第18話 田舎で畑作業!
落ち込んでいる銀杏を引っ張ってきた!
ということで田舎に来たっ!
私と葉月と二見さんと銀杏の4人で、田舎に行くことになったのだ。
街は息苦しすぎるし、決められた同じ動きばかりだ。 そんな中にいると、心も体も停滞してしまう。
慣れてしまえば、それは田舎も同じかもしれないけど。 だが一時的に偏りを解消する意味でも、悪くないように思えたのだ。
車から出てくると、目の前には自然が広がっている。
私は元気に声を張り上げた。
「よーっし、ここで遊び倒そうっ!」
「先輩……こんなところ何もないですよ」
葉月は車から出てきて、呆然と立ち尽くしている。 準備してきてるのに、いまさら何を言ってるんだか。
「いいのよ。 どうせ街の中じゃ、決められた動きしかできないでしょ。 ここならちょっとはマシなはずぅっ! イェイっ!w」
「先輩、だからキャラ違くないですか」
私が一人ではしゃぎながら走りだすと、3人も鈍い足取りでついてきた。
まったく、みんなテンション低いわね。 それに葉月、あなたいつもの元気はどこ行ったのよ。
「フミーッ!」
私が一人で元気に走りだしてると、誰か懐かしい声が私を呼んだ。 見ると、向こうから私の祖母が歩いてきていた。
実はここは祖母の家がある場所で、事前に連絡しておいたのである。 もう今年に80にもなる私の祖母は、元気に手を振ってこっちに向かってくる。
「あんた、着いたなら連絡しなさい。 こっちに来て、ちょっと手伝って!」
「え、何ー? 聞こえなーい。フゥゥウッ!!ww」
私が適当にやり過ごそうとすると、祖母は私を引っつかんで走りだしたっ!
「いいから手伝いなさいぃっ!」
「ぎゃーっ!」
そんなこんなで、私は祖母の手伝いをすることになった!
どうやら夏野菜の収穫をやってるらしく、私たちはピーマンやらトマトやらオクラやらの収穫作業の手伝いをさせられた。
この田舎だって、都会に負けず劣らずに暑い。 太陽がガンガンに照ってきて、体力がどんどん消耗していく。
ぎゃーっ!w なんで私、こんなことやってんの! 私たちは汗だくになりながら作業をしていった。
野菜の収穫作業を終えると、さらには畑の土を耕す作業をやらされた。
あぁ、さらに体力が溶けていく。 だいたい畑を耕すのって、機械を使うんじゃないのおおぉぉ? なんでこの時代に、人力で耕す必要があるのだろうか。
銀杏や二見さんは黙々とやっているが、汗ダラダラでしんどそうだ。
ヘロヘロになりながら作業していた葉月が、ついに音を上げた。
「先輩ー! 限界ですーっ!」
私は汗ダラダラになりながら畑を耕していたのを止めて、顔を上げる。 私の眼鏡に汗が滴ってきて、視界がぼやけている。 もう前も見えなくなってきているわ。ははっ!w
私は意識がもうろうとしながらも、声を出して、返事をした。
「家の中で休んどいて」
「いえ、やりますーっ!」
葉月はそういって、一生懸命に鍬を振り上げて地面を耕している。 体がへにゃへにゃしていて、まともに耕せていないが大丈夫だろうか。
葉月はふだん運動してないように見えるから、体力がないのかもしれない。
数時間後、なんとか畑作業を終えることができた! もう昼はとっくに過ぎて、日が傾きかけている。
……あれ、何をしに田舎に来たんだっけ。
………………。
遊びに来たんじゃんっ!!イェイっ! 今からでも遊びに行くわよっ!フウゥウゥウッッ!!!!……とは言えない。
もう今日は体力を使い果たして限界だ。
丸々2日間の予定だったから、また明日に遊べばいいだろう。
私たちは作業を終えて畑から離れると、一つの古ぼけた民家に向かった。 藁ぶきの屋根がかけられていて、かなり古いのが分かる。
この田舎に来た一つの目的は、この古民家である。 今はもう使ってる人はおらず、放置されているらしい。
事前に祖母に電話した時に、この家の話を聞いていたので、ついでに使わせてもらえるように頼んでおいたのだ。
家に入っていくと、まるでタイムスリップしたかのような空間がそこには広がっていた。
木と畳とふすま! クモの巣と、水を入れる大きな甕と、石のかまど! 素晴らしい、これぞ日本の住宅のあるべき姿である。
私は貧弱な保守性に酔いしれつつ、家の中へと足を踏み入れていく。
入ってすぐの場所は土間になっていて、土の上に炊事場などがある。 そのまま横を見れば、靴を脱いだ先に、畳の部屋が広がっているという具合だ。
葉月はすでに、家に上がっていた。 畳の上に寝転がって、仰向けに倒れていた。 汗だくのまま大の字になって、静かに呼吸をしている。
相当に疲れたから、しょうがない。 でもそこ、たぶんホコリだらけよ。
よーっし、おいしいもの食べよう!(黒縁)




