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地の文「なんか私が見える小娘が主役みたいですよ?」  作者: 咏柩
第二章『咎人と断罪者』
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第二章第五十五話「飛ばされた先は」


「じゃあ、行こうか♪」


 虹色の龍がそう話した途端、唐突に視界が変わる。


 猛烈な風と共に知覚したのは、眼下に広がる紫色の霧と、幾つもの巨大で四角い石の塊。


 そして、それらのものより少し後に知覚するのは、眼前。


 その広大な霧と石塊の領域に影を落とす、それらよりもずっと巨大な、建造物。



 それは、幾つもの瓦葺かわらぶきの屋根と白い壁が積み上げられた様な複雑な構造をした壁であり、紅葉が瞬膜を閉じ、視力を拡大して見てみると、その一枚一枚がおよそ3km四方の、黒い屋根瓦の後ろには、幾つもの道路と陣地が築かれている事から、それが単なる外壁ではなく、幅と高さが大き過ぎて、壁の様に見えているだけの、極めて巨大な和風の要塞である事が、少しの思考の後に、理解出来る。


「? 要塞……?」


 高さは見上げる程に、幅は遥か地平の彼方まで。


 かなりの距離があるのにその全貌がまるで見えない事から、その圧倒的な大きさがわかるが、紅葉のそれに対する思考は、唐突に横から手を握って声をかけて来た瑠璃によって掻き消される。


「いや、そんな事より翼開いてください紅葉さん。このままだと墜落しますよ」


「お?」


 墜落とは何か。


 そう思い再度眼下に目を向けてみれば、瑠璃と紅葉の足は宙に浮いており、真下には、辺りに散らばる四角い巨大な石の塊の一つが、凄まじい速度で、迫ってきている。


「!? そうか、この風! 落下してるから!!」


「あの龍、とんでもない所に飛ばしてくれたもんですね!」



 見る間に迫る石塊。


 それを回避しようと、紅葉は翼を広げ、瑠璃は紅葉の腕を引き、抱き寄せながらに防御障壁を張ろうとするが、少し遅い。


 とはいえ、飛べない二人は、その回避法を実行する前に、真下の石塊から飛んで来た、何か、によって、助けられる。



「あーもう!? レルゥシャ!! 人をこんな所に待たせたと思ったら、真上に門開いて人堕とすとかどういうつもりっ!?!?」



 そうして、虹色の龍に文句を言いつつ、落ち行く二人を空中で抱き抱えて助けたのは……、


 全体的に聖騎士然とした、天使の様な翼を持つ、ピンクの美少女だった。

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