第90話 「抗う者たち 」
黒が侵食する――
セブンスピラーΩ。
存在するだけで世界を消す…
“終焉”
だが――
止まっている。
四つの光によって…
リント
――アルカ。
触れられないはずの終焉に触れーー
その中心を押さえ込んでいる。
だが――
壊せない。
リント
「……っ!!」
拳を叩き込む。
光が弾ける。
だが…
何も変わらない。
セブンスピラーΩは
ただ…
“そこに在る”
揺るがない。
キリカ
「リント!」
ヴァルスの光を纏いながらーー
侵食を押し返す。
だが完全ではない。
じわじわと黒が滲む。
キリカ
「抑えきれない……!」
その時――
コトハが前に出る。
瞳が光る。
時間そのものが歪む。
コトハ
「だったら――止める」
静かに言う。
その瞬間――
空間が“止まる”
否――
“遅れる”
コトハ
「――クロノ・リライト」
世界が揺らぐ。
三秒…
たった三秒。
だがその三秒は――
“絶対の奇跡”
侵食が止まる。
崩壊が止まる。
時間が書き換わる。
リント
「……コト!」
キリカ
「これ……!」
ルディ
「……時間干渉」
コトハの額から汗が流れる。
歯を食いしばる。
コトハ
「長くは持たない……!」
「でも――今なら!」
その三秒の中で――
全てが…“止まっている”
いや…
“止められている”
リントは前に出る。
アルカの光を最大まで高める。
キリカも叫ぶ。
「行けリント!!」
ルディ
「…合わせる!!」
『ヴォイド・エンド』
を構える。
四人の力が――
一点に集まる。
だが――
それでも。
リント
「……くそっ」
気付く。
「……足りねぇ」
壊せない。
届かない。
三秒が――終わる。
世界が動き出す。
ドクン――!!
黒が一気に押し返す。
キリカ
「っ……!」
コトハ
「きゃっ……!!」
膝をつく。
呼吸が乱れる。
コトハ
「……もう一回は……無理……」
リント
「……チッ!」
ルディも僅かに息を乱す。
完全ではない。
四人全員が――
限界に近い。
それでも…
崩壊は止まっている。
だがそれは――
“拮抗”
そしてーー
“ジリ貧”
――――
「残り――80:07:11」
――――
無慈悲なカウント。
コトハ
「もう……80時間……」
声が震える…
キリカ
「こんなの……」
リントは黙る…
リント
「……まだだ」
低く言う。
「終わらせねぇ」
だがその瞬間――
黒が膨張する。
ドンッ――!!
空間が軋む。
世界が削れる。
キリカ
「押されてる……!」
ルディ
「……均衡が…崩れる」
コトハ
「このままじゃ……!」
リント
「クソがぁ!!」
アルカの光をさらに強めるーー
だが――
押し切れない。
その時――
ふと…四人の足元に…
影が落ちる。
黒とは違う
“形”を持った影ーー
コトハ
「……え?」
キリカ
「何……これ」
ルディ
「……」
リントが振り返るーー
上空――
三つの影。
重厚。
異質。
崇高。
ドン……
ドン……
ドン……
黒に触れーー
それでも消えない。
圧倒的な存在感。
むしろ――
“黒と並び立つ”
存在ーー
リント
「……誰だ」
沈黙ーーそして…
その中の一つが口を開く。
「やっとここまで来たか」
低く響く声。
キリカ
「……何者なの」
コトハは息を呑む。
「この反応……終焉と……同質……?」
ルディ
「……いや」
目を細める。
「少し…違うな…」
リントは構える。
アルカの光が揺れる。
「敵か……?」
その影は――
僅かに笑う。
「さてな」
「試してみるか?」
世界の終わりの中で――
新たな“何か”が動き出す。
希望か。
絶望か。
それはまだ――分からない。
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