表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シスコン弟の世界は姉だけを中心にまわる ー空間魔法をそえてー  作者: 鳥ねこ
第二章 旅の途中 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
18/35

3 俺だってできる

2話を少し書き直しました。



「これは、サワミキと言って、毒消しの効能があるんだ。きれいな水でしかそだたないと言われていて、めずらしいんだよ。こっちも、私は初めてみたんだけれど…」

俺は今、シルヴァン様から、なぜか、薬草の手ほどきを受けていた。


最初の声掛けがまずかったのかもしれない。

俺はうろうろと歩いたとて、見るところも特にないから、深い意味もなく、しゃがんで何かを見ているシルヴァン様に、なにかありましたか?と聞いた俺はわるくないとおもう…。


シルヴァン様が、川辺を歩いていたのは、体をほぐす為じゃなく、薬草がないか探していたからだった。


シルヴァン様は、根っこまで丁寧に採取した薬草を、石の上に並べ乾燥させている。


「ポーションは、薬草などの材料を魔力と混ぜて作るんだ。薬草だけでも効能はあるけれど、ポーションはそれとは比べられないほどの効果がある」


俺に、見せるように持っていた本のページをめくる。

「でも効果が高いほど必要な薬草も材料も貴重になっていて、これは、欠損を治したり、不治の病を治せたことがあるといわれている薬草。だけど、危険な雪山の、しかも吹雪の中でしか咲かないといわれている花だし、これは、砂漠にいる火の竜が卵を産んだ時に、芽をのばすという蔦、そして姿形が分からないんだけど、水の深くから浮かんでくるという薬草」

一つ一つ、絵を指さして教えてくれるけれど

「水の中の薬草って、形が分からないのに、なんで本に書くんだろう」

あるのかどうか、不確かすぎないだろうか。

いじわるにも覚える疑問に、シルヴァン様は、分かっていたかのように答える。


「そうだね。この本を書いた人は、自分が実際、使ったり、見たり、聞いたりしたものを、まとめる為に書いたんだ」

シルヴァン様は、最初のページを開く。


『私の学んできたことは、薬草の世界のひとかけらににすぎないが、次の世への踏み台となることを望み記した。恐怖をも感じる暗闇の中での明かりの一つになれればと思う。分からないことは分からないまま記す。私の一片と、貴殿の一片が重なった時を期待する』  ヴェルデ―ル・クワイア


シルヴァン様は、汚れたそのページを、優しそうになぞるのだった。


「何をしているの?」

気づけば姉ちゃんが、近くに来ていた。

ドリスは川で顔を洗っている。

稽古の休憩中だそうだ。

俺は、姉ちゃんが汗をかいているのを見て、ひらめいた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「かゆいところ、ないですかー」

俺は、姉ちゃんの髪を泡で洗いながら聞く。

「ないでーす」

姉ちゃんは、頭を湯舟の縁につけ、気持ちよさそうに答える。

風呂の水を柄杓ですくい髪に流しながら、湯の温度を確かめる。

気温はちょどよい高さなんだけれど、少し、日が落ちてしまっているので、姉ちゃんが寒くないか心配なのだ。


うん、まだ冷めてはいないようだ。

俺は、そのまま髪をすすぐ。


ーピッ、ピピ

耳に鳥の鳴き声が聞こえてくる。

風の通り道となった木々の葉は、一斉に音をたててゆき、隣を流れる川の水もリズムをとるようにながれていく音と、近くに作った焚火のはじけるような音も重なり、眠気を誘う。


俺は、お風呂をつくった。

川べりの、ごろごろとした石を動かし塞き止め、深めに人ひとりが寝転べる位の広さをつくり、そこに、焚火で温めた石をいれる。


俺は、姉ちゃんが汗をかいているのに気づき、思いついたのだ。

ぬれた布巾を渡すより、気持ちよさそうだ。俺だって姉ちゃんの役に立つことができるのだ。


俺は、こそこそと、作った。

力仕事なんて無理だから、もちろんギフトの力を借りた。

あっという間にできるから、カモフラージュのように動いている時間の方が苦痛だったけれど。

まずは、雇い主のシルヴァン様を先にいれ、その後、稽古が終わったドリス。

俺と姉ちゃんは、申し訳ないが先に、ご飯を食べ、俺たちが入っている間、シルヴァン様とドリスが、食べるということにした。


最初にシルヴァン様にお披露目した時、いつもの余裕をくずさない表情がくずれ、口をあんぐり開けていのを見て、この人も人間だったんだなぁと思った。

ドリスは、毛が抜けるからと、遠慮していたけれど、川で作った風呂にそんな気を使うことはないし、水だってすぐに入れかえられる。ドリスが先に入ってくれた方が、俺たちは先にご飯をすませることができて、時間を無駄にしないんだと説得しはいってもらう。


そもそも、ドリスは勘違いしている。

抜け毛とか関係ないのだ。

姉ちゃんの無防備な肌に触れる物は、何をもってしても許されないのだ。


そして、周りをけっして侵入させず、獣すら覗けない鉄壁のガードを展開し風呂に入った。


きっと姉ちゃんの今日の思い出は、ドリスとの稽古より、俺と一緒のお風呂が一番の思い出となるだろう。

俺は、満足だ。



















































評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ