第95話 「英雄集結」
暗い空間――
崩れゆく世界の中心。
黒き存在――
セブンスピラーΩの前。
三つの影が立っている。
エレボス
「……そろそろ約束の時間だな」
ノクスが肩を回す。
「はぁ〜……ダル」
「本当に来んのかねあいつら?」
「逃げてても不思議じゃねぇし」
ゼノンは目を閉じたまま。
「……来るさ」
ゆっくりと目を開く。
「――あいつらならな」
その時。
ザッ…ザッ……
ザッ、ザッ…
足音。
三人の視線が向く。
暗闇の向こう。
そこから――
四つの影が現れる。
リント
「待たせたな」
キリカ
「時間ぴったりでしょ!」
コトハ
「……来たよ」
ルディ
「……問題ない」
ノクスが笑う。
「おーおー律儀なこって」
エレボスは腕を組む。
「逃げなかったか」
リントが鼻で笑う。
「そっちこそな」
ゼノンが一歩前に出る。
「……よく来たな」
短い言葉。
だが――
そこには確かな“認め”があった。
キリカが睨む。
「で?まだ終わってないんでしょこれ」
ノクス
「当たり前だろぉ」
「むしろこれからが本番だからねぇ♪」
ルディ
「……残り時間は」
エレボス
「一時間を切る」
沈黙ーー
コトハが息を呑む。
ゼノンが口を開く。
「……作戦は単純だ」
全員を見る。
「七人の全てを一点に集める」
「奴の核――顔の部分だ」
キリカ
「それで終わるの?」
ゼノンの静かな声…
「……終わらせる」
ノクス
「失敗したら?」
エレボス
「……その時は終わりだ」
リント
「上等じゃねぇか!」
笑う。
その笑顔を――
キリカとコトハが見ていた。
ほんの一瞬…
“何か”を感じ取る。
キリカ
「……ねぇ」
リントを見る。
「死ぬなよ」
静かな声。
コトハ
「約束……したよね」
リント
「……ああ」
短く答える。
だが――
ゼノンがその横で静かに言う。
「……覚悟はできているか」
リントの目だけが動く。
誰にも聞こえない声。
「……どっちに転んでも」
「お前は消える!」
一瞬の沈黙。
リントは小さく笑う。
「……分かってるよ」
ゼノン
「……そうか」
それ以上は何も言わない…
キリカ
「ちょっとそこ!コソコソしてんじゃないわよ!」
リント
「別に」
軽く返す。
空気が張り詰める――
その時!
リントがニヤッと笑う。
「そういやさ」
三人を見るーー
「俺、必殺技考えたんだよな!」
キリカ
「はぁ?」
コトハ
「……今?」
ルディ
「……バカか」
リント
「聞きたいか?」
キリカ
「聞きたくないわよバカ!」
リント
「仕方ねぇなぁ」
勝手に続けるーー
「俺アルカになったじゃん?」
「んで、パンチじゃん?」
溜める…
『――アル拳!!』
沈黙ーー
キリカ
「……ダッさ」
「何その…ヨボヨボのジーさんみたいな必殺技」
「はい却下ーっ!」
リント
「なっ…ダサって…俺は必死で……」
コトハが小さく言う。
「……【アルファ(α)・フィスト】」
「【Ωを越える拳】って意味なんだけど……どうかな?」
ルディ
「……良い」
キリカ
「賛成!それで決定!!」
リント
「ちょ、待て!俺の必殺技…」
三人同時。
「却下!!!」
リント
「……まぁいっか」
笑う。
その時――
キリカが前に出る。
「いい?リント」
真っ直ぐ見る。
「絶対死ぬな!」
拳を――
ドンッ!!
リントの胸に叩きつける。
その瞬間。
見えない光が――
リントを包んだーー
誰も気づかない。
キリカ自身も。
コトハ
「……ご飯、作って待ってるからね」
涙をこらえて笑う。
ルディ
「……二人を」
一瞬止まる。
「……泣かせるな」
リントは三人を見る。
そして――
笑う。
「任せとけ!!」
振り向く。
前には――
終焉。
ゼノン
「……始めるぞ」
七人が並ぶ。
全てをかけた
最後の戦いが――
始まろうとしていた。
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