それがどうかしたの!?
――回想。
母さんは咳払いをした。
「さて……」
「どこまで話したかしら?」
俺は手を挙げた。
「……父さん?」
母さんは頷いた。
「ああ、そうね」
「あなたのお父さんは……」
「……昔、ギャングのリーダーだったのよ」
「…………」
「…………」
俺の顔から表情が消えた。
「ごめん……」
「……何?」
母さんは俺を見る。
「本当のことよ」
俺はゆっくりと父さんのほうを向いた。
父さんは膝に顔を埋めていた。
「神様……どうして……?」
見てみろ。
あんな人がギャングのリーダーになれるなんて、夢の中ですらありえない。
まさか、本当なわけ……。
ないよな?
母さんはため息をついた。
「今のあなたのお父さんの姿を見たら……」
「信じられないのも分かるわ」
俺はもう一度、父さんを見る。
……母さんの言う通りだ。
情けなさすぎる!
この人がギャングのリーダーだったなんて、想像すらできない。
俺は父さんを見つめた。
父さんはまだ膝に顔を埋めている。
「昔の話なんだよぉぉぉ!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
……ダメだ。
俺と目を合わせることすらできない。
母さんは拳を握った。
「子供の前でいつまでも赤ん坊みたいな真似をするのはやめなさい!!」
バシッ!!
父さんの頭に直撃。
父さんはゆっくりと顔を上げた。
「そうだな……」
「ごめん、ハニー」
頭には、すでに真っ赤なたんこぶができていた。
……この家の頭って誰だっけ?
もう俺には分からない。
母さんはもう一度、咳払いをした。
「まあ……」
「別に、彼を責めるつもりはないわ」
「若かったんだから」
……母さんもな。
「それに、正直言って馬鹿だったし」
……そして、母さんはそんな父さんに惚れたわけだ。
母さんは腕を組んだ。
「それで、敵の話だけど……」
「彼はたくさん敵を作ったわ」
……うん。
……絶対にあの学校には行かない。
「待って……」
「いったい何人の馬鹿がギャングを作って……」
「よりによって、俺の大好きな父さんをリーダーにしたんだ?」
俺は父さんを見る。
父さんは即座に目を逸らした。
母さんは微笑んだ。
「いい質問ね」
そうだろ。
「私の記憶が正しければ……」
「7人だったわ」
「そんなに?」
「ええ」
「しかも、全員黒人の男たちだった」
「だから、彼らは自分たちを……」
母さんは大げさに両手を上げた。
「ブラック・スターズ!!」
「…………」
「…………」
「プッ……」
「ハハハハハ!!」
母さんが突然、大笑いし始めた。
俺は完全に言葉を失っていた。
「ブラック……何?」
「いったい何がそんなにスターなんだよ?」
母さんは目元の涙を拭った。
「分かるでしょ!?」
「ハハハハハ!!」
俺は手のひらで顔を覆った。
「……がっかりだ」
「学校で誰かが俺のところに来て……」
「デイビッド・カーターさんですか?」
「ブラック・スターズのリーダーの息子さんですか?」
母さんはもう笑いを抑えられない。
「デイビッド、やめて!」
「もう無理!!」
「ハハハハハ!!」
ようやく母さんは落ち着き……。
そして、ため息をついた。
「赤ん坊だって、もっとマシな名前を思いつくわよ」
母さんは頷いた。
「そうね……」
「誰があんな名前を考えたのかしら」
俺たちは二人そろって父さんのほうを向いた。
父さんは固まった。
「待て!」
「俺じゃない!!」
ジィィィィィィィィ……。
「ちょっと待ってくれよ!! 頼むから!!」
ジィィィィィィィィ……。
父さんは汗をかき始めた。
「俺じゃ――」
ジィィィィィィィィ……。
「分かった!!」
「もういい!!」
「俺が考えた!!」
「カッコいいと思ったんだよ!! いいだろ!?」
俺は父さんを見つめた。
「……カッコいいって、どういう意味?」
俺は長いため息をついた。
「……なんだ」
「怖がって損したみたいだな」
「本気で敵を作るような人には見えないし」
母さんも頷いた。
「ええ」
「あなたの言う通りね……」
「ほとんどの場合は」
俺は眉を上げた。
「……ほとんどの場合?」
母さんは話を続けた。
「ブラック・スターズがNEBと協力して……」
「別の不良グループによる武器密輸を止めた後のことよ」
「武器?」
「銃やドラッグもね」
「銃とドラッグ!?」
「お父さんは一躍、有名になったのよ……」
「15万人を超える生徒がいる学校でね」
父さんが突然、立ち上がった……。
まるでスーパーマンのように立っている。
「ハハハハハ!!」
「父さんって、結構すごいだろ、デイビッド!?」
俺の顔は完全に真っ青だった……。
母さんが今言ったことを、まだ処理しきれていない。
母さんは父さんを横目で睨んだ。
「その得意げな顔をやめなさい」
そして、ため息をついた。
「それで……」
「それがきっかけだったの」
「私がその作戦のリーダーを務めていて……」
「そこで、彼に恋をしたのよ」
「それから卒業して……」
「結婚して……」
「そして、19歳のときにあなたを産んだの」
「へえ……」
「あの頃は楽しかったわ」
俺はハッとした。
「ちょっと待って!!」
「今、19歳って聞こえたんだけど……」
「俺の聞き間違いじゃないよな?」
母さんは俺を見る。
「そうよ」
「それがどうかしたの!?」
俺はもう疲れ切っていた……。
返事をすることすらできない。
「は……はは……」
「俺は……」
「……決めた」
どうも、デイビッド・カーターだ。
最近、作者から宣伝担当に任命された。 ちなみに俺自身の物語の宣伝だぞ!!!
マジで…… めんどくさい。
さっさと家に帰って。 アニメでも見て。 たまにはゆっくりしたいだけなのに。
だから、頼むから俺の仕事を楽にしてくれ。
この物語を楽しんでくれてる人も…… そうじゃない人も…… 俺には関係ないけどな。
(文句は作者に言ってくれ)
でも、もし本当に楽しんでくれたり…… 俺に同情してくれたり…… 共感してくれたなら……
ブックマーク。 評価。 または感想を残していってくれ。
じゃあ、また次回。




