うまくいってる。
俺は検問所の入口を抜けた……。
正直に言おう……。
この学校、マジですげえ。
周囲を見回すと……。
空へと伸びる高層ビルがいくつも見えた。
街を取り囲むように、タワーがそびえ立っている……。
そして、その中でもひときわ高い建物が目に入った。
NEXUS。
巨大な時計塔……。
正門からでもはっきり見えるほどの高さだ。
俺は見上げた。
「…………」
なるほど……これはすごい。
もしかしたら、ここもそんなに悪くないのかもしれない。
俺はスマホを確認した。
午前8時59分。
マイナス22℃。
俺は空を見上げた……。
周囲には雪が降り続いている。
そのとき、ヘリコプターが頭上を飛んでいった。
いや……。
まるでロンドンにいるみたいだ。
この街全体が、学生評議会と呼ばれる生徒たちによって運営されているなんて、信じられない。
ここじゃ、あいつらはほとんど政治家みたいなものだ。
はぁ……。
寒すぎる。
それにしても、ケイはどこにいるんだ?
チャーリーは……。
メッセージが来ていた。
もう校内にいるらしい。
そのとき――。
「デイビッド!」
俺は振り返った。
ケイがこっちに向かって走ってきていた。
「おい!」
「今までどこにいたんだよ!?」
「ずっと待ってたんだぞ!!」
「悪い!」
ようやく俺のところにたどり着いたケイは……。
息を切らしていた。
俺はケイを見つめた。
「トイレを探してたんだけど……」
「そしたら、すげえゲーセンを見つけてさ……」
「つい夢中になっちまった」
俺は顔を上げた。
「まあ……」
「見て回るだけでも楽しそうな学校だな」
「放課後、帰る前にちょっと探検してみないか?」
ケイは笑った。
「いい考えだ!!」
そして、白い歯を見せた。
俺たちの横を通り過ぎる女子数人が、小声で話していた。
「ねえ……」
「あのイケメン見てよ」
「電話番号、聞いてみる?」
近くにいた男子たちも、ちらりとこちらを見た。
「あいつ、誰と話してるんだ?」
「誰もいなくね?」
「お前には見えるか?」
「ああ……」
「俺にも見えない」
よし……。
うまくいってる。
「よっ、デイビッドだ。えーっと――」
「リズィィィィ!!!」
「一秒でいいから黙れぇぇぇ!!」
「いやいや、兄ちゃんはちょっと下がってなって!」
(……いや、これ俺の物語なんだけど……)
「みんな元気ー!? ビートに乗って登場、リズィだよ!! パパラララ!!!」
「みんな、私たちの物語を楽しんでくれてるかなー!?」
(いや、俺の物語だろ、この寄生虫!!)
「もっと私を見たい人は、下のブックマークボタンを押してね!」
「何か言いたいことがあったら、コメント欄から作者に直接伝えてね!」
「それか、笑顔の絵文字を残してくれたら、私も笑顔になっちゃうよ!」
「読んでくれてありがとう! それじゃあ、また次回――」
「うん……これが俺の人生だ。」
「よし、マイクを返せぇぇぇ!!」
「へへっ! まずは私を捕まえてみなよ!」
「あはははは!」
「リズィィィィ……!!!」




