六話目
これからの事を考えた時に、やはり強さを手に入れねば、と思った。
そのため、今世の父親である侯爵へおねだりをしてみた。
「お父様、ノア殿下との婚約のこともあります。
今後のことも考えて、殿下をお守りするためにもっと強くなりたいのです」
そう前置きして、剣術と魔法を学ばせて貰えるよう頼んでみたが、
「そうかそうか。
でも、アイリスは女の子なんだ。
そういったことは護衛の騎士たちに任せておけばいいんだよ」
と、やんわり断られてしまった。
「で、でも、私には魔力があります!
せめて、魔法だけでも早く使えるようになりたいのです!!」
「うん、そうだね。
でも、アイリスはまだ三歳だからね。
魔法の勉強は、もう少し大きくなってからだ。
ノア殿下だってつい最近、魔法の勉強を始めたばかりなんだよ。
まずは、殿下のお妃様として恥ずかしくないよう、そっちの勉強を頑張ろうか」
にべも無い。
ノア殿下関連のゴタゴタから数週間。
体も完全回復した。
次の【闇堕ち案件】までにある程度、強さを身につけ動けるようになっておきたい。
そのためのわがままだったが、侯爵の許しは得られなかった。
それなら、仕方ない。
近況報告も兼ねて、スレ立てして相談してみよう。
――――――
5:スレ主
とまぁ、そんなわけで
次の殿下の闇堕ち案件までに、なんとか強くなっておきたい
いい方法ない??
6:名無しの転生者
知らんがな
7:名無しの転生者
勝手に自分で勉強しておぼえろよ
――――――
独学で覚える、か。
それが出来れば苦労はない。
剣術などの戦闘訓練だったら、前世からのポテンシャルがあるから独学でいくらでもできる。
……乳母兼教育係であるエミリーの目を掻い潜る必要があるが。
まぁ、それは気配を消したりしてこっそりやれば良いだけの話だ。
しかし、独学で魔法を学ぶためのヒントくらいほしかった。
――――――
10:名無しの転生者
前世だと、魔法は使えなかったん??
人間辞めるほどには強かったんだろ??
11:スレ主
めちゃくちゃ修行したからなぁ
剣術とか拳術とか柔術を組み合わせた技は使えたけど
魔法は才能がなくてからっきしだったし
せいぜい、魔法が付与されてる魔道具使うくらいだったかな
12:名無しの転生者
魔道具、魔剣とか??
13:スレ主
(*´・д`)-д-)))ソゥソゥ
装備とかも、そういうの使ってた
14:考察厨
素人質問なんだけどさ
スレ主の今の実家って、侯爵家、なんだろ??
貴族でも、わりと上の方でいいのか?
15:スレ主
そうだけど、それが??
16:考察厨
で、魔力持ちって貴族には普通だったりする??
17:スレ主
ピンキリだけど
貴族は基本、平民より魔力持ちが多いよ
18:考察厨
ふむふむ
で、その勉強ってどうやってするんだ?
学校行ったり??
それとも家庭教師が来たり??
19:スレ主
えーと、神様から与えられた知識によると
12歳で貴族の子は魔法学園に入るらしい
でも、その前に大体五歳くらいから家庭教師を呼んで勉強を始めるみたいだ
20:考察厨
つまり、基礎的なことを5歳から学ぶのか
なるほどなるほど
なら、教材ってどうするんだろうな?
――――――
「教材??」
俺は首を傾げた。
言葉の意味はわかる。
たとえば、教科書とかそういう教育を施すための道具のことだ。
――――――
22:考察厨
魔法があって、それを教える学校もある
学校なら教科書があるだろうし
その前段階の、家庭教師に教えてもらう時は教材ってどうしてるんだ??
その度に買うのか??
――――――
問われて、考える。
どうなのだろう??
あ、神様からの知識で確認すればいいのか。
――――――
25:スレ主
神様が与えてくれた知識で確認した
その度に購入するっぽい
貴族向けの魔法学入門書とかが、出回ってて
古くなったら古書店へまわされるみたいだ
それを冒険者やあるいは冒険者を目指してる魔法を使える人達
職業でいうところの魔法使いや神官が、手に入れて新しい魔法を覚えるのに使うみたいだ
もちろん、学生向けの教科書以外にも
専門書としての魔法使い向けの本もあるらしい
26:考察厨
なるほどな
古くなったら、つーことは改訂版が出てる可能性があるな
あとは純粋にボロくなったらってことなんだろうが
じゃあ、古くなるまで、手放すまでの間
その教科書、もしくは専門書はどこに保管されるんだ??
――――――
「え?」
保管、そうか!!
保管か!!
たしか、侯爵家のみならず、ほとんどの貴族の家には書庫がある。
魔法書のみならず、領地経営のための資料をまとめたものだったり、辞書だったり、詩集だったりが収められているはずだ。
――――――
27:スレ主
なるほど、屋敷にある書庫か!
あと、王宮図書館!
28:考察厨
気づいたか
そういうことだ
お前の実家にもあるんだろ?
書庫?
29:スレ主
ある!
――――――
なにせ、俺のために乳母が用意してくれた絵本とかも、そこに置いてあるのだから。
さっそく、書庫に行ってみよう。




