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一人の老人
一体入院してから、幾つ年月が過ぎたのだろうか。
僕は、ずっとこの病院に居座っていた。変わっていく部屋の人々と、外の景色。外の景色は、どれだけ時が過ぎていっているか、僕に痛いほど教えてくれた。人々も変わっていった。けれど、特に僕を噂をする人たちもいなかった。
はて、僕はもうここに十年はいるはずだけど。
きっと魂が漂っているのかと思ったけど、違う。だって手は動くし、足も動く。眼球だって自由自在だ。でも、気付かない間に死んでるのかも。そうだなぁ、来世は、もうちょっと、ぽっくりとまではいかないけど。ちゃんと、死んだって思えるといいかな。




