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よくある異世界物語  作者: うろつて
18/32

18.ヤンス走る

ゴードンはBARパステノスのカウンターに座り酒樽を抱えて酒を飲んでいる。

隣には、透き通るような白い肌、長い銀髪、思わず見とれてしまうほどの長耳族エルフの美女。

まさに美女と野獣という絵である。


「さて、サーシャはどう思うかね?」


「そうね、、、嘘では無いんじゃないかしら」


「儂らの味方になってくれるじゃろうかの。」


「それは、わからないわ。けど、敵対はしない方が良さそうね」


ゴードンとサーシャが話しているのはもちろん「親分」についてである。利用しようとか言う訳ではない、純粋に協力して欲しいのだ。


「邪魔するよ」


店の入り口のドアが開く音と共に、1人の老婆が現れた。

ゴードンとサーシャは振り返り


「これはララ殿よく来て下さった」

「珍しいわね」


と、声を掛けた。


ララも人間と共存して生活をする事に同意し、この町を作り上げてきた。

しかし、ゴードンとサーシャと違い。自分達から人間に近づき親しくなりたい。とは思っていない。

まあ、その辺の細かい話は別の機会にという事にしておこう。


「あの小僧の名前はアルスだとさ」


ララはゴードンとサーシャに向けて言った。


「なるほど、きちんと考えたのじゃな。して、何故ララ殿がそれを?」


「フン。うちのリナがあの小僧(アルス)に骨抜きにされちまってね、、あの様子じゃベタ惚れだね」


「それでララ様はご立腹なのかしら?」


「そんな事は無いさ、面白くないのは確かだがあの小僧(アルス)ならアリだね」


ララの発言にゴードンとサーシャは顔を見合わせ驚いた。


「とにかくあの小僧(アルス)は此処に来るんだろ?私も同席させて貰うよ」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


アルスがBARパステノスの扉を開けると、バランスの悪い3人が座っている。

大柄のおっちゃん(ゴードン)色白の美女(サーシャ)怪しい老婆(ララ)、である。


「ひょっとして結構待たせました?」


アルスは少し戸惑いながら質問する。

ゴードンはもちろん分かる。けど、後の2人は誰だ?

、、あの淫魔族サキュバスの老婆は、リナのとこにいた気がする。。が、色白美女は見た事も無い。


「いや、儂らが早めに来て話し合っていただけじゃ。で、こちらがララ殿とサーシャじゃ、お主も面識はあるじゃろう?」


「いやいやいやいや、面識あるじゃろう?って、面識あるけど、え?」


アルスは軽く混乱する。


リナのとこにいた老婆がララなのは理解した。店のママさんが受付カウンターに座っていただけだろう。


しかし、色白美女がサーシャとは、、まあ、うん。この世界ならあり得るの、か?


「普段は理由ワケあって猫の姿をしているのよ」


アルスの困惑を察したサーシャが一言発した。

きっとフォローのつもりだろうが何のフォローにもなっていない。


「で、名前はアルスで決まりで良いのかのぅ」


まだ困惑中なのだがそんな事はお構い無しに、しかも直球でゴードンが聞いてきた。

ゴードンにアルスって伝えた覚えは無いのだが、、、あ!ララが伝えたのか。


アルスは自分の頭の中で自己解決した、すると不思議なもので、サーシャが色白で耳長族エルフで美女なのもすんなり受け入れられた。


この世界では不思議な事があっても、驚いたり困惑するだけ無駄だな。そう心に決めた瞬間であった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


で、まぁ俺はゴードン、サーシャ、ララと4人で今後について話をした。


今後についてと言っても、俺が世界を旅したいと言うとアッサリ認めてくれた。

しかも、出来る限りの手配はしてくれると言う事だ。

その代わり、ゴードン達の方で何かあったら協力して欲しいと。それだけの事だった。


ただ、ララから条件を1つ付けられた。

リナを旅に同行させるようにと。あの子は戦闘訓練もしているので足手まといになる事は無いから、よろしくと。


そこまで言われたら俺には断る理由は無い。

いつ頃出発にするか考えないとな


「あ、早く宿を出ても宿泊費の返還は無いわよ?」


俺が頭の中で出発の段取りをしているのが分かったのだろう。ニコリと笑いながらそう言ってきた。


「ま、いーっすよ」


どうせ金は無尽蔵に創り出せるし困る事は無いのだから、と思っていたのだが、、、


「おー、そういえば大切な事を伝えるのを忘れておったわぃ。出来れば金は極力作り出さずによろしく頼むわぃ」


「りょーかいっす、、、え?」


思わず返事してしまった。。けどま、どうにかなるか。


この世界にも大小様々な国があり、敵対している国、同盟を結んでいる国、がある。

ギルはその全て国々での共通通貨なのだ。もちろん国によって物価は違う。


戦争法やその他世界のルールなど、諸々整備されていないこの世界での唯一の共通ルールがギルを偽造しないと言う事であった。


よく話を聞けば、ものを創り出しそれを売る分には何も問題無いという事なので何も問題無いだろう。


今日のところは話しは終わりらしい。

面倒臭い事だがまた明日、今度はヤンスやリナも一緒に此処に集まる事ならになった。


俺は宿に戻りヤンスにゴードン達との話を伝え、出発の段取りを決めようとした。


「ルナちゃんとレナちゃんは連れて行けないでヤンス?」


「あー、あの言い方だと多分リナだけだな」


ヤンスはルナとレナが連れて行けない事が不満らしい。

それ以外の事については「親分に任せるでヤンス」しか言わなかったくせに。。

何とか説得しようとしたが「直接交渉するでヤンス」と言って部屋を飛び出して行ってしまった。


「人が増えると面倒だな、、、」

そんな事を考えながらのんびりと風呂に浸かるアルスであった。

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