俺はおずおずと、食堂へ入る。

昨日帰ってきた人たちは、今日お休みをもらっていると聞いた。ゆっくりしているのだろう、食堂は静かだった。

「おはようございます」

俺は、厨房にむかい挨拶すると、

「おはよう」

と恰幅のいい、男の人が返してくれる。

ちょうど厨房で手伝いをしていたトーマスが、タバサさんの、旦那さんであると教えてくれ、そのまま食堂に出てきて、一緒に食べようと、誘われた。


厨房は、食堂とをカウンターで分けており、その上にパンと、サラダ、焼いたベーコン、ゆで卵、牛乳が、乗せられており、自由に取るようだ。

「パンは、多くて二個までなんだ、もっと食べたい人は、事前に言っておかないと怒らられる」

そう言って、トーマスはパンを二個取る。俺は、一個にした。

「ゆで卵は一個、サラダは、皿に盛れるくらいを目安にして、それ以上食べたかったら、畑から自分で採ってくる。そして、ベーコンは、絶対に一枚だ。それ以上、食べた人は…」

「それ以上、食べた人は?」

「次の日には、姿を消している」

「あは……」

冗談だと思い、笑いそうになってトーマスを見るが、真剣な顔をしてベーコンを取っているから、笑いをひっこめる。

気を付けなくては…。

トーマスは、俺の分も牛乳をついでくれた。

「これも、うちで飼っているヤギから取っているんだ」

「なんでも、作っているんだね」

「うん、会長も時々、うちは商会じゃなくて農場だな、っておっしゃるよ。もともと、農場から始まったみたいだしね」

トーマスは、カウンター近くの席を案内してくれる。

「食事が終わったら、自分が使った食器を洗うんだ。離れた場所に座って、行ったりきたりも面倒だから、なるべく厨房の近くに座っているよ」

席に座ると、トーマスと俺は、食前のお祈りをする。

「さ、食べよう」

食べている間に、いろいろな事を話した。

トーマスとマリーは孤児で、二年前にここに引き取られた話、ここでは、読み書き計算を、時間の空いている人が教えてくれることになっていて、ありがたい話、狂暴なヤギがいる話。

「ルートは、今日なにか予定はあるの?」

「ないと思う」

きっと、今日一日くらいは、ゆっくりしていていいはずだ。

「ベリー摘みする?」

「したい!」

「狂暴なヤギ見たい?」

「見たい!」

「そうか、よかっ」

その時、トーマスの隣に、勢いよくトレーが置かれた。

「あんた、そんな事、言ってっ。手伝ってもらうつもりでしょ!」

マリーだった。

トーマスは、口を閉じる。

「それに、お客様に、その言葉遣いはなに?」

怒っている。姉ちゃん並みにこわい。

「いや、昨日、タバサさんが、ベリー摘み体験してみるかって聞いてたからさ」

「あくまでも、体験でしょ。それに、なんで、ヤギまででてくるの」

俺は、話に入っていけるわけもなく、牛乳を、ごくりと飲む。

トーマスは、しょぼんと下をむく。

「だって、今日、休みになっている人多くて」

「それは、ルート様には関係ないでしょうっ」

「さ、様は、つけなくていいですよ」

小声で、言ったが聞こえただろうか…。

「様、つけなくていいって」

「今、その話してないでしょう!」

余計、ヒートアップさせてしまう、きっかけになってしまった。

トーマスが恨めしそうな顔で見てくる。

いや、今のは俺、わるくないよな。俺はまた、牛乳を飲んだ。


その後、怒涛の会話の中の一瞬の間をつき、俺はなにか、手伝っていた方が、気が楽ですと、伝えた。

同じ年なんだし、俺とも、トーマスみたいに話してほしいです。とも伝え、トーマスは、うんうん、うなずいていた。

俺は、えへへと、笑って見せたが、マリーは、腹立だしさをぶつけるように、トーマスのベーコンを取ると、食べた。

「あっ」

と、声が出たのは、トーマスだったか、俺だったか。






















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