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地の文「なんか私が見える小娘が主役みたいですよ?」  作者: 咏柩
第二章『咎人と断罪者』
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第二章第四十話「拠点探索☆旧校舎!」



 断定。現在地点、『樹海』。


 推定。目的地、ライベリーの拠点。



「ちょっとライベリーさん……。ほんとにこんな所に拠点あるんですか……?」


「最近あんまり使ってなかった拠点ですからねぇ……。たぶんもうちょっと奥の方にあると思うんですけどぉ……」



 そうして話す一行は今、幾つもの転移門を経由して、この学園の旧校舎エリアにあるという、ライベリーの拠点に向かっている筈なのだが……。


 何故か鬱蒼とした森の中を彷徨っていた。


 そんな不可解な状況の中、道すがら、今向かっている旧校舎について聞いてみた所によると……。



 まず、この世界では、基本的に都市の内外を問わず、頻繁に様々な大災害が発生しており……、その関係上、ある程度の規模の都市になると、その災害による被害を受けた地域全ての復興に対して、同時にエネルギーを回すと都市のエネルギーが足りなくなってしまう為、被害を大きく受けてしまった地域は一時的に都市からのエネルギー供給を停止し、その分のエネルギーを他の被害の少ない地域に優先的に回す事で、都市機能の回復を早める傾向にあるのだという。


 そして、通常、それらの被害の少ない地域の復興が終わり、エネルギー供給施設の再生や増産が完了すると、被害の大きかった地域も一気に復興される形になっているのだが、それまでの間、その地域は旧領域として扱われ、それまでその領域に住んでいた住人は、大抵の場合ライフラインが停止する関係で他所に移住する。


 それがもし、学校内施設で起きた場合、その場所は旧校舎と呼ばれ、普段の授業などでは使われなくなり、復興までの間は一時的に生徒を始めとした一部の関係者が自由に使用出来る空白施設になるらしい。


 そして、この煌領禊祓黎明学園本校は、その広大な敷地面積から災害に遭う数もかなり多く、学園内の至る所で旧校舎が発生しており、現在向かっている旧校舎もその数ある旧校舎の一つなのだという。


 そう言った経緯から、旧校舎は拠点登録した各種部活動や特設学科生の溜まり場として使用されている事が多く、他の旧領域と同じく、監視網や巡回警備システム自体は生きているものの、自然環境等は完全に放置されていて、拠点登録者による自浄整備以上の手は入れられていないので、全体的には荒廃している事も多い。



 この鬱蒼とした樹海は、そうした整備の行き届いて無さから来たものだろう。


 よく見れば、その生い茂った木々の品種が、この場所に至るまでの道中、校内の花壇などでよく見かけた食用果樹と一致する事からも、その事実が確認出来る。



 また、そうした場所に拠点が設置出来ている辺りで、ライベリーも学園関係者である事は伺えていたが、実は、この世界ではAランク越えで尚且つ外見年齢が成人未満の個体は、全て何処かの学校の特設学科に入学しているのが基本であるらしく、ライベリーだけでなく、先程の常夜や黄泉もまた、特設学科生になるらしい。


 そして、その特設学科生の優遇政策は校の垣根を越える様で、ライベリーや他のウェイトレスさん達は、この黎明学園の生徒ではなくレーテ・ティリル魔法学院と呼ばれる別の校の特設学科生らしいのだが、旧校舎はもとより一時的なものであるという事も相まって、特設学科生はその校が容認する限り、何処の学校でも拠点の設置が可能だという。


(……一体どこで判断してるのかは謎だけど、ライベリーさんが大学部の1年生で、黄泉さんと常夜さんが専門学部の2年生……。まぁ、妥当かな)


 かくいう瑠璃と紅葉の学部認定は中等部の3年生である為、それもまた妥当な所と言える。



 道すがら、そうした情報を手に入れながらに、紅葉は思考を巡らせるが、そんな思考の散策も束の間、祇祁の「あ! あれだね♪ 着いたよー♪」との明るい声を皮切りに、その思考は中断される。



「! これは……!」


「工場? あ、でも凄い良い立地……」



 ……その場所にあったのは、一つの巨大な湖と、白い砂浜。


 また、透き通った湖の中に沈む、焼け焦げ、崩壊し、滅びた校舎の数々。



 そして……、その砂浜の一角に佇む、その半分以上を、背後の樹海と同じ、鬱蒼とした樹海の木々に飲み込まれた……、一つの機械工場。


 その、森を出て、円形の湖の回りに弧を描く砂浜を少し歩いた先にあった、元は警備施設だったらしき機械工場の中は、先程ライベリーが言っていた通り、普段はあまり使われていないのか、中央に私物らしき列車砲が置かれている以外は、特に何も無く、どことなく放置されたオイルとカビの匂いが、湖からの湿気による錆の匂いに混ざって漂っている。


 そんな機械工場を見て、嗅覚の鋭い瑠璃と紅葉は入るのを少し躊躇うが、それをあまり気にしないらしい祇祁とライベリーの二人は特に臆する事も無く中に入って、辺りを見回す。


「うん! この工場がライベリーちゃん達の基地だよー♪ あ、でも先にこの学園に来てたみんなはまだこっちには来てないみたいだね? 誰もいないや」


「うん? あぁ~、そういえば副店長と料理番は学食に行って食べてるって言ってましたっけ……。って事は良心不在ですかぁ……。寝坊助は……、まぁまた何処かで昼寝してるでしょうしねぇ……」



 そうして、祇祁とライベリーが内部を散策し始めた所で、紅葉と瑠璃の二人も、なんとなく振り返って周囲の森を見渡してみた所……、


 今出て来たばかりの森の中にも、幾つか湖の中にあるのと同じ、崩壊して滅びた校舎の残骸が見え隠れしており、かつてはこの辺り一帯が校舎であった事が伺える。


 これが一体、何年旧校舎化していてこうなったのかは不明だが、元は花壇だったと言われる辺りの木々の生い茂り具合から見て、最低でも100年ぐらいは経過しているであろう事が見て取れる。



「しかし、これ程の場所が機能停止するって、一体どんな災害があったんです?」



 その荒廃した校舎群と、生命溢れる植物、また豊かな水の組み合わせは、何処かノスタルジックな雰囲気を漂わせており、一見して、こうなった背景には、それはそれは凄まじい厄災のエピソードがあったであろう事が予想されたが……、


 その感動的な物語の予想は、あっさりと祇祁によって打ち砕かれる。



「火薬庫の爆発。あ、あの湖はその時出来たクレーターね♪」



 壮大な話など何も無かった、単なる人為ミス。


 何も感動的じゃないし、酷く無意味だ。現実なんてそんなもん。



「……人災じゃないですか、それ?」


「施設管理しっかりして??」



 ごもっともである。


 だが、荒廃の理由がそんなポカミスである事がわかれば、周囲の安全自体は確認出来たも同然なので、工場内の匂いがキツイのも相まって、さっそく瑠璃と紅葉は周囲の森の探索に出掛け、自分達の拠点になりそうな校舎を探しに行く。


「といっても、ほとんど崩落してるから、あんまり良さそうな場所無い感じ?」


「ふむ、珍しい。白い砂浜、果樹の成る木、それに透明な湖と可愛い知り合いの家まで揃ってるんですから、立地的には最高なんですが……」



 流石に、ここまで一通り揃うのは、瑠璃の『幸運』の権能による作用に他ならず、そうであれば、肝心の拠点もここで手に入る筈である。


 そうしたある種の確信の下、二人は周囲を見渡し、ついでに紅葉は、先程道中で祇祁から貰った、この学園のマップデータを携帯端末で参照する。


「……ん? なんかここ以外にも一ヶ所だけ私有地があるね」


「む、本当ですね。そっちなら他に住める所もあるかも? 祇祁さーん。この場所って何処かわかりますかー?」


 そうして、二人は近くの私有地付近に当たりを付けつつ、祇祁にその場所を問う。


 それに対し、ライベリーは「? 近くにそんな場所ありましたかぁ?」と微妙に懐疑的な反応を見せるが……、祇祁の方は、その場所の詳細を知っているらしく、「あ、そこは最近登録されたばっかりの所だね。勇者ちゃんペアのお部屋だ♪」と、その場所に向かって歩き始める。


 その反応を見るに、どうやら、その私有地は、ライベリー達が久しくこの場所に来ていなかった間に登録されたものらしく、ライベリーの側にこの私有地の登録者との面識はないらしい。


 また、その祇祁の様子と、勇者という響きからは危険性を感じないものの、祇祁はその相手の事を知っていても瑠璃と紅葉にとっては素性の知れない相手である為、紅葉はすぐさま先行する祇祁に追い付き、その相手の事を尋ねる。


「勇者ちゃんペア?」


「うん。勇者の概念から生まれた概念体の子達なんだけど……、あ、噂をすれば、ほら、あの子達だよ♪」


「勇者の概念とはこれ如何に……、って、ん? あの人達って……」


「ん? おや? 貴女達は……」

「む、さっきぶり……」


 そこには、先程何処かで見かけた様な二人組がいた。


はい! 唐突ですが二章前半はここまでです! 続きの二章後半は2021年9月6日から開始されます!! 楽しみにしててね♪


……


…………


……………


え? なんでここで一旦終了なのかって? 単純にストックが切れたんですのよ、だらっしゃあああ!! 骨組みは出来てるけどまだ肉付けできてないの!!!! この後半で割と良い感じに一部完で読み味すっきりになる筈(予定)だから、もう少しまってて欲しいわんにゃんひひーん!!!! そんな感じ!!!!!!!!

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