6.検証実験
今回から1話あたりの量を増やしました。
ヤンスはもともと話し好きなのか、延々と話し続けた。
生い立ちから自身の能力「知識の泉」がいかに優秀か。さらには、この世界がどんな世界でここはどこなのか。
そして、俺の能力「創造主」がどの様な能力かも説明してくれた。
結果、俺の能力「創造主」は予想を遥かに超えたチートスキルであると言える。使い方を聞くまで俺は、何かを作るように念じ想像しイメージを練り上げて創造物を作成するものだと思っていた。
しかし、ヤンス曰く「手や足を動かす様に自然と物を創り出せるでヤンス」との事だ。
知識があれば高性能の物を創り出せる。と解釈していた部分でも俺の解釈とは大いに違う。その認識も間違いではないのだが、例えば。見た、聞いた、触った、など自分が経験した事は全て自分が持っている知識として扱われる。もっと言うと自分の身体については、例えば血液、神経、皮膚や眼球等、全てにおいて知ってる、知識がある、とみなされるという事らしい。
よくわからない、という顔をしていたら、
「やってみると良いでヤンス」
ヤンスに促され、よくわからないままやってみる。
おお!凄い!!手の甲から指が出て、中指をぽりぽり掻いている。凄いが若干気持ち悪いな。
もちろん自分の身体から生やすだけでなく、空中に突如出現させる事も地面から生やす事も可能だ。
可能なのだが操作はできない。
「あー。動かせないのか」
「そうでヤンスね。アレに直接脳みそ付けたりすれば動くとは思うでヤンス。が、それじゃ思い通りに操作は出来ないでヤンスね。。」
などとヤンスにアドバイスを貰いながら特別能力「創造主」を使い様々な実験もしてみた。
結果、創り出せない物は無かった。
いや、正確には途中で何度か出せない物はあった。しかし、ヤンスにその物体なり物質なり現象なり、説明を受ける。
すると、俺が理解していてもいなくても創り出せるようになるのである。
なんかもう理解不能な凄さである。
そんなこんなしていると、辺りが大分暗くなってきた。
「あ!忘れてたでヤンス。夜は危ないでヤンス。この辺りは昼は滅多に魔物は出ないでヤンスが夜になるとエゲツないほど強い魔物が出るでヤンス」
「ふーん」
「ふーん、て、そんな悠長なこと、、、ヤンス?
俺は即座に家を創り出しドアを開けていた。家と言っても外から見たら何もない。擬態なんてレベルではない。どこからどう見ても何もないのだ。しかしドアを開けて中を見ると部屋が広がっている。まるで空間が切り開かれ、そこに部屋だけあるような、そんな錯覚すら覚えるだろう。
「入る?」
俺の問いにヤンスは言葉もなく付いてきた。
俺が家のドアを閉めると同時に
「天才でヤンス」
ポツリとヤンスが呟いた。
さて、まずは飯と風呂だ!
俺が飯を食い風呂に入ってる間ヤンスは家の中を探検していたらしい。
風呂から出てビールを飲んでいたところに、2階から降りてきたヤンスがやってきた。
「お願いがあるでヤンス。オイラの身体を創って欲しいでヤンス。身体と言うか乗り物?いや、入れ物でヤンスね。そしたらオイラも馬鹿にされずに生きていけるでヤンス」
何やら真面目トーンで話し始めた。色々教えて貰ったしこれからもきっと世話になるだろう。つまりは、人型スーツ創ってその中にヤンスが入るって事だろう。それくらいはおやすい御用だ。
ただ気持ちの悪いマダラ模様になんか愛着を感じてきたところなので残念ではある。例えて言うならば、フレンチブルドッグに感じる愛らしさみたいな、、キモカワってやつだ。
まあ、それは置いといてそのくらいの事はしてあげるか。どうせなら、パワードスーツみたいに身体能力が向上する仕様が良いのかな。けど多分性能云々ではなく見た目が普通ってのが1番なのかな?
など、作る前提で色々考えていた。
すると。
「もちろんタダでとは言わないでヤンス!」
「いや、そんな、、、」
「オイラの能力あげるでヤンス!」
うん。それはありがたい!つか、マジでか!ありがとう惚れそうだ!!
最初気持ち悪いとか思ってゴメン。俺はもうヤンスに足向けて寝られません!能力無くなって唯の馬鹿になっても俺が面倒見てやるからな。
「ダメでヤンスか?」
「もちろん良いに決まってるじゃんかよ!ヤンスの為ならそれくらい引き受けるって!」
「ありがとうでヤンス!感動でヤンス!、、けど、実行するのは明日で良いでヤンスか?」
きっと、気持ち悪いと言われ続け、自分の姿にコンプレックスを持っていながらも、ずっとその姿でいたのだから色々思うところもあるのだろう。わかったとヤンスに伝え、寝室で眠る事にした。
こうしてヤンスの頼みを聞く代わりにヤンスの能力を頂ける事になった。




