第二話 金属スライム
俺は金属スライムへ向かって進み始める。
もちろん、この鈍足で追いつけるとは思っていない。
……だが。
「動かない?」
金属スライムは逃げようとしない。
少しずつ、少しずつ距離を詰める。
あと少し。
あと少しで喰らいつける――。
その瞬間だった。
金属スライムの身体が大きく変形する。
(逃げる!?)
そう思った次の瞬間。
ドゴッ!!
鋭い衝撃が箱の身体を貫いた。
(ぐああああっ!?)
金属スライムの身体は一本の槍へと変化し、俺を串刺しにしていた。
「くっ……!」
慌てて身体を振り、槍を引き抜く。
激痛が走る。
それでも前へ。
距離を詰めようとする。
しかし。
スッ。
金属スライムは一瞬で距離を取る。
そして再び槍を伸ばした。
ドスッ!
(ぐっ!)
近づけない。
近づこうとすれば刺される。
このままじゃ勝てない。
その時だった。
頭に一つの言葉が浮かぶ。
(触手!!)
身体から二本の触手が飛び出した。
金属スライムは一瞬だけ身体を震わせる。
だが、すぐに触手の届かない距離まで下がる。
「駄目か……。」
勝てない。
撤退するしかない。
俺は逃げ始めた。
だが、金属スライムは逃がしてくれない。
距離を詰められ、何度も槍で貫かれる。
触手で必死に槍を受け流しながら逃げ続ける。
そして気付けば、最初にいた部屋へ戻っていた。
部屋の奥。
もう逃げ場は無いぞと言うように、金属スライムは嬉しそうに身体を震わせた




