表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/340

第一章幕間第一話「報酬と昇格」


「ほう、シロちゃんの御主人。って、え?」


 それはつまり、この大怪獣を従える者という意味であり、事前の説明によればネットワーク・クライシスと呼ばれる民間警備会社の創設者兼最高司令官でもあるという。


 そんな相手が、今目の前におり、とっとっとっとっと軽い足取りでにこにこと近付いてきて、おもむろに瑠璃と紅葉の頭を撫でる。


「依頼達成お疲れ様。瑠璃ちゃんと紅葉ちゃんよね? シロを連れて来てくれてありがと♪ はいこれ、報酬!」


 そうして二人にそれぞれ銀色のカードを一枚ずつ渡すアリシアは雰囲気も明るく、美人な見た目も相まって瑠璃と紅葉の二人にとっては少し年上の元気なお姉さん的な存在に見えるが、それと同時に獣である瑠璃と紅葉は直感的にアリシアの持つもう一つの気配に気付く。


(これは……。懐かしい……、良い匂い……)

/(……血と炎……。それと死の匂い……。あぁ、戦争屋の人ですもんね……)/


 勿論、そんな獣と言わず生物であればどんな者であれ少なからず忌避する匂いを漂わせてはいても、アリシア自身は見た目の通り、ちょっとマッドなだけで明るく元気なお姉さんである為、多少ヤバみが凄くとも瑠璃も紅葉も彼女自身には忌避反応を示さず、むしろ紅葉にとっては好ましい感覚だった為、その手が離れるのを少し名残惜しそうにしながら、彼女が報酬と言って手渡す銀色のカードを受け取る。


「これが報酬?」

「何かのカードでしょうか?」


「うん! 貴女達用のシルバーキャッシュカード! 役所に働きかけて先に作って貰っといたの! 依頼報酬500億ヴィストで一人当たり250億入れてあるから後で確認してね?」


「へ?」

「億、ですか?」


 そうして無邪気に笑って再び二人の頭を撫でるアリシアとは裏腹に、瑠璃と紅葉は目を丸くしつつ、背後でシロの確認をしている綾夢の方を振り返り言外に事の真偽を確認する。


「ん? アリシアはちょっと多めに払う癖があるなうけど、元々Sランク依頼だから相場としてもそんなもんなうよ? ついでに君らの身分証も私が細工しといたからこの後、依頼達成の手続きすればシルバーランクに昇格するなう。良かったなうな」


 キャッシュカードの入手に留まらない<シルバーランク>レアリティへの昇格事項。それに紅葉は頭がついて行けずに混乱し、瑠璃の方も眉を顰めて事実確認を求める。


「えっ、どゆこと? シルバーって確かレアリティ真ん中あたりの中流階級だよね? 私達まだ依頼一つ受けただけの初心者っていうか駆け出し第一歩のはずなんだけど……」

「ふむ。なんとなく高難易度の依頼が渡されている様な気はしていましたが、Sランク、ですか? 依頼所の仕組み自体まだ把握しきれてないので、出来れば説明が欲しいんですが……」


 しかし、その瑠璃と紅葉の疑問に対し、綾夢は逆にきょとんとして首を傾げ、アリシアは呆れつつ姿勢を正し、小さく溜息を吐く。


「んん?? なんか間違ったなうか………………?」

「あーうん。綾夢が久々に仕事したって聞いた時から、これは結構予想してた」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ