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【やり直し】死んで、女の子に生まれ変わって自分を殺したやつと婚約した件【人生】  作者: 稲村つむじ


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五話目

頭と背中の傷は、魔法と薬による治療でなんとか痕は残らないようだ。

しかし、思っていたよりダメージがあり高熱が出てしまった。

その高熱も二日でさがった。

下がったあとは、わりと体も頭もスッキリした。


これならもう体を動かせる、と思っていたのだが。

手始めに屋敷内を散歩しているところを見つかり、侯爵夫人とメイド達に叱られてしまった。

まだ本調子ではないように思われているらしい。


ベッドの上でぶぅたれていると、ノア殿下が見舞いにやってきた。

……現龍皇とともに、見舞いに来たのだ。


現龍皇、つまりはノア殿下の父親をみて、俺は驚いてしまった。

龍神の血がながれているからか、すでに五十歳近いというのにまるで二十代のように若々しい。

それだけではない。

ノア殿下の成長した姿と瓜二つだったのだ。

黒い髪に黄金の瞳も、顔立ちもなにもかもがそっくりだったのである。

ただ、一周目の……スレ民に言わせると闇堕ちしたノア殿下よりも威厳はありつつ、穏やかな雰囲気を纏っている。

闇堕ちしたノア殿下は、もっと殺伐としていた。


挨拶もそこそこに、現龍皇は本題に入った。


「此度は息子の命を、その身を呈して守ってくれたこと、感謝する」


お、おう。


「いえ、臣下として当然のことをしたまでです」


侯爵家は代々、皇室に忠誠を誓っている。

いざとなったら彼らを命にかえても守らねばならない、というふうにこれから教育される予定だ。

教育される前に、神様が与えてくれていた情報で知っていたし。

一周目で、俺が生まれ国でもそうだった。


それはそうと。


俺は龍皇の横にいるノア殿下をみた。

腫れぼったい瞼。

少しだけ目も赤くなっている。

泣いていたようだ。


「大したものだ。

まだ、三歳だろうに」


龍皇も、ノア殿下の母上と同じように驚いていた。

感心している、といったほうが正しいだろうか。

よかった、ドン引きされなくて。


「しかし、今回のことで其方の体に傷を作ることとなったのは事実だ」


「名誉の負傷でございます。

どうか、お気になさらないでください、陛下」


そもそも、まだ痕は残っているが、いずれ傷が消えることは医者から言質をとっている。

だから、本当に気にしなくて大丈夫なのだ。

そのことも、おそらく伝わっているはずだが、やはり子供、それも女の子に傷を作ってしまったという事実は変わらないのだろう。


そもそも、警備体制をもっとしっかりしていれば防げていた可能性も高いのだ。

それもあっての見舞いと謝罪の場なのかもしれない。


しかし、ある意味不可抗力とはいえ、そしていずれ綺麗さっぱり消えるとはいえ、傷モノになった令嬢は婚約者候補から外される可能性があるな。


もしかしたら陛下がここに来たのは、それを伝えるためかもしれない。

まぁ、それならそれで戦闘能力を磨いてノア殿下の護衛ができる、近衛騎士でも目指せばいい。

やりようはいくらでもある。


俺は、ノア殿下を見た。


この子は、いずれ全てから嫌われ孤独になっていく。

そのことを俺は知っている。

同情をしてしまった。

だから、情けをかけることにした。

せめて、自分だけはどんな立場でもいいからそばに居て味方になってあげよう、と。


そう、決めたのだ。


「あ、あの!

たすけて、くれて、ありがとう。

その、傷、ごめんなさい」


ノア殿下が泣きそうな声で、言ってくる。

いや、泣いていた。


「大丈夫ですよ。

殿下にお怪我がなくてなによりです。

これは名誉の負傷というやつです」


俺は安心させるように、なんなら微笑んで見せて返した。

と、ノア殿下は、目を丸くしたかと思うと耳まで真っ赤にして俯いてしまう。

なにやらモジモジとしている。


「ほら、ノア。

自分で渡すのだろう??」


龍皇に促され、おずおずとノア殿下がなにやら差し出してくる。


「これは、薬、ですか??」


「お城にいる、調合師の人に頼んでつくってもらったんだ。

あの、良かったらつかってね。

痛くなくなるのと、傷もすぐによくなるお薬なんだって」


「まぁ!

嬉しいです!ありがとうございます、殿下!」


この子なりの気遣いなのだろう。

まだ、この歳だ。

大人のように見舞金や宝石など用意はできない。

それでも、彼なりの真心を感じられた。


俺の言葉に、ノア殿下はようやく微笑んでくれた。


その後、改めて俺とノア殿下の婚約が正式なものとなった。



※※※※※


【数日後】



507:スレ主

速報、俺と皇子(後の龍皇)との婚約が正式に決定した件


508:考察厨

お、おう?

とりあえず、おめでとう??


509:名無しの転生者

おめでとう

88888


510:スレ主

どうも、自分のことは顧みず命はって皇子守った功績と

体に傷がついたお詫びも兼ねてるっぽい

それは全然気にしなくていいんだけどなぁ

他ならない、正式に婚約が決まる前に

皇子に泣きながら謝られたのがなぁ

やっぱり印象違いすぎて


511:名無しの転生者

皇子、泣きながら謝ったんか


512:スレ主

>>511

(*´・д`)-д-)))ソゥソゥ

で、婚約決定の時は

一生をかけて、その傷の責任を取るから!

って、顔グシャグシャにして泣かれたのは初めてだわ

俺の知ってる龍皇とほんと、同一人物か、こいつ?

ってなった

まぁ、同一人物なんだけどさ

思わず、あ、それはどうでもいい、お前が無事ならそれでいい(意訳)

って思わず言っちゃった(笑)

俺としては、願ったり叶ったりだから良かったんだけど


513:名無しの転生者

>>512

>お前が無事ならそれでいい

ある意味本心なんだろうが、逆プロポーズにも聴こえる件


514:考察厨

>>513

それな( ´-ω-)σ


515:スレ主

とりあえず、当面の目標は皇子の手綱をしっかり握れるように

あと、俺自身簡単に死なないように特訓しなきゃなー

前世での龍皇より強くならねば

巻き戻れるとはいえ、死ぬのは気分良くない


516:名無しの転生者

>>515

>死ぬのは気分よくない

それはそうなんだが( ̄▽ ̄;)

なんだろう、そうじゃない感が……

上手く言えない


517:考察厨

こっちの時間感覚だとどれくらいになるかはわからんが

まぁ、暇つぶしも兼ねてつきあってやるよ

というわけで、またなんかあったらスレ立てしろよー


518:スレ主

(*`・ω・)ゞ



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