NOX POINT / ノクス・ポイント
突然、俺たちは暗い部屋の中にいた……
あちこちでモニターが光り出した……
まるでどこかのハッカーのアジトにでもいるみたいに。
でも現実は……
俺たちはただ、丸いテーブルに座っているだけ……
食堂で、ノートパソコンを開いて。
俺は腕を組んだ。
「で、チャーリー……」
「何がわかった?」
そのとき――
モニターだらけの暗い部屋で……
チャーリーが座っているのが見えた。
彼は椅子をくるりと回して、こっちに向き直った。
「そうだね……」
「まず、何よりも……」
「一番手っ取り早く見つかったのは……」
「この学校には、独自の通貨があるってことなんだ……」
「寮で暮らしてる生徒が使うものだよ。」
彼はノートパソコンに何か打ち込んだ。
そのとき――
部屋の真ん中に、コインのホログラムが浮かび上がった。
チャーリーが俺たちを見た。
「呼び名は……」
「NOX POINT」
「略してNP」
俺はあごをさすった。
「Nox Point、か。」
「通貨の名前にしちゃ、なかなかカッコいいな。」
チャーリーはうなずいた。
「だよね。」
そこでケイが……
ポテチを食べて、コーラを飲みながら……
「ああ、それ……」
バリッ
「……マジで、いい……」
バリッ
「……名前だよな。」
ズゾゾゾゾ
現実に戻って、
俺とチャーリーはケイをじっと見た。
ケイが顔を上げた。
「なに?」
俺はため息をついた。
「チャーリー、続けて。」
チャーリーはうなずいた。
暗い部屋に戻って、
チャーリーいわく――
「Nox Pointはカナダドルにも換算できるんだ。」
俺の目が輝いた。
「うおっ!」
「いくらくらいになるんだ?」
彼はキーボードを叩く。
ホログラムのコインが消える……
そして、モニターには……
NPの株価がグラフつきで映し出される。
チャーリーは椅子を回して、モニターのほうを向く……
その間に、俺とケイは近くに寄った。
俺は壁のモニターを見渡した。
「信じらんねえ……」
ケイいわく――
「おう、実際みんな、卒業までにガッツリ金貯められるじゃん。」
チャーリーが指を鳴らす。
「正解!」
「いいかい、株式市場や世界各国の通貨への換算レートを見れば、3年間たっぷり貯めて、本当に5万カナダドルを手に卒業できるんだよ。」
俺はチャーリーを見た。
「ああ、まったくだ。」
「いったいどういう学校なんだ?」
チャーリーは椅子を回して、こっちに向き直る。
「でも……」
「落とし穴があるんだ。」
俺は彼を見た。
「それ、寮生だけの話だろ。」
チャーリーはうなずいた。
「そう。」
「気づいた? ほとんどの店も、交通機関も、生徒が運営してること。」
「それが彼らの仕事なんだ。」
「そうやってNox Pointを稼いで、Noxra CityでNox Pointを使うんだよ。」
「しかも、どんな仕事かで給料が決まる。」
「だから生徒会とか、NEBとか、Nox Newsみたいな人たちは、実際ひと財産築けるかもしれない。」
「同時に、現実の世界で役に立つ経験も積めるしね。」
この学校に来たのは……
大きな間違いだった。
チャーリーは椅子の背にもたれる。
「この学校は、ただの街どころじゃない。どちらかと言えばミクロネーションに近い。」
見事だ。
だが……
不穏。
「よっ、デイビッドだ。えーっと――」
「リズィィィィ!!!」
「一秒でいいから黙れぇぇぇ!!」
「いやいや、兄ちゃんはちょっと下がってなって!」
(……いや、これ俺の物語なんだけど……)
「みんな元気ー!? ビートに乗って登場、リズィだよ!! パパラララ!!!」
「みんな、私たちの物語を楽しんでくれてるかなー!?」
(いや、俺の物語だろ、この寄生虫!!)
「もっと私を見たい人は、下のブックマークボタンを押してね!」
「何か言いたいことがあったら、コメント欄から作者に直接伝えてね!」
「それか、笑顔の絵文字を残してくれたら、私も笑顔になっちゃうよ!」
「読んでくれてありがとう! それじゃあ、また次回――」
「うん……これが俺の人生だ。」
「よし、マイクを返せぇぇぇ!!」
「へへっ! まずは私を捕まえてみなよ!」
「あはははは!」
「リズィィィィ……!!!」
***
皆さん、こんにちは。デイビッドの父、クリス・カーターです。
えっと……すみません。 こういうの、すごく恥ずかしいですね。 こういうことをするのも久しぶりで――
「いいから、さっさと読者に何か言いなさいよ!!」
「ハニー、ちょっと落ち着いて……」
「あなたがいつまでもグズグズしてるからでしょ!!!」
(まったく……どうして女って、あんなに口が早いんだ?)
「今、心の中で何を考えてるか、聞こえてるんだけど?」
「分かった、分かったよ!!」
「デイビッドは第40話でトラブルに巻き込まれたせいで、ここにはいません。
もう夜の8時を過ぎています。 あの子、大丈夫だといいんですが……」
「この先どうなるのか気になる方は、『うん……これが俺の人生だ。』の続きをお楽しみに。
作者に感想を伝えてあげてください。 そして、この物語を気に入ってくれたなら、ブックマークボタンを押して作者を応援してもらえると嬉しいです」
「それでは、また次回!! またお会いしましょう!
……どうだったかな?」
「時間かかりすぎよ」




