フラッシュモブ その1
チャーリーは椅子の背にもたれる。
「この学校は、ただの街どころじゃない……」
「……どちらかと言えばミクロネーションに近い。」
見事だ。
だが……
不穏。
ケイは俺たちを見て、真剣に考え込んでいる。
それから俺の肩を叩く。
「そんな難しく考えんなって、なあ。」
「お前もだぞ、チャーリー。」
現実に戻る。
チャーリーはノートパソコンを閉じて、スマホを充電器から外す。
「うん、君の言う通りだ。」
「そんなに深く考えることはないね。」
「それに。」
「寮生の問題だし。」
「僕たちの問題じゃない。」
俺はため息をついた。
「ああ、そうだな。」
「でも、認めなきゃな。」
「Nox Pointって、通貨の名前にしちゃなかなかカッコいいよな。」
ケイが俺の肩に腕をかけてくる。
「だよなあ!」
「いい曲になりそうじゃん。」
「いい加減離れろ!」
俺はケイを押しのけた。
そのとき、どこからともなく弾むようなビートが流れ始めた。
ケイは笑って、食堂の真ん中へ駆けていく。
テーブルに飛び乗る。
待て……
……俺たち、ミュージカルをやってるのか!!
ビートは続く。
ケイはみんなに笑いかける。
「なあ、知ってるよな!」
「外はマジで寒いだろ!」
「だからBlock Eを熱くしてやろうぜ!!」
それからみんな、やっていたことをやめた。
テーブルの前に集まった。
そして、振り付けのあるダンスを始めた。
何が起きてるんだ!?
やがて、ダンスしている生徒たちがささやき始めた。
{NOX NOX NOX NOX / NP NP NP NP}
{NOX NOX NOX NOX / NP NP NP NP}
ケイはテーブルから、ダンサーたちの前に飛び降りる。
そして、ラップを始める。
{I'm making CASH on Nox!
Noxでガッツリ稼ぐぜ、キャッシュ!
Got that NP in my POCKET!
NPでパンパンのポケット!
Ten NP makes a DOLLAR,
10NPで1ドル、
So you KNOW I'm gonna ROCK IT!
わかってんだろ、俺はロックだぜ!}
隣でチャーリーが頭でリズムを取っている。
「わあ、ケイ、本当に上手いね。」
最高だな……
……お前もか。
ケイは続けた。
{Noxra City, Nox Point—
Noxra City、Nox Point――
....
(……)
Yeah, that's how we PLAY!
そうさ、これが俺らのプレイ!
Food and clothes and games and stuff,
メシに服にゲームにあれこれ、
NP gets the BILL PAID!
NPで払えば全部PAID!}
そこでみんなが叫ぶ。
{NOX! NOX! NOX! NOX!
NP! NP! NP! NP!
NOX! NOX! NOX! NOX!
NP! NP! NP! NP!}
チャーリーはダンサーたちの前に歩み出て、ビートに合わせて指を鳴らす。
そして振り返る。
[HEY DAVID]
[やあ、デイビッド]
俺はデイビッド。
[WATCHA GONNA DO WITH ALL THOSE NOX POINTS]
[ありったけのNox Pointで何に使うのさ]
ビートが止まる。
それでもみんな、同じリズムで指を鳴らし続ける。
「なんで俺の名前を呼んだ?」
「お前らが何をやってるのか知らんが、そんなくだらないことに俺を巻き込むな。」
ケイが俺のところに歩いてくる。
「いいじゃん、なあ。」
「そう言うなって。」
「宇宙に好きにやらせとけよ。」
「ちょっとチルラックスしとけって。」
チャーリーが俺の肩を叩く。
「ケイの言う通りだよ。」
「リラックスして、宇宙の波に乗らないと。」
俺はチャーリーを見た。
宇宙の波に乗れ。
どうだかな。
そして、まばたきひとつの間に……
俺たちは別の場所に移っていた。
「なっ、何だ!?」
「ここはどこだ!?」
チャーリーが両手を上げる。
「僕たちがいるのは、Noxra City Mallだよ!」
「宇宙が、この歌のために君にはこのエリアが必要だって言ったんじゃないかな。」
俺は周りを見回した。
「それで食堂のみんながここにいるのか!?」
チャーリーいわく――
「まあ、リラックスして流れに任せればいいんだよ。」
すると頭の中でこだまする。
ただ、リラックスしろ。
ただ、リラックスしろ。
ただ、リラックスしろ。
「ああもう、わかったよ!!!」
チャーリーが笑う。
「いいね。」
ここでビートが始まる。
[HEY DAVID]
[やあ、デイビッド]
俺は腕を組んだ。
「何だよ!」
[WATCHA GONNA DO WITH ALL THOSE NOX POINTS]
[ありったけのNox Pointで何に使うのさ]
ビートが止まる。
俺はため息をついた。
波に乗れ。
俺はチャーリーとケイを見た。
[DO I GOTTA TELL YA]
[言わなきゃダメかよ]
[WELL THEN FIRST OF ALL]
[じゃあ、まずは]
ビートが戻ってくる。
{I'm gonna BUY me a WATCH!
俺は買うぜ、ウォッチ!
Make that NIGGA NOXRA GOLD!
そいつを、マジもんのNoxra Goldに!}
{Hit the CLOTHING STORE!
服屋に突撃!
Get that GAME-LUX CLOTHES!
GAME-LUXの服をゲット!}
{Lookin' FRESH!
キメてるぜ、フレッシュ!
Lookin' CLEAN!
見た目もクリーン!
Grade-S CAMERA on SCENE!
Grade-Sのカメラ、撮るぜシーン!}
{BUY A CAR!
車を買え!
BUY A HOUSE!
家を買え!
NOXRA CITY'S GOT 'EM ALL!
Noxra Cityにゃ何でも揃ってる!}
ほんの一瞬で場面が切り替わり、ケイとチャーリーと俺は、車で夕日に向かって走っている。
続けて、ささやき声が重なる。
{NOX NOX NOX NOX}
そして、俺がまた始める。
{I'm making CASH on Nox!
Noxでガッツリ稼ぐぜ、キャッシュ!
Got that NP in my POCKET!
NPでパンパンのポケット!}
{Living that DREAM LIFE!
夢みたいな暮らし、ドリームライフ!
Yeah, I REALLY WANNA ROCK IT!
ああ、マジで俺はロックだぜ!}
{Pricey HOTEL!
お高いホテル!
Massage CHAIR!
マッサージチェア!
Me and all my BUDDIES—
仲間はみんなバディーズ――
Spending NOX without a CARE!
気にせずNox使うぜ、ノーケア!}
場面が切り替わり、俺たちはモールに戻る。
従業員も含めて、全員が踊って叫んでいる。
{NOX! NOX! NOX! NOX!
NP! NP! NP! NP!
(NIGGA Spend that shit!!)
(お前ら、その金、クソほど使いまくれ!!)
NOX! NOX! NOX! NOX!
(Come on!)
(行くぞ!)
NP! NP!
(Yeah)
(イエー)
NP! NP!}
全員がポーズを決める。
そしてビートが終わる。
気づくと、俺は食堂に戻っていた。
みんな、さっきまでやっていたことに戻っている。
何事もなかったみたいに。
どうも、ノクスラ LT!
ちょっと笑える話なんだけどさ。今日、最新話のローカライズを終えて、さあ投稿しようと作者ダッシュボードにログインしようとしたんだ。
そしたら、捕まった。
どうやら「最新話をアップロードする」っていうただの作業が、まったく別のバトルになっちまったらしい。
だから俺のAIに聞いてみた。
「おい、一体何が起きてる?!」
AI『小説家になろう(syosetu.com)のセキュリティ・ファイアウォールにブロックされています。403 Forbiddenエラーは、セキュリティシステムがアクセスを拒否したということです』
それを聞いた俺……
「えっ、俺オワタ!?」
マジでさ、たった今ローカライズが終わったばっかなんだぞ! もうアップロードするだけだったのに!
でも結局のところ、VPNを通せばいいだけだってわかって、早速繋いでみた。
……あ、有料のやつだとは思わないでくれよ。俺だってタダ(無料)のものが大好きなんだ。嫌いなやつなんていないだろ?
とにかく、危機は回避された!
このエピソードは無事に生き延びたぜ!
それじゃあまた次回。ノクスラ LTでした!




