11.羨ましい
人間以外は『魔物』として、書いてあります。
俺とヤンスはカーニバル会場を歩いている。人は多いが自由に歩けないほど混み合っているわけでは無い。
肉串屋と書かれたの屋台の前で、なんの肉だか分からない串焼きを頬張りながら人混みを眺めている。
炭鉱族や長耳族、淫魔族、鬼人族と、いった人の形に近く知能の高い魔物達が3割ほどで、残り7割は人間が占めている。
「やっぱり人間が多いんだな」
「でヤンスね」
魔物と言ってもこの程度か。
もっとゴブリンやらキマイラやら人外な生き物とごちゃ返している町並みを想像していた俺は、ちょっとガッカリしていた。町に着けば森で矢が降ったように面白い事があるのかと思ったのに。
「カーニバル最終日の花形!パステノスの最強は誰だ?バトルトーナメント大会の受け付けを開始いたしまーす!!」
突如どでかい声が町中に響き渡る。会場は西のはずれの広場だそうだ。アナウンスが流れたと同時に全ての屋台で片付けが始まった。
バトルトーナメントか、屋台も無くなるし、戦い方の勉強にもなるし見学だけでもして行こう。
ぞろぞろ歩く人の流れにそって町の西の広場を目指す。
西の広場と言うので、町の西の部分が広場になっているのかと思ったら違っていた。丸い町の西側にもう1つ丸いをくっつけたような。。
だだっ広い荒野の周りに円形に観客席が設けてある。結構大規模な戦闘をするんだろうな。そんな事を考え、気がつくとヤンスが駆け寄ってきた。
「どこに行ってたんだ?」
「登録してきたでヤンス」
「は?何言ってんのお前??」
満面の笑みで、ヤンスが何か言っている。
まあ、うん、いっか!楽しそうだし!
「お兄さん出場するの?」
「すご〜い」
「勇気あるなあ!」
俺とヤンスの話を聞いていた、淫魔族の3人組が話し掛けて来た。皆さん超絶美人さんだ。
美人に囲まれて緊張してしまい「ああ」とか「うん」とかしか言葉が出ない。だが、ヤンスは
「親分は凄いでヤンス」
とか
「オイラ本当は相棒でヤンス!けど、身の程をわきまえ自ら子分になったでヤンス」
などと言っている。そんな謙虚な気持ち持ってたのか。俺の羨ましい気持ちを無視して4人で会話が弾んでいる。
「ゴードンさんは大会引退したからチャンスはあるよ!」
「けど引退してからはゴードンさんトコの4弟子の誰かしか優勝してなくない?」
「うん。最近なんてトーナメントって言っても4人しか出場しないもんねー」
「ふむふむでヤンス」
という事で、最近はゴードンの弟子4人のうち誰が勝つかを見ているだけらしい。だが、4人の人気・実力共に図抜けているので余興として成り立っているんだとさ。
まあ、ゴードンの4弟子のコンサートみたいなものだろう。
ちなみに1度だけだが、エキシビションマッチとしてゴードンvs4弟子を行ったらしい。結果は、ゴードンの圧勝だったそうだ。
ゴードンどんだけだよ。
ゴードンとサーシャは2人組の事はすぐに見つけた。そしてずっと観察していた、しかし2人組の男は何かを企んでいるわけでもないらしかった。
「ふむふむ、しかし宿屋の中で魔法を使ったというのに魔力をほとんど、、いや、全く感じないぞい?」
「えぇ。私も気になっているの。。なぜかしら?」
しばらく見ていると、銀髪の方が大会受付に走って行った。ゴードンが確認すると、『親分』と出場登録が行われている。
ゴードンは再び大会に出る事を決めた。
「さて!これよりバトルトーナメント大会を開催いたします!!」
「出場エントリーした選手は名前を呼ばれましたら闘技場の中央に降りて来てください!!」
いよいよ入場が始まる。まずは4弟子の入場だった名前が呼ばれるたびに会場から、キャーと黄色い声援が飛ぶ。
絶対に負けん!心に決める。
あんな髪色がカラフルな奴らには負けん!!
赤髪がテノス
青髪がニタース
茶髪がシュハイト
緑髪がディエーフス
だそうだ。そしてようやく俺の登場シーン!
「そして、何大会ぶりの挑戦者だろうか?死なないように頑張るんだ!命知らずの馬鹿者!その名も親分!!」
死ぬなー!とか、頑張れー!とか、目立ちたがりやー!とかとか一応声援は飛んでいる。
まあ良いさ。俺は無名の挑戦者だ。全員蹴散らしてやる。ところで5人てトーナメント決めはどうするんだろう。と思っていると。
「そして!今大会はあの生ける伝説が帰ってきた!」
観客席がザワつき始める。
「絶対無敵の王者!ゴードン=フリーマン!!!」
会場は、歓喜の渦に包まれた!!




