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第87話 「選ばれた痛み」

崩壊は――止まらない。


黒が広がるーー


空が削れーー


地が消える。



   “それ”



        は…

ただそこに()るだけで……

世界を壊していた。



キリカが唇を噛む。

「……こんなの」


「どうしろっていうのよ…!」



コトハが必死に叫ぶ!

「距離を取って…!」


「近づいたら消される…!」



ルディ

「……触れられない」


「…詰みだな」



リントは“それ”を(にら)みつけたまま黙る…



しかし、その瞳には決意が色濃く宿っていた…

「……いや…まだだ」



キリカ

「リント!?」



コトハ

「ダメ!!」



だが止まらないーー



リント

「関係ねぇ!」


「触れられねぇなら――」


「ぶち壊せばいいだけだろ!!」



その瞬間――



   “それ”



      …が動いた!!



ほんの(わず)かにーー

      指先が上がる。



――閃光。


「――っ!?」



次の瞬間!!!


リントの肩が――

    撃ち抜かれた。


鮮血が舞う。



リント

「があっ……!!」



地面に膝をつくーー



キリカ

「リント!!」



コトハ

「しっかりして!!」


すぐに駆け寄りーー

コトハがリントの肩を押さえる。


「ダメ…深い…!」


震える手…

「出血が止まらない…!」



リント

「チッ……」


歯を食いしばるーー


「この程度で…」


立とうとするがーー

力が入らない。



ルディ

「……無理だ」


「…今は下がれ」



リント

「うるせぇ……!!」



だが――その時だった!


今まで一言も発さなかった



   “それ”



      が口を開くーー



『我が名は…



  【セブンスピラーΩ】



 全てのものに…終焉をもたらす』



リント

「なっ!?」


「ふざけたこと言ってんじゃねぇ!」


「俺がぶっ壊…ぐ…がっ…」



立てないーー


その現実が

  空気を重くする。



キリカは…

  その光景を見ていた。



何も言わずに…


ただ――


  拳を握る!



コトハ

「……キリちゃん?」


違和感に気づく!?



キリカがゆっくりと顔を上げるーー


その目は――

   もう決まっていた!!



キリカがセブンスピラーΩを見上げ静かに言う。

「……ねぇ…これさ」


「誰かが行かなきゃダメなやつでしょ」



コトハ

「……何言ってるの」



キリカは前に出るーー

「分かるよ…」


「こういうのってさ」


どこか寂しそうに笑う…

「いつもそうじゃん」



コトハ

「やめて…」


声が震える…

「それ以上言わないで…」



キリカ

「コトちゃん」


優しく呼ぶーー

「私ね」


優しい目でコトハを見る…


「昔からこういう役回りなんだよね」



コトハが叫ぶ!!

「違う!!」


「そんなの違う!!」



キリカ

「ううん」


首を振るーー

「違わないよ」



リントを見る。


血を流しながら制止も聞かず立とうとする姿ーー



ルディを見る。


無言でこちらを見ているーー



そして――


コトハを見る。


必死に首を振る妹の姿…



キリカ

「……守りたいの」


小さく(つぶや)く…


「全部」



コトハ

「ダメだよ……」


涙が(こぼ)れる…


「そんなの…ダメだよ…!」



キリカは一瞬だけーー

目を伏せる。


そして――


前を向く…

セブンスピラーΩへ。



キリカ

「大丈夫!」


ニヤッと笑うーー


「死ぬ気はないから!!」



リント

「……待てバ…カ」


(かす)れた声…



キリカが止まるーー

しかし振り返らない。



リント

「……勝手に…行くな!」


「俺はまだ…やれる」



キリカ

「うん」


優しい笑顔ーー


「知ってる!」


「だから任せたくなるんだよ」



その言葉に…

リントの表情が揺らぐ。



キリカ

「でもね」


ゆっくりと言うーー


「今は――私の番」



静かにーー風が吹く。


世界が崩れ続ける中で

   その言葉だけが残る。



コトハ

「……やだ」


小さく(つぶや)く…


「やだよ……」



キリカはもう振り返らないーー

ただ前を見る。


その背中は――

   決まっていた。



キリカ

「ちょっと行ってくる」



軽く言う。


まるで…

  いつものように。



だが――

 その一歩は何より重いーー

      運命を背負う一歩。



セブンスピラーΩが

  (わず)かに反応する。


空間が歪むーー

  だがキリカは止まらない。



進むーーー

  ただ真っ直ぐに。



その姿を…

三人は見ているしかなかった。



止められない。

届かない。


それでも――


願うしかないーー彼女は…



――選ばれたのではない。


――選んだのだ!!



その痛みを…


  この運命を…


    キリカ自身が!!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


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