ろくなことじゃないな。
心から喜んでいるわけじゃない。
つまり……
俺は、その気になれば、冷たくなれる。
「おーい、デイビッド!!」
ん?
顔を上げると、二人とも手を振っている。
「ただいまー!!」
俺は笑う。
「どうだった?」
ケイが跳び上がる。
「なあ、俺らが買い物中に見たもん、絶対信じらんねえぞ!!」
「へえ、そうなのか?」
「何を見たんだ?」
チャーリーがため息をつく。
「ケイはバカなんだ。」
「ケイの言うことは気にしなくていいよ。」
それから、チャーリーが俺のほうに歩いてくる。
「それで、君は?」
「お金の問題、どうなった?」
体が少し震える。
「あ、えーっと……」
「ああ、バッチリだったよ。」
俺は頭をかく。
「俺たちの分、おばから50ドルもらえたんだ。」
ケイいわく――
「そりゃめっちゃいい知らせじゃん!」
ケイが先へ走り出す。
「ほら、レジ済ませて探検行こうぜ!」
俺はケイを見る。
「ああ。」
「すぐ行く。」
それから、俺たちはレジのほうへ歩き出した。
残りは、俺が取っておこう。
いつか役に立つかもしれない。
俺がやったことの埋め合わせに、あの人に何か買ってあげたほうがいいかもしれない。
ブーッ ブーッ
んん?
俺はポケットからスマホを取り出した。
通知
[MOTHER 2.0: ねえ今思い出したんだけど、今日あとで帰る前に会っとかなきゃね、夕方6時に私のアパートでどう]
[MOTHER 2.0: あんたのお母さんに電話して、門限に遅れるって言っとくわ]
うわ……
ろくなことじゃないな。
皆さんこんにちは!ノクスラLTです!いつも読んでいただきありがとうございます!
いよいよ、デイビッドのノクスラ学園での初日がクライマックスに突入します。
もし、ここからの展開の予告編を作るとしたら、きっとこんな感じになるでしょう。
「僕の名前はデイビッド・カーター」
「僕が望むのは……ただ家に帰ることだけだ」
だが、世界はそれを許さない。
雪の中から、一つの声が響く。
「やあ……『天才』君」
突如として訪れる純然たるカオス。
凍えるような寒さの中、仮面の男がブレザーを脱ぎ捨てて叫ぶ。
「お前はふざけてるかもしれないがな、俺は本気なんだよ!!」
屋上の緊張感は、ついに最高潮に達する。
だが、その時――
愚痴が、ピタリと止む。
デイビッド・カーターの、スイッチが入る。
冷酷で、すべてを計算し尽くした瞳。
放たれる、たった一つの問い。
「教えてくれ……お前を突き動かしているものは、なんだ?」
そして、凍てつく屋上の遥か上空では、何者かがその一挙手一投足を監視している。
街のどこか、摩天楼の頂に立つ、純白のタキシードに身を包んだ男。
微動だにせず。
ただ、待っている。
デイビッドはただ、平穏な夜を過ごしたかっただけだった。
だが今、彼は生徒会に対して証明することになる。
自分がまさに、彼らの恐れる通りの存在であるということを。
ポップコーンの準備はいいですか!?
それでは、次のチャプターでお会いしましょう!




