第一話 初めての狩り
レベルが上がってから、しばらくの時間が過ぎた。
一週間だったのか、それとも一か月だったのか。
この身体では昼も夜も曖昧で、時間の感覚なんてよく分からない。
それでも、一つだけ確かなことがある。
動き出した判断は正しかった。
相変わらず主食はネズミだが、探索を始めてからはカエルや巨大なキノコ、スライムのような魔物とも遭遇するようになった。
もっとも、この身体は致命的に遅い。
見つけても追いかけられない。
だから狩り方は昔と変わらない。
ただ待つだけだ。
近くまで来るのをじっと待ち、一気に喰らいつく。
当然、相手も必死に抵抗する。
俺は逃がさないよう押さえ込み、相手の力が尽きるまで耐える。
派手さなんてない。
毎回、命懸けの我慢比べだ。
そんな泥臭い狩りを繰り返しながら、どうにか生き延びていた。
そして今もまた、1匹の魔物に喰らいついている。
陸を歩くタコのような姿をした魔物だ。
何本もの足を暴れさせ、必死に逃れようとしている。
「ぐっ……!」
負けるわけにはいかない。
箱の身体で押さえ込み、じっと耐える。
長い長い我慢比べの末――。
やがて魔物は動かなくなった。
その瞬間。
[レベルが上がりました]
・レベルアップ:Lv.1 ➔ Lv.2
・獲得スキル:『触手』
『体力 2 → 3』
『筋力 3 → 6』
『防御力 1 → 3』
『俊敏・・・・・
「おおっ!」
思わず心の中で叫ぶ。
久しぶりのレベルアップだ。
しかも、新しいスキルまで手に入った。
……でも、そのスキルって何だ?
どうすれば確認できる?
しばらく考えていると、不思議と一つの言葉が頭に浮かぶ。
「ステータス」
そう唱えた瞬間、目の前に半透明の板が現れた。
そこには、自分の能力が表示されていた。
==========
ステータス
種族名:ミミック
レベル 2
【所持スキル】
・能力吸収
・収納
・悪食
・触手
==========
おぉ!本当にステータスが見れた。
スキルもいくつか・・・
「能力……吸収?」
俺は思わず、その文字を見返した
捕食した対象の能力を一定確率で取り込む。
凄い・・・、これなら本当に最強を目指せるかも知れない
ーーーーーーーーーーーーーー
タコの魔物との死闘を終えた。
ボロボロになるまで戦ったはずなのに、不思議と身体の調子は悪くない。
レベルアップしたからだろうか。
「……今日はもう帰るか。」
住処へ戻ろうとした、その時だった。
見たことのない魔物が現れた。
金属のような鈍い光沢を放つ、スライム。
その姿を見た瞬間、前世の記憶がかすかによみがえる。
(あれはレアモンスターだ! 絶対に逃がすな!)
理由は分からない。
だが、本能にも似た確信があった。
==========
ステータス
レベル 2
体力 3
筋力 6
防御力 3
俊敏 2
器用 1
知力 2
魔力 1
【所持スキル】
《固有スキル》
・能力吸収
捕食した対象のスキルやステータスの一部を一定確率で取り込む。
・収納
入手したアイテムや武器などを保管できる
《戦闘スキル》
・悪食
防御力を無視して敵を捕食できる。
・触手
触手を自在に伸ばして操作できる。
==========




