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一人の青年
大人になりたくないと、ずっと思っていた。
学校も、大学院まで進んで、学生気分を堪能しようとしていた。実際、それは実行できた。皆が社会人として荒波に揉まれていく中、自分なりに揉まれながらも、心の中にはただ一つの安堵があった。
私は、まだ学生なんだと。
非常に固執していると自覚はあった。けれど、博士号修得するまでは、私は学生なんだと呑気に考えていた。その考えは、私の人生を大きく揺るがすことになった。本当に何気ないバイトの帰り道、あっさり交通事故にあったのだ。
事故の原因は、私。今日は好きな番組が見れると浮かれて、横断歩道を飛び出してしまった。運は尽きていた。私は飲酒運転の車に轢かれたらしかった。もう、覚えていない。私がふらふらしていたのか、車がふらふらしていたのか、それすら分からなかったから。




