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第二章開幕第一話「撃鉄の調べ」

※注意:ここから先は作者の出自上、現生人類の技術・思想・概念を遥かに超えた技術・思想・概念が多数登場する可能性があります。もしかしたら、それらは現生人類にとっては一種の技術革新イノベーション技術的特異点シンギュラリティの原因となり得てしまうかもしれませんが……、作者は特に気にしないので気にしないでください☆



「……それで? 何のつもりですか? 死にたいんですかね?」


 綾夢荘北東部。


 高級高層建築群、最上階。


 ロイヤルスイートルームの一室。


 そこで、バスタオルを一枚巻いただけの少女は嘲笑うかの様な視線と獰猛な笑みを浮かべながら、自身に銃を突き付けている少女に問う。


 その様子に恐れや不安の要素は微塵も無く、むしろ自身の力に裏打ちされた余裕と共に、その周囲に心身を切り裂くかの様な不穏な寒気を漂わせる。


 そんな瑠璃の様子を確認した紅葉は、その常人であれば卒倒する程の魔力と霊圧を受けながらも、特に微動だにせず、ただ能面の様な無表情で瑠璃を観察する。


[その常人であれば卒倒する程の魔力と霊圧を受けながらも、特に微動だにせず、ただ能面の様な無表情で瑠璃を観察する。]


(魔力と霊圧……、なるほど、これが……)


 その重力が何十倍にも増したかの様な重圧と、肌を切り裂くかの様なビリビリとした寒気を涼し気に受け流しながら、紅葉は瞳の端で中空の文を読み進めるが、そこで、紅葉の内側に異変が起こる。


――『危険』『危険だ!』『何者だ!!』『排除』『撤退!』『排除―』――


 平静を装う顔と同じく、妙に澄み渡った思考とは裏腹に、身体の奥底から唐突に複数のどよめきの様な声が響き渡ったのだ。


(!? なに、この声……)


 その声は耳には音波として伝わっていない為、実際には音ではなく思念的なものであり、瑠璃の方には聞こえていない様だが、これもまた一つの不穏要素として、紅葉の思考に要らぬ乱れを生じさせる。


(知らない誰かの慟哭……、警告文と同じ奴……? まだこんな問題もあるのか……、でも今は―)


 そんなものに構っている暇はない。この状況は紅葉自身が作り出したものとはいえ、瑠璃の脅威度は当初紅葉が予定していたものより――大幅に上なのだ。


 今はまず、瑠璃を観測し、その正体を見極めなければならない――

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