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ミミック・ワールド ~宝箱の魔物は能力を喰らい、世界を喰らう~  作者: シンパチ
第一章 ダンジョンの王
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第十六話 S級ダンジョン攻略

【エレナ視点】


S級ダンジョン入口


「よう、エレナ!すまん、待たせてな」


「……大丈夫よ。来てくれてありがとう」


ダンジョンの入り口で、エレナはキースたちと合流した。


傷だらけの高級鎧を纏うリーダーのキースを筆頭に、熊のように巨大な盾役、虫ケラを見る目をした魔術師、そしてどこか生臭い雰囲気を漂わせる神官。


一流の装備で固めた腕利きのA級冒険者たちだったが、その視線は隠すこともなく、エレナの身体をねっとりと舐めまわしていた。


「キース、みんな、本当にありがとう。ヒュドラの討伐……今まで誰も受けてくれる人がいなかったの。危険な依頼だけど、みんなだけが頼りよ。よろしくね」


「心配するなよ。ヒュドラにビビってるような玉無し野郎はここにはいねぇ!」


「ガッハッハ!こんな美人なネーチャンと冒険できるなんて楽しみだ!滾ってしょうがねぇよ!」


「銀髪のエルフ……経産婦と聞いていたが、まあ、悪くないじゃないか」


「キースから話は聞いていますよ。こちらこそよろしくお願いしますね。色々と……」



ーーーーーーーーーーーーーー


S級ダンジョン上層部


「ふぅー……出すもん出した。」


「遅ぇよ。」


「早く交代しろ。」


「斥候も後衛もできて、ダンジョンでの性処理までしてくれるなんて最高ですね。」


「ほんとにな!是非、うちのパーティーに入ってほしいぜ。」


「そら、無理だろ」


「ふむ、奴隷契約魔術の準備でもしておくか。ヒュドラの心臓のためなら受けるかもしれん」


一人がキースへ視線を向ける。


「んで、キース。」


「ヒュドラに勝てると思うか?」


「うーん……。」


「相手はS級の化け物だからな。」


「まあ、対策はエレナが全部準備してくれてる。」


「だが、もしヤバくなったら、あいつを囮にして撤退するさ。」


「運良くヒュドラに勝てたら・・・・、エレナには事故死してもらおう。」


「さすがにヒュドラの心臓を譲るのは惜しい。」


「ははっ、さすがキースだ。」


「でも良いのか?昔、一緒にパーティーを組んでた頃は気があったんじゃないのか?」


「んなわけねぇだろ。俺がやることにいちいち口を出してきやがって、一番嫌いだったぜ。」


「まあ……。」


「抱いてみたいと思ってたのは本当だけどな。」


キースは下卑た笑みを浮かべる。


「このダンジョンは広い。」


「お別れの時までは、あのエロい身体をたっぷり楽しませてもらうぜ。」


ーーーーーーーーーーーーーー


うっ、ペッペッ!


唾を吐き捨てる 


ダンジョンに設営したテントから少し離れた、岩に座って休む


口の中が気持ち悪い・・・


身体もベタベタで臭いも酷い


シャワー浴びたい・・口もゆすぎたい・・

「洗いたい……ウォータ……」

バシッ!


水魔法を使おうとしたが思い留まり、自分の頬を両手で叩く


馬鹿か私は・・・このダンジョンで無駄に消費して良い、魔力なんてない

無駄にした魔力でルシアを救えるかが変わってくる可能性だってあるだ

「ルシア・・・・」


娘の笑顔を思い浮かべる


それだけで勇気が湧いてくる


テントに戻ろう、休まないと攻略に支障が出る


なんて事ない・・・こんな事のなんて事ないんだ・・



ーーーーーーーーーーーーーー


S級ダンジョン中層部


「ふん!俺が引きつける!!」


《挑発の雄叫び》


「数が多いな・・・、離れろ巻き込まれるぞ」


《ファイヤーブラスト》


「メイジは私が狙うわ!」


《ウィンドショット》


「ホブゴブリンは俺が片付けてやるぜ!」


《疾風剣》


《強撃》


《乱撃》


ゴブリンの群れは、あっという間に殲滅された。


キースたちは性格こそ最悪だが、腕は確かだ。


伊達にAランク冒険者を名乗っているわけではない。


だけど――


あまりにも順調すぎる。


「ねぇ、キース。」


「やっぱりおかしいよ。敵が少なすぎる。」


「ボス部屋のボスも倒されて、リポップもしていなかったし……。」


「私たち以外にも、このダンジョンを攻略しているパーティーがいるはずよ。」


「そうだな。」


「でも、ラッキーじゃねぇか。」


「そのおかげで体力を温存できる。」


「そのパーティーもヒュドラ狙いかもしれない。」


「急いだ方がいいと思う。」


「ああ。」


「だが、功を焦って死んだら意味がねぇ。」


「慎重に攻略するぞ。」


「うん、分かった。」


(かなり強いパーティーがいるみたいだな……。)


(ヒュドラにダメージを与えたところで全滅してくれりゃ好都合だ。)


(万が一、倒していたとしても……。)


(疲弊したところを俺たちが奪えばいい。)



ーーーーーーーーーーーーーー


S級ダンジョン下層部



その後も現れる敵の数はかなり少なくて、ダンジョン攻略は順調に進んだ。


でも、その少ない戦闘でも消耗は大きい。やっぱりここ並のダンジョンじゃない・・・


これで敵が多かったら・・・全滅していたかも知れない・・・


それでも、私は進むしか無いんだ


「ここが、ヒュドラいるボス部屋だな」


「ええ、この部屋で間違いないわ」


「みんな、覚悟は良いな。行くぞ!」


やっと、目的の場所まで着いた・・・


ルシア待っててね!


絶対に生きて帰るから!!


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