表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/39

17話 食事ってそういうもんじゃないか?

ラウラとアリスが出会い───




──お泊り会が始まった!



俺のテントで!!



何故!?



「何故!?」

「深夜なんスよー?静かにしてくださいあともうちょっとそっち寄ってくださいっス」

「シオト大人しく寝てあともうちょっとそっち寄って」


俺を真ん中にした理由は良くわからないが、


狭い。すごく狭い。


俺が返ってくるまで寝ずに待っていたアリスを見て、何故かお泊りすることになったラウラ。風呂で何を話したかは知らないが、俺が風呂を上がるときにはすっかり仲良くなっていた。と思う。

外でいいと言うと、ラウラは「氷点下を下回るんだよ!?」と怒りながら中に入れてくれた。優しい子たちで本当に良かった、と俺は思った。

そして今、お泊り会でウキウキ気分なラウラと、何故かラウラに対抗心を燃やすアリスに挟まれ、俺は押しつぶされようとしていた。圧迫感と洗剤(ラウラもアリスも自分用のを持っているようだ)の匂いで、このままでは危ないと思い、口を開く。



「お前ら、もしかして俺のこと好きなの?笑」



二人は一瞬にして俺から遠ざかり、危機は去った。



「知っててやったんだけどね。そんなに引く?」


テントの床面からはみ出る二人のせいで、テントが横に伸びている。


「アリスちゃん。いっつもこうなの?」


アリスはしばらく黙った後、声を張る。


「そ、そうっスよ!ララさんは知らない一面っス!」


こんなようなこと滅多に言わないんだが。

というか俺よりずっとうるさいじゃあないか。


「俺が悪う御座いましたよ。テント壊れちゃうから、もうちょっとこっちに───」


「──私も、アリスちゃんが知らないシオトいっぱい知ってる・・・!」


ラウラがムッとした顔をする。深夜でテンションがおかしくなっているのか、意味不明なところでアリスに対抗している。


「じゃあ、ララさん知ってますか!?先輩は草原の雑魚魔物相手に作戦練るんスよ!」

「し、知ってる!?シオト、剣持っただけで転んですっごく弱かったんだからね!──」


「今は今だ、俺はもう結構強い。()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「先輩、意味わかんないっス。あと、顎がうざいっス。あ、そういえば!──」



──その後も、次々と俺の弱みが暴露されていったが、三人で話すのは、結構楽しかった。

思えば、こんなにわちゃわちゃと話すのはかなり久々だったな。

相手がこの二人だからってのもあって、寝ることも忘れてくっちゃべってしまった。


「そろそろ、寝るか。」

「流石にそろそろ眠いっス」

「おやすみなさい!」


ラウラはまだ元気のようだが、疲れが瞼を重くする。


俺は目を閉じ、すぐに眠ってしまった。───




──「先輩起きるっスよ!」

「起きて、シオト」


「ん、夢だなこれ、おはようございます。今日もとっても可愛いですよ。お二人さん。」


「「・・・」」


「あ、そういや現実だったな。ごめん寝ぼけてた。飯にしよう。町でパンを買ったから、今日の朝食は豪勢にいこうじゃないか」


「「・・・」」


二人そろって黙ったまま顔を洗いに行ったので、その間に牛乳ベースのスープを作る。

王女様のラウラはちゃんと寝れただろうか。まあ、結構野宿したことあるようだし、問題ないか。

火にかけている間に、俺も顔を洗いに行き、ラウラには火の番、アリスに食卓を頼む。

一人で全部やっていた時期は負担に感じていた仕事に、やりがいすら感じる。三人寄れば、三倍以上の恩恵が得られるらしい。


「今日もうまそ」

「いっつもおんなじこと言ってますよね、先輩。まあ、実際美味しいっスけど。」

「いつもシオトが作ってるの?」


「私もたまーに作るんスけど、ぶっちゃけ料理下手で、微妙なのしかできないっス。・・・(それでも、先輩は美味しそうに食べるんスけど。)」

「(シオト、そういうとこあるよね。)」



「な、なんて?」


「何も言ってないっスよ!さ、食べましょ!」


「「「いただきます」」」


三人分の挨拶に、確かな幸せを感じる。


「うん。やっぱりうまい!」


「自分の料理、そんなに褒めます?普通」


「俺の料理自体は普通に美味いくらいなんだけど、周りの景色とか、アリスが頬張るところとか、ラウラのちょっと笑った顔とか、そういうもので何倍も美味く感じるといいますか。食事ってそういうもんじゃないか?」


「な、なるほど。っていうか、そんなに人の顔ジロジロ見ないの!デコピンするよ!?」


こんな会話一つ一つで飯が美味く感じるのは、間違っているだろうか。


「あと先輩、自分の料理も褒めてますよね。」

「まあな。普通にって言ったけど、本当は凄く美味しいんじゃないかと思ってるよ。」

「全く。フフッ!」


そんな理由で、今日の朝食は超ごちそうだった訳だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ