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地の文「なんか私が見える小娘が主役みたいですよ?」  作者: 咏柩
第二章『咎人と断罪者』
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第二章第五十三話「謁見と遠征と大会議」


 軍、というか国家元首である黄泉に連絡したいが連絡手段が無い。


 そして、美少女の連絡先ハンターである瑠璃が連絡先を持っていないのであれば、当然紅葉が持っている訳も無く、周りを見回しても、皆、首を横に振る。



 そんな中、一人だけ首を横に振らずに斜めに傾げた祇祁が、一応の黄泉への連絡方法を提案する。


「あー、っと、一応私が黎明学園の理事長だから、その権限で謁見する事は出来るけど、そのルートだと、今は政府も遠征と大会議が重なってるから何時頃になるかわかんないかな……」


 そうして、祇祁は頬をぽりぽりと掻きながら話すが、その言葉の中には、黄泉と別れる際に彼女が話していた単語が混ざっていた為、紅葉がそれに反応して尋ねる。


「? そういえば、その遠征と大会議ってなんか黄泉さんも似たような事言ってた気がするけど、今って何かイベントでもあるの?」


「「「「えっ」」」」


 だが、その質問は同じく昨日この世界に来た瑠璃以外には想定外だったらしく、

皆、一様に顔を見合わせた後、ライベリーと祇祁が「あぁー、そういえば昨日来たばっかりでしたっけ?」「あ、そっか。じゃあ知らなくても当然だね♪」と理由を探り当てて納得し、その詳細を話し始める。



 そうして語られた内容によれば、その二つのイベントとは以下の通りである。


 まず、『遠征』について言えば、現在、この緋練皇国は森林都市レインフィートと呼ばれる友好同盟大国に対し、大量の援軍を遠征して派遣しているらしい。


 その援軍は、今の所まだ先遣隊しか派遣されていないものの、その総数は、実に緋煉常在戦力の1/10にも上り、街に人が少ないのは、その関係で需要の増えた各種軍需都市や軍産工場に人が集まっているからだともいう。


/(! やっぱり、街中の人が少ないのには理由がありましたか……)/


(そういえば役所でも戦時中って言ってたっけ……、しかし、同盟結んでる大国に対して国家戦力の十分の一を援軍として投入って……、それ、少なくともこの世界の大国が最低二つは協力して総力戦挑んでるって事……?)


 街中の活気や平穏さから言って、どちらかというと既に勝ち戦の様であり、そうでなくとも黄泉や常夜といった次元の違う者達に遭遇している以上、あんなものを倒せる……、というか脅かせる存在自体が想像出来ない為、瑠璃も紅葉もそこまでの危機感は抱かないものの、やはりその戦争特有の剣呑さや物々しさの空気はある程度感じなくもない。


(勝ち戦に挑む大国側に飛ばされる異世界人っていうのもセオリーハズレで珍しい気がするけど……、その辺も瑠璃の能力が関わってたりするのかな……)


 そして、もう一つのイベント『大会議』について言えば、こちらはその戦争とはあまり関係無く、主に異界での事柄についての対策会議らしいのだが……、


 今回はその件で、黄泉や常夜を含めたRランク七体がこの禊祓に集まって会議を開くとの事であり、民間では様々な噂で持ち切りだという。


(! やっぱりあれがRランクだったのか……)


/(まぁ、そりゃそうですよね……。しかし、あんなのが七体って……)/


 また、その大会議についても、Rランクは個人が存在するだけでも世界に重大な影響を与える為、それが七体ともなると、如何に強大な都市である禊祓であろうとも、エネルギーバランスの調整は必須となり、その影響で現在禊祓の高位能力者や高ランク保持者は軒並み先の遠征に組み込まれるか、疎開させられている為、それもまた、現在禊祓の人口が少ない原因なのだという。


「まぁ、一応、戦力的にはRランクが七体もいるから、単純戦力としては普段よりずっと多いんだけど、そのRランクを避けて襲撃する『観測知性』なんていう賞金首が襲来して来たらね……」


「『観測知性』には軍や政府も頭抱えてるだろうし、謁見申し込んでもある程度は優先されるとは思うけどどうするー?」


 そうして、鴉亜が頭を抱えつつ、祇祁が首を傾げて来るが、それに対し、瑠璃は腕を組んで顎に手を当てつつ「む、こちらでも行き詰りましたか……、いや、でも、いつもでしたら、そういう場合でも「話は聞かせて貰った!!」的な感じで突然誰かが出てきたりするんですが……」と、それとは更に別の可能性に目を向けて、近くの扉に視線を送る。


 そんな瑠璃の言葉と行動に、その場の半数程度が(いや、そんな馬鹿な……)、と心の中で呟きつつも、瑠璃に釣られて扉の方に視線を向け、特に疑問も抱かず扉の方に目を向けたもう半数と合わせ、全員が扉に目を向けた次の瞬間。



「話は聞かせて貰った!!!!」



 予定通りの台詞と共に、全員の視線を釘付けにしていた扉が勢い良く開いた。


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