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シスコン弟の世界は姉だけを中心にまわる ー空間魔法をそえてー  作者: 鳥ねこ
第二章 旅の途中 

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20/34

5 お天気もよく

残酷な表現があります



次の日も、馬車は問題なく進んでいる。

道は、山道になって下りが続くが、まぁ、いつものごとく、馬に負担はいっていない。

機嫌よさそうに歩く馬の尻尾を見ながら思う。

馬車に乗らずに、横を歩くスタイルが常なドリスは、俺の隣側を歩いてもらっている。


この山を越えれば、王都がもうすぐだ。


急にドリスは、馬車を止めるように言うと、荷台に座っているシルヴァン様の所に行った。

俺たちは、馬をびっくりさせないくらいの速度で止めさせると、ドリスはそれを待つこともなく、前を走って行った。


「どうも、前が騒がしいようだよ」

シルヴァン様は、幌の前に、窓のような大きさをあけている部分から顔を出し伝えてくれる。


心配そうな顔に、俺と姉ちゃんは顔を見合わせる。

盗賊かな?


実はこの馬車は、危険そうな場所は、見えないように空間で守り、走らせていた。

姉ちゃんを危険にさらすわけにはいかないからな。

姉ちゃんは、俺が守るのだ。


でも、他の馬車かぁ。

俺は、ドリスが去っていった方向を見る。


安全、快適に王都まで送る。それが仕事だから。

姉ちゃんの言葉を思い出す。

俺は、ちょっと、見てくるね、と姉ちゃんに言うと、返事を待たずに御者台から降りた。


見えるか見えないか位の木陰にはいり、空間を展開し、俺の後ろ姿を映し、そこに残す。

時々、動くようにした念入りだ。

姉ちゃんを心配させてはいけないのだ。


そして、俺自身は姿を消すと、体を浮かせる。

やっぱり、走るより浮いて動いた方が速いや…。


俺は、ドリスを探し進むと、確かに、耳障りな音が聞こえてくるのだった。


ドリスは、と見ると木の陰に身を潜ませている。

ドリスも、シルヴァン様を、守るのが一番大事な事だろうから、どうすればいいか考えているんだろう。


馬車は2台あって、一台の馬車のまわりには、血が飛び、人が何人か倒れていた。

もう一台の馬車の横には、少し小太りの男が両手を上げ立っている。


「もう荷物は、全部やるから、攻撃はやめてくれ」

残っている護衛だろうか、そう言った小太りのまわりを固めるようにたっていた。

ビチルの取り巻きたちとは、ずいぶん違う顔つきだなと思う。


「生かして、俺たちにメリットなんてないだろうよ」

そう言って、攻撃を始めようとする、ボスらしき男に、なおも小太りは声をはりあげるように言う。

「私が、帰ればもっと多くのお金を渡すことができる」

そう言われた言葉を理解するかのような、しばしの間の後、

「お前を、人質にするってことかい?」

そう、ボスは言ったのだった。


「いけません、ボーガン様」

小さく、抗議する護衛の声に、ボーガンはあっけらかんと言う。

「どうせ、ここで殺されるかどうかだ。お前たち、王都の、お父様に伝えてくれ、身代金を渡すようにと」

そう言うと、ボスにまた声を張り上げるように言う。

「その代わり、私の護衛たちになにか、あったらこの交渉はなくなるぞ。今すぐ、馬車に負傷したものと、この護衛達を解放しろ」


しばしの沈黙の後、ふうぅん、とボスは少し考えると

「じゃぁ、お前、こっちにこい」

と言うのだが、また、ボーガンは

「それじゃぁ、護衛の安全が分からないではないか。せめて、負傷したものを馬車に載せ、出発の準備をするまでは行けないよ」

ずいぶんと強気だ。

「…早く、そこらに倒れているやつらを、馬車にのせるんだな」

そう言われた、ボーガンは、体つきの大きい護衛に指示し、馬車の荷物を降ろさせ、倒れている者たちを馬車に載せる。

全員を乗せ終わると、自ら馬の尻をたたき動かした。

その間、ボーガンは、周りの者たを安心させるかのように、笑顔さえみせる。


そして、馬車が走りだすと、ボーガンは自ら、ボスの元へむかおうとした時。「火を放て」

と、ボスは言い、一気に炎を燃え上がらせた松明と、油でぬらした矢をもって馬をおいかけようと、手下が走り出す。


「話がちがうじゃないかっ」

ボーガンは言うが

「そんな約束してないわなぁ。しかも、おめぇ、本当に家からお金がもらえるのかね」


ボスは、ボーガンの服装と、降ろされる荷物を見て思っていた。

ずいぶんとしけたものしかない。

荷物の大半は、ズタ袋に入った食料が占め、他は色あせた布と、畑作業に使うようなものがあるだけ、金を持ってそうには、見えない。

それにしては、ずいぶん護衛が多かっ

「なにしてるんだ、おめぇ!」

その時、下卑た笑い声が蔓延する場を、つんざくように怒声が響いた。


ボスの後ろに、立っていた男が、ボスの首に剣を刺し、ボスは音もなく崩れ落ちる。

そして、次から次へ躊躇なく周りにいる仲間たちを血走った目で切ってゆく。

不思議とその男に、他の攻撃があたることなく、流れるように周りを切りさき、最後には自分をも手をかけた。

よくみれば松明をもっていった男達は、その火に自身を焼かれ黒焦げとなり道に倒れ、残ったのは、ボーガンただ一人だった。































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