第九話 ゴブリンキング②
俺は触手に力を込め、キングの身体を強く締め上げる。
ドゴッ!
ドゴッ!
キングの拳は止まらない。
右腕と肩を失っているというのに、むしろ一撃ごとの威力が増しているように感じる。
ヒビの入った身体が、今にもバラバラになりそうだった。
「でも……。」
「我慢比べなら、負けねぇ!」
触手の一本を自分の身体へ巻き付ける。
箱が砕けないよう、無理やり押さえ付ける。
衝撃が身体を貫く。
意識が遠のく。
それでも離さない。
十秒。
二十秒。
あと少し。
三十秒。
「終わった!」
「悪食!!」
殴り続けていた左腕へ喰らいつく。
牙が食い込み、そのまま食いちぎった。
キングは両腕を失う。
それでも、こちらを睨み付けている。
大きく足を振り上げ、強烈な踏み付けを繰り出した。
触手で受け止める。
両腕を失ったのに、恐ろしい威力だ。
足へ力を込め、俺の身体を踏み潰そうとする。
「そうだよな……。」
「王様が、簡単に諦められるわけないよな。」
部下たちは全滅した。
両腕も失った。
それでもキングは戦いをやめない。
だが、さすがに先ほどまでの力は出ていない。
「もう、お前の方が弱い。」
複数の触手をキングの身体へ巻き付ける。
一気に持ち上げ、地面へ叩き付けた。
ドォン!!
床が砕ける。
キングは動かなくなった。
意識を失ったのか。
死んだのか。
分からない。
だが、この相手に油断はしない。
悪食のクールタイムを待ちながら、ゆっくりと近づく。
一歩。
もう一歩。
あと少し。
その瞬間。
キングが目を見開いた。
大口を開き、最後の力で噛みつこうとしてくる。
「読んでた。」
「悪食!」
開かれた口ごと、キングの頭部へ喰らいつく。
そのまま頭を噛み砕き、巨大な身体を箱の中へ引きずり込んだ。
キングの姿が完全に消える。
静寂。
そして。
[レベルが上がりました]
・レベルアップ:Lv.23➔ Lv.28
・獲得スキル:『統率・下級』『闘争心・中』『底力・大』
・獲得アイテム:『大根棒』
新しく得た能力が頭へ流れ込んでくる。
底力。
受けたダメージが大きいほど、身体能力が上昇する。
闘争心。
状態異常や能力低下を受けるほど、力が増す。
「だから、腕を失ってからの方が強かったのか……。」
最後まで諦めなかった。
自分の国民を全滅させた俺を、絶対に殺すつもりだったのだろう。
「はぁぁぁ……。」
長く息を吐く。
身体中が痛い。
触手もまともに動かない。
それでも、勝った。
俺はキングが座っていた椅子を見上げる。
「王様。」
「あんた、強かったよ。」
誰もいなくなった巣穴に、俺の声だけが静かに響いた。
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ステータス
種族名:ミミック
レベル 28
体力 270
筋力 310
防御力 210
俊敏 250
器用 220
知力 100
魔力 140
【所持スキル】
《固有スキル》
・能力吸収
・収納 → ・異空間収納 (進化!)
《探索スキル》
・音波探知
・索敵:下級
《戦闘スキル》
・悪食
・触手
・剣術:下級
・槍術:下級
・弓術:下級
・盾術:下級
《魔法》
・火属性魔法:下級
・水属性魔法:下級
・風属性魔法:下級
・土属性魔法:下級
《補助スキル》
・経験値2倍
・身体能力向上:小
・統率:下級
・闘争心:中
・底力:大




