なんでいつもこうなるんだ
【本編の前に】
「よっ、デイビッド・カーターだ。次の章に行く前に、ちょっとだけ話しておきたいことがある。
カナダの学校に関するちょっとした豆知識なんだけど、授業名についてるハイフンの後ろの数字は、クラスの『難易度』を表してるんだ!
(-1)は超ガチ勢向けのエリートコース。
(-2)は標準的で、比較的ラクなコース。
(-3)や(-4)は一番下のコースで、専門職向けだったり、先生の手厚いサポートが必要だったりする。
だから、俺みたいな奴は絶対に(-2)を選ぶ。それ以外は『課題が多すぎる』か『先生から無駄に注目される』かのどっちかだからな。
それじゃ、本編を楽しんでくれ。」
授業は午前9時15分ごろに始まる……。
そして、俺たちがバスを降りたのは午前9時25分だった。
「クソッ!」
「完全に遅刻じゃねえか!!」
俺とケイは全速力で走り出した。
俺は後ろを振り返った。
「おい、何やってんだよ!?」
「早く来い!!」
ケイが叫び返した。
「俺だって足は速いけど……」
「お前みたいなスピードは出せねえんだよ!」
***
俺たちは廊下を歩いていた……。
壁沿いに並ぶロッカーを眺めながら。
ロッカーの上には、教室番号が表示されていた。
やがて、俺は自分のロッカーにたどり着いた。
ケイのロッカーは俺のすぐ隣……。
そして、左隣にはチャーリーのロッカーがあった。
俺はチャーリーのロッカーを見た。
「どうやら、チャーリーはもう一時間目に出てるみたいだな」
ケイはうなずいた。
「そうだな……」
「この優等生野郎め」
俺は腕を組んだ。
「お前の言う通りだな」
それから、ケイに顔を向けた。
「でも、お前も少しはあいつを見習ったほうがいいぞ」
ケイは一歩後ずさった。
「はあ!?」
「お前だって遅刻してるだろ!!」
「何のことだか、さっぱり分からないな」
俺は自分のバッグとケイのジャケットをロッカーに入れ……。
扉を閉めた。
「まあ、俺の一時間目はSocial 10-2なんだけど」
「お前は?」
ケイはスマホを取り出した。
「どうやら、ここからは別行動みたいだな」
「俺はLA 10-2だから」
俺はうなずいた。
「オーケー」
俺たちはハイタッチを交わした。
「じゃあ、昼休みに」
「ああ」
そして、俺たちはそれぞれ別の道へと歩き出した。
……なんか、別れるのが寂しいな。
あいつがいなくなった途端、まるで全裸で立ってるみたいだ。
これじゃ、みんなに見られるじゃないか。
まあ、四六時中あいつの隣にいるわけにもいかないけどな。
はぁ……。
何も問題が起きないといいんだが。
俺は自分の教室のドアの前に立った。
ここはホームルームの教室でもある。
さて……。
どうなることやら。
俺はドアノブに手をかけ……。
ドアをほんの少しだけ開けた。
すると……。
ドアのすぐ目の前に、黒人の女性が立っていた。
ものすごい威圧感があふれ出している。
「遅刻よ、このバカ息子!!」
俺は彼女を見つめた……。
そして、ゆっくりとドアを閉めた。
うそだろ……。
なんで叔母さんがここにいるんだよ!?
「よっ、デイビッドだ。えーっと――」
「リズィィィィ!!!」
「一秒でいいから黙れぇぇぇ!!」
「いやいや、兄ちゃんはちょっと下がってなって!」
(……いや、これ俺の物語なんだけど……)
「みんな元気ー!? ビートに乗って登場、リズィだよ!! パパラララ!!!」
「みんな、私たちの物語を楽しんでくれてるかなー!?」
(いや、俺の物語だろ、この寄生虫!!)
「もっと私を見たい人は、下のブックマークボタンを押してね!」
「何か言いたいことがあったら、コメント欄から作者に直接伝えてね!」
「それか、笑顔の絵文字を残してくれたら、私も笑顔になっちゃうよ!」
「読んでくれてありがとう! それじゃあ、また次回――」
「うん……これが俺の人生だ。」
「よし、マイクを返せぇぇぇ!!」
「へへっ! まずは私を捕まえてみなよ!」
「あはははは!」
「リズィィィィ……!!!」




