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よくある異世界物語  作者: うろつて
15/32

15.サシ飲み

ゴードンは1時間程遅れて「BARパステノス」にやって来た。

店のドアを開けると、楽しそうに飲み食いしている5人が見える。


「おーぅ。楽しそうだのぅ」


ゴードンは楽しい酒宴が大好きである。

しかも、ここは「バー」である。何もしないで退屈そうに待たれているくらいなら、失礼でも良いからパーっとはしゃいでくれている方が何倍も嬉しい。


「バー」である。と、言ったが通常営業はしていない。基本的にはパステノス自警団が溜まり場として使うだけの場所だ。しかし、酒の種類と量はそこら辺の店に負けないだろう。


「ゴードンさん。勝手に騒がせてもらってます」


俺はゴードンに気付き席を立って挨拶をした。ゴードンは「そんなの儂にはいらんわい」と、手をヒラヒラさせて厨房に向かう。そして、木の樽を抱え帰ってきた。そして、


「そんな挨拶より、改めて乾杯じゃー!!」

「カンパーイ」


このおっさんは根っからの飲み好きなのだろう。盛り上がっていた飲み会の雰囲気を壊さずに、ハイテンションで合流する。出来た大人である。


「盛り上がっておったが何の話をしてたんじゃ?」


「そーそー、ひどいの聞いてゴードンさん!親分さんもヤンス君もどこから来たのか教えてくれないの!」

「親分さんなんて名前聞いてもずっと誤魔化してるしー」

「けど、親分さんの料理すごい美味しいの!」


俺とヤンスは、何が面白いのか、そのやり取りを見てゲラゲラ大爆笑している。


「ふぅむ。ちょっと酔っ払いすぎかのぅ。どれ、毒素排出(トキシンヒーリング)


ゴードンは俺たち5人に手をかざす。

すると、酔いが冷めた訳ではないが、、ベロベロの酔っ払いだったのがほろ酔いになったというか、意識がハッキリするというかなんと言うか。

とにかく、まともに会話できる状態にはなった。


するとゴードンは「特に改る必要は無いんじゃがの」と前置きをしてから、コホンと咳払いをし


「儂はパステノスのおさ、ゴードン=フリーマンである。偉大なる氷の魔法使いよ、名をなんと申す」


と、とてつもなく改まって聞いてきた。きっと、町の長として聞いてるから茶化さず教えてね。ってところだろう。


「そういう感じの苦手っす。全部ちゃんと話すから2人で飲みながら話しましょーや」


俺は笑いながら言い、自分の酒を持ちカウンターへ歩いて行った。


「ふむ。そうじゃの、話が聞ければなんでも良いわい」


そう言うと、ゴードンはカウンターの隣の席に座った。


「えー」

「親分さんとゴードンさんも一緒に飲むー」

「騒ごうよー」


と、騒ぐ3人娘。可愛い、俺としてもみんなで飲んだ方が楽しいのだが、流石にゴードンと話をしないと言うのはマズイだろう。


「ヤンス!リナ、レナ、ルナに風呂見せてやれ。今から行けば温かいはずだ!」

「ハイでヤンス!」


俺の言葉にヤンスは満面の笑みで答え。3人娘も大喜び、4人でさっさっと宿屋に行ってしまった。


「お騒がせして申し訳ない」

「いや、構わん。騒がしいのは好きじゃからな。。お主らの話を聞いとかない訳にいかなくてのぅ」


ゴードンの表情から察するに、本当はあのまま宴会続行が良かったのだろう。


「酒の席は今度改めて作りましょう」


ゴードンと宴会するのは楽しそうだし、こんなんでも町の長である。仲良くなっておいて損は無いだろう。


「本当か!淫魔族サキュバスの3人も来るのかのぅ?」


あー。。

なるほどね、いつのどこの世界も男は当然助平なんだな。

俺は、自然と笑みがこぼれていた。


「ま、乾杯しましょーや」

「うぬ。そうじゃの」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


俺は飲みながら全ての事を話した。

全ての事と言っても、この世界に来てまだ2日目だ。重要な事と言えば、違う世界からヤンスと共に転生してきた事・魔力が無い事。の2点だけだろう。あ、あとは侵入防止の結界を勝手に通過した事も謝っておいた。いや、能力の事も色々話した。

俺からしたら重要で無くともゴードンがどんな風に思うかは分からない。


ゴードンは「残してきた家族は心配では無いのか」と聞いてきたが、俺は前世で天寿を全うしたのだから、俺が心配する事では無いと伝えた。


「するとこの世界で人間として生きてゆく、そういう事じゃな?」


俺の言葉足らずな下手くそな説明でゴードンはきちんと理解してくれた。

なんと言うか、とても安心感を与えてくれる人である。


「はい、できれば」


俺が、答えるとゴードンは「それは任せておけ」と言ってくれた。ただし名前は明日までに考えておいて欲しいという事だ。

ゴードンは前世での名前をそのまま使えば良いと言っていたのだが、俺は拒否した。

どうせ生まれ変わったなら名前も変えたい。という軽い理由なんだけどもね。


「あとは、能力について詳しく知りたいのぅ」


俺は会話の合間に、ツマミの補充も兼ねて「創造主」の能力を何度か実演して見せていた。「不思議じゃのぅ」何度見ても、そう呟くゴードンの顔が印象深い。


「知識の泉」に関しても、俺が知りえないこの世界の質問をゴードンに聞かれた時に、答えられる場合と答えられない場合があった。


俺も能力については、ちゃんと理解しているとは言い難い。

使っているが、使いこなせてはいないだろう。


俺とゴードンは酒を飲みながら、科学の実験をするかのように楽しく能力の考察を行っていく


気が付いた時には夜は明けていた。。

主人公の名前、次の話でようやく出てきます。

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