人を殺す前に口を閉じろ!!
まず最初に……。
前に、子供インフルエンサーや有名人が、特に理由もなく俺の学校に通ってるって言っただろ?
まあ……。
認めるよ。
あれは嘘だった。
本当は――
俺が通っている学校は、ほとんど小さな都市みたいなものなんだ。
マジで。
エドモントンでも最大級の学校の一つだ。
生徒は何千人もいるし、校舎も複数ある。
クラブ活動、施設、イベントも十分すぎるほどあって、まるで一つの世界がそのまま学校になったみたいだ。
『ようこそ実力至上主義の教室へ』に出てきそうな感じだ。
だから……。
子供インフルエンサーや有名人がここにいるのも……。
実は、そんなにおかしくないのかもしれない。
この学校には、通学生もいれば……。
寮で生活している生徒もいる。
こんな場所なら、学生にとって天国みたいなものだと思うだろ?
でも……。
一つだけ問題がある。
しかも、その問題をほとんどの生徒は大好きで……。
俺は個人的に大嫌いなものだ。
この学校は、生徒たちに……。
自由を与えすぎている。
正直……。
やりすぎだ。
そして、俺に言わせれば……。
一番大変な目に遭うのは……。
寮で暮らしている生徒たちだ。
もちろん、ルールはある。
学校敷地内での喫煙や電子タバコは禁止。
学校の施設を破壊するのも禁止。
キャンパス内に武器を持ち込むのも禁止。
ほら……。
よくあるやつだ。
正直……。
そんなルールのほとんどは、あってないようなものだけどな。
この学校が与えている自由の大きさを考えれば……。
もし友達グループがいなかったら……。
ほぼ獲物だ。
幸い……。
俺にはその問題はない。
そして、だからこそケイが重要なんだ。
俺が目立ちたくないなら……。
こいつの隣に立っているだけで、完璧なカモフラージュになる。
学校へ向かうバスの中……。
ケイは窓の外を眺めていた。
「なあ……」
「雪、かなり降ってるな」
「そうだな」
俺はジャケットの前を少しきつく合わせた。
「お前がくれたジャケットのおかげで……」
「寒さは問題なさそうだ」
「外はもうマイナス22度だぞ」
ケイは笑った。
「気にすんなよ」
「俺がお前についてるからな……」
「いつでもな」
そう言って、ケイは俺のほうを向いた。
そして――
白い歯を見せて、まぶしい笑顔を浮かべた。
俺たちの後ろの席から――
「ええええっ……めっちゃイケメン!!」
「も、もしかして天使様!?」
そして――
彼女は気を失った。
俺はケイを見つめた。
「…………」
「おい、ケイ!」
「人を殺す前に口閉じてもらえない!?」
ケイは瞬きをした。
「俺、何もしてないけど」
……ったく。
お前がどれだけとんでもないイケメンなのか……。
本人が知ってさえいればな。




