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シスコン弟の世界は姉だけを中心にまわる ー空間魔法をそえてー  作者: 鳥ねこ
第二章 旅の途中 

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1 目でみえるのはかたちなのか



そこは、ふわふわと、やわらかい霞がただよう場所だった。

優しい採色にあふれ、どこを見渡しても同じように見え、どこを見渡しても全く別のものしか見えないようなそんな場所を、流れるように進む、ひとつの大きな光があった。


その光が裾を払うように動けば、小さな光は散らばり、止まればその動きでまた光はきらきらと落ちてゆくのだった。

『あら、きれいだこと』

光は、進んだ先に咲いていた花に手をのばすように近づいた。

普段だったら、花の朝露にさわればまた、光となり散らばっていくのだけれど、

その露は、固まったかのように動かない。

『馴染んだ方が楽だというのに』

光はあたりを見渡した、すると今でぼんやりとしていた景色は、一気に鮮明にかたち造られる。

水は流れ始め、小川は作られ、地平線を割るように青い空と草原が造られ、遠くには雪山の山脈まで見えるようになった。


光も周りに合わせるかのように姿を作り、もう一度、花に手をやった。

『折ってしまえば廻から外れてしまうのよ』

ふと、まわりを見ると他の花も、かたくなに固まっているように見えた。

どうして、この場所ばかり、そう思い、その花達の根元を見ると、花弁のような亀裂があいていた。

『ここから見ていたいものがあったのね』

花たちは、さわさわと震えた。

『見たって、つらいんじゃないくて?』

花は、落ち込んだように動きを止めた。

『忘れられないのね』

花は、光が折るよりも早く、しなびてしまいそうになった。

『あわてんぼうさんねぇ』

光は、花の時を止めた。

『母様』

光は、涼やかな声が聞こえて、その方を見る。

それは、いつか光の眦をはらったときに生まれた、光の一部であり、子でもあった。

せわしげに周りを飛ぶ子は話し出す。

『私はそこに行ってみたく思います』

光は考えた、形あるものから離れ、その残りを消え去るために、この場所があるというのに、下を見る隙間に気づかずにいてしまった。

これがなかったら、これたちも今頃、安穏になっていたであろうに。

私の非であろうか。


ちらと、隙間をのぞく。

『人の一生は、ここでの瞬きのようなもの。私の子がいくそうよ。あぁ、ちょうど、まだ光をもっていない子がいるわね』

また花はさわさわと震えた。

その周りを、たくされた光は言い聞かすように飛び回る。

『もう手放せそうかしら?』

花は静かになり、光は、一輪の花の止めていた時を解く。

その花は、それ以上しおれることなく、隣の花に寄り添うように曲がるのだった。


『行ってまいります』

と声が聞こえ、振り向くともう、その子はいなくなっていた。


光は、花たちにふれる手を止め、代わりに、なでるように亀裂を直し、線のような傷すら見えなくなった時、ふと考えた。

でも、あのこ、下の世界の理を知っているのかしら。


光は、再び歩きはじめる。

木漏れ日のような葉をはらい、粒子のような光をふらせ、進んでゆく


一歩一歩進んでいくと同時に、鮮明に見えていた景色も、またにじむようにぼやけ、淡い色の霞が漂う世界に戻ってゆく


そういえば、前にも、下界に行った子達がいたような。

あの子たちは、もどってきてたかしら。


少しの疑問が浮かんだが、進むにつれて、それも薄れ、

そして消えてゆくのだった












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