第94話 「刎頸の交わり」
夜の静かな海。
波の音だけが響く。
四人は並んで座っていたーー
誰も喋らない。
キリカ
「……ねぇ」
小さく口を開く。
「リント何か隠してるでしょ」
リント
「……」
「はぁ?何がだよ」
キリカ
「とぼけんな!」
コトハも静かに言う。
「リント」
「ちゃんと話して」
リントは月を見上げながら…
「だから何をだよ」
キリカが睨むーー
「あんた死ぬつもりでしょ」
空気が止まる…
ルディ
「……」
リントは…
何も言わずにそのまま月を見上げている。
キリカが立ち上がる。
「ふざけんなよ……!」
震える声が…
想いの強さを語っている。
「何で黙ってんのよ!!」
リントはふいに笑う。
「何を根拠に言ってんだお前…腹減ってんのか?」
キリカの肩が震える…
「茶化すなバカ!」
「気づいてないとでも思ってんの!!」
リント
「……関係ねぇだろ」
キリカ
「ちょ、アンタねぇ」
リント
「俺が決めたことだ…」
コトハ
「違うよ」
静かな声ーー
でも力強い。
「関係ある!」
リントが黙る。
コトハ
「私たち……仲間でしょ」
キリカ
「もう仲間どころじゃないでしょ!!」
二人の目から涙が溢れる。
「何一人で背負ってんのよ!!」
リントが吠える!!
「背負うしかねぇだろ!」
「他に方法がねぇんだよバカ!!」
キリカも叫ぶ!
「あるかもしれないでしょ!!」
リントは唇を噛みながら…
「んなもんねぇよ!!」
波の音だけが響く。
コトハが小さな声で聞く…
「……怖いの?」
リント
「バカ言ってんな!
怖いわけねぇだろーが」
コトハがリントの正面に座り目を見る…
「震えてたよ…」
リント
「!!……」
そっとリントの手を握る…
「いいんだよ…
一人で無理しなくても」
リントの目が緩む。
「あぁ怖ぇーよ!
めちゃくちゃ怖ぇよ!!悪いか…」
優しさに触れーー
溢れでた正直な言葉。
キリカの涙が止まる。
リント
「でもな…」
顔を上げるーー
「それでもやるしかねぇんだよ!」
コトハ
「自分一人犠牲にして?」
リントの肩が震える…
「あぁそうだよ!自分一人犠牲にしてでも守りてぇもんがあるんだよ!!」
コトハ
「じゃあ私たちは?」
その一言にーー
リントが止まる。
キリカ
「私たちは守るもんじゃないの?」
リントが小さく言う。
「……違う」
「お前らは……守る側だ」
キリカ
「は?」
リント
「だから任せる」
コトハ
「勝手すぎるよ!!」
初めて強い声。
「そんなの……納得できない」
ルディが静かに言う…
「……合理的だ」
三人が見るーー
「……だが」
「……気に入らない!」
キリカが叫ぶ!!
「当たり前でしょバカ!!」
リント
「うるせぇな……」
「じゃあどうすりゃ納得すんだよ!!」
「世界終わらせんのか!?」
キリカ
「そんなこと言ってるんじゃない!!」
リント
「同じだろ!!」
コトハ
「全然違う!!」
二人が止まる。
コトハの目には涙…
「一緒に考えようって言ってるの」
震える声。
「一人で決めないでよ……」
何も言えないリントに
二人が近づくーー
そして――
バキッ!!
バシッ!!
キリカが頬を殴る。
コトハが頬を叩く。
リント
「……っ」
キリカが涙を流しながら叫ぶ。
「目ぇ覚ませバカ!!」
「カッコつけてんじゃないわよ!!」
コトハも震える声で叫ぶ。
「一人で死のうとしてんじゃない!!」
リント
「……」
キリカ
「ふざけんな……」
「勝手に終わろうとすんな……」
崩れ落ちるキリカを
コトハが支える。
静かな声でルディが問う。
「……選べ」
「一人で…行くか」
「俺たちと…行くか」
長い沈黙……
波の音。
リントが顔を上げ
三人を見る。
そして――笑う。
「……バカばっかだな」
キリカ
「あんたが一番バカよ!この大バカ!!」
リントは優しく微笑む。
「だな…」
そして…キリカとコトハ
二人の頭にそっと手を乗せる……
「……約束する」
三人が見る。
リント
「必ず生きて帰る!」
静かな声で優しい嘘。
でも――
本気の目。
コトハが泣きながら笑う…
「約束だよ…」
キリカ
「破ったらぶっ飛ばすから」
ルディ
「……同意!!」
リントが笑う。
「上等だ!!」
波の音ーー
月明かりに照らされた
四人の顔にはーー
強い決意と信頼が宿っていた。
いざ…最終決戦へ……
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