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【やり直し】死んで、女の子に生まれ変わって自分を殺したやつと婚約した件【人生】  作者: 懐古厨


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二十六話目

※※※


翌日。


「深夜ってこともあって、教祖と一部の幹部、あとたまたま宿泊してた信者達が死亡したらしい。

けっこう火の勢いが強かったからなぁ」


アイリスのお昼寝時間になって、再びメイドに化けて現れたスネークからそう報告を受けた。

他のメイドはいないので、会話を聞かれることは無いだろう。


教会には宿泊施設が隣接されている。

信者や遠方からの巡礼者のための施設で、【円環教団】だけでなくほかの宗教施設にも併設されている。

【ヒツキ教】の教会にもある。


「教祖と幹部連中が死亡か。

それも併設してある宿泊施設使ってたのか??」


「幹部連中含め、【円環教団】の入信者は出家、つまり入信するために家や家族を捨てる奴が多いらしい。

結果的にそういう方向に持ってくみたいだ」


怖い怖い。


「でも、そんなことしたら住む場所確保するのたいへんじゃないの??」


いくら教会に宿泊施設があるといっても、規模なんてたかが知れてる。


「教祖の抜かりないところが、そこでな。

どうも裏でアイス屋さんをやってたらしい」


「アイス??」


「あ、スレ主は隠語知らなかったかぁ。

氷菓子、つまり高利貸ってこと」


なるほど、言葉遊びというやつか。


スネークの説明によると、教祖は裏で悪どい金貸しをやってたらしい。

ホテル業なを営んでる者にも融資して、さらに弱みを握っていたとか。

また、その弱みも教祖が演出していたらしいことがわかった。


しかし、その教祖は昨夜の火事で亡くなった。


「融資されてた人らは喜んだだろうなぁ」


なにせ、借金を踏み倒せるわけだ。

しかしスネークは、チッチッチと舌を打ちつつ人差し指をピンと立てて揺らしてみせた。


「まさか。

幹部の一部は生き残ってる。

当然、業務の引き継ぎはされるわけだ」


「そうなんだ。

なら、教祖の引き継ぎもされるわけだ」


「まぁ、表向きはそうするだろうな」


なにやら含んだ言い方である。


「どういう意味だ?」


「教祖には謎が多い」


そう前置きをして、スネークは言葉を続けた。


「謎?」


「【円環教団】の教祖は、不老不死って話がある」


「はい??」


「神秘性を高めるための設定なのか、代替わりをしていないらしい」


は??


「待て待て待て。

世代交代、してない??」


「そ、さすがにそれは嘘だろって思って裏取り進めてたんだ。

そしたら嫌なことに、だんだんそれが本当かもしれないってことがわかってきてな。

……そういや、スレ主。

スレ主は教祖の顔、見たことあるか??」


俺はブンブンと、顔を横に振った。

前世ではそんなカルト教団と関わりなんてなかった。

そして今は転生して三年。

それもほんの数ヶ月前に自我が目覚めたばかりなのだ。

教団の関わりだって、こんなことになって初めて知ったのだ。

教祖の顔なんて知らない。

すると、スネークはなにやら金属の薄い板のようなものを取り出して、こちらに見せてきた。

板の表面には、なにやら精巧な絵が描かれていた。

板は【携帯端末】というもので、精巧な絵は【画像】というものらしい。

脳内に神様から与えられた情報説明も浮かんできて、それらがどういうものかは理解できた。

なんと、掲示板にも画像を貼り付けることができるらしい。


はじめて知った。


さて、画像に写っているのは教祖ということだが。

ローブを纏った、灰色の髪をした人物だった。

しかも総刺繍されている豪勢なローブである。

それは、妙齢の女性のようにも少年のようにも見える。


「……」


「次にこっちの画像を見てくれ」


スネークは携帯端末の表面を指で触れ、ススッと横にズラす動作をした。

すると、新しい画像が現れた。


ローブのデザイン、周囲の建物の様子からして、かなり古い時代のもののように見える。

しかし、女性はそのままの姿だった。


「加工はしていない。

それを信じて欲しい。

そのうえで言う、これは、今の世界からざっと二千年前の画像だ」


はい??


「え、それどういう??」


意味が飲み込めなくて、俺はスネークを見た。

スネークは肩を竦め、メイドが座るために用意されていた椅子を引っ張ってきて腰をおろすと、言葉を続けた。


「渡航者」


「うん?」


「覚えてるか?

俺のような、世界を渡るヤツらのことだ」


「覚えてるけど」


それがどうしたというのだろう。


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