23.ぷっつんアルス君
何日も空いてすみませんでした。
皆様も本当に風邪にはお気を付け下さい。
「まじか⁉︎」
テーブルの上には豪華絢爛な食事が所狭しと並んでいる。
怪鳥からは想像も付かない数々の料理を見てアルスは戸惑っていた。
「えっへん。頑張ったのだ。冷めないうちに早く食べようよ」
リナが可愛らしいドヤ顔をアルスに向け、早く料理を食べて欲しそうにしている。
「そだな!それじゃ、いただきまーす」
「えへへ、召し上がれ」
アルスは猛烈なスピードで食事を進めていく。
リナはそんなアルスを見ながら、ゆっくりと食べ進む。
「ごちそうさまでした」
ものの十数分でテーブルの上に並んでいた料理は全て無くなってしまっていた。
リナは驚きながらも、しかし嬉しそうにしながら
「すご〜い。残ると思ったのに全部食べちゃったね〜」
リナ曰く、怪鳥料理は残ったら残ったで保存食になるという事だ。それを聞いたアルスは次に出てきた怪鳥で保存食を作って貰うようにリナにお願いした。
そして2人は、ドワルフ共和国に向けて再び歩き出す。
〜5日後〜
2人はドワルフ共和国の入国審査の列に並んでいる。
道中は大した魔物にも遭遇せず、しつこいくらいに襲ってく怪鳥の相手をしながら、まるでピクニックをするかの様に2人で仲良く歩いていた。
「まだ着かなくてよかったのに〜」
リナはまだアルスと2人で旅をしていたかった様で不満そうだ。
それはそうである。
リナにとっては旅をしていた実感などない。昼はピクニック、夜はアルスの作った家で晩酌。と、楽しい旅行をしていただけの気分なのだから、、、
一方でアルスは、女性に興味津々の童貞な自分が、リナという美女とずっと一緒に居たというのに理性を保っていられる事が不思議でしょうがなかった。
夜はアルスの作った家の中で晩酌。2人でほろ酔いになりノリで一緒に風呂にも入った。
そんな生活が5日も続いたら、健全な男子は理性など吹っ飛びリナに襲いかかるはず。にも、関わらずアルスは発情しなかった。
いや、正確には発情はした。夜寝る時も同じ布団だったので悶々としながら目を瞑る。と、気がつくと朝になっているのだ。
前日の悶々とした気持ちが嘘の様にスッキリとした状態で。。。
毎朝スッキリとした気分にならずに悶々とした気持ちが溜まっていたら、欲求不満で理性など無くしてリナに襲いかかっていたはずだ。
寝て起きたらスッキリしているという不思議な現象がなんなのか。と、いうのがアルスの疑問であった。
ま、アルスの疑問は夜のリナの行動によるのもなのだが、、、ここでの話は避けておく。
「リナはドワルフ共和国に来た事はあるん?」
アルスは考えていても意味が無い。と、頭を切り替えてリナに質問する。
「うん。あるんだよ。その時はね、、」
「あれ!可愛い子みーつっけた!!」
リナがアルスの質問に答えている途中、何かを話そうとしたその時、リナの横のアルスは押しのけられリナは4人の男に囲まれていた。
「ねーねーどっから来たの?」
「俺たちと遊ぼうよ!」
と、ナンパ、、、というか絡まれてしまい、アルスに助けて欲しそうな目線を送った。
アルスはリナにそんな目線を送られるまでもなく、4人の男に怒りをあらわに
「っつーか、なんだお前ら?」
と、喧嘩腰で言葉をぶつける。
4人の目がアルスに向く、その隙にリナは4人の間をすり抜けアルスの背中に隠れる様に移動した。そして小声で
「その時もこうなっちゃったんだよ、、、、」
と、溜息交じりの表情でポツリと言った。
「なるほどね、、、」アルスは妙に納得していた。自分はナンパなどできる性格では無い。が、ナンパできる奴らならリナに声を掛けないはずは無いか。と、思ったからだ。
しかし、それはそれで此奴らの失礼さ加減は許せるものでは無い。
「おぅ。連れがいたんか」
「おにーちゃん邪魔だからよ。そっちの金髪姉ちゃん置いて帰れ」
などと言っている。
みたところ30代後半から40代の人間のようである。入国審査の列に並んでいるので問題は起こしたくは無いアルスはとりあえず周りを見渡す、、と、周囲の全員が「我関せず」を決め込んでいるようだった。
アルスはどうにか怒りを抑えながら小声で
「前回はどうしたん?」
と聞くとレナは若干表情を曇らせ答えにくそうに
「あの、、私は、淫魔族だから、、ね」
「あ、そうか」アルスは心の中で一言呟いた。
前回は誘われるままについていきリナも楽しんだという事だ。それをリナはアルスに知られたくは無かった。
知られないのは無理だとしても言葉にはしたく無かったのだ。
「ご、、、」
全てを理解したアルスがリナに「ごめんな」と小声で呟こうとする
「あれあれあれー?」
「お姉さん淫魔族なんだ?」
「じゃあ俺ら全員同時に相手してくれよ」
と、アルスの言葉をかき消し下品な笑いを浮かべていた。
「うっるぁあああ!!」
これには流石にアルスは我慢しきれずに1人の顔面に思いっきり拳を打ち込み、さらにもう1人の男の横腹に強烈な横蹴りを入れた。
顔を殴られた男は膝から崩れ落ち、横腹を蹴られた男は口や鼻から嘔吐物を出し亀のようになりピクピクと痙攣していた。
「ひぃぃいい」
残った2人のうち1人は失禁し膝震わせて動けずにいる。が、もう1人は膝を震わせながらも逃げようとしていた。
アルスは逃げようとした男の髪を掴みそのまま引っ張る。
するとアルスの横に仰向けに倒れたので、腹の上を2.3回踏み付け最後に顔面を踏み付けた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・・」
残った男は土下座しながら呪文の様に「ごめんなさい」と繰り返している。
アルスは男の横から軽く小突く様につま先で脇腹を蹴る。
「げふえぇ」
男の顔が苦痛に歪む。
アルスが足を振り上げ男の後頭部に振り下ろそうとすると
「ダメだよ!アルス君、もういいから、ね?」
リナがアルスに抱きつき声を掛ける。すると先先程までの行動が嘘の様に
「ん。まあリナがそう言うなら、、」
と、いつものアルスに戻っていた。そして
「ん、、とゴメンな?」
アルスは先程リナに言い損ねた謝罪の言葉を口にする
「ん?なにがなのかな??」
するとリナはキョトンとしてアルスに聞き返した。
話を戻すのも、、と思ったアルスは「なんでも無い」と笑顔で言い、思い出したように
「それよりオヤツ食べよーぜ」
と言い出した。
リナが作ってくれた怪鳥の保存食の中に、ナッツのお菓子のような物があったのを思い出したのだ。
「うん。一緒にたーべよ」
と、リナも言い2人は何事も無かったかのように列に戻る。
、、、、が、もちろん何事も無いはずは無かった。
2人は騒ぎに駆け付けた憲兵隊に連行されるようにドワルフ共和国に入って行ったのだった。
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