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第86話 「終焉の刻」

静寂が――壊れる。



ドクン――!!



柱が脈打つ。



ドクン――!!



空間が軋むーー

  黒い亀裂がーー


空へ、地へと走る。



キリカ

「……何これ」


息を()むーー

「冗談でしょ……」



コトハ

「まずい……」


目を見開く。

「これ、さっきとレベルが違う…!」



ルディ

「……別物だな」


「…来るぞ」



リントは一歩も引かないーー

ただ(にら)みつける。

「上等だ……来いよ」



その瞬間――


柱が“開いた”ーー

音はない。


だが世界が裂けるーー



中心から溢れ出すのは…



   “黒”



いや――



それは“無”



光を呑み込む闇ーー

存在を拒絶する空白ーー


それがゆっくりと……

    形を持ち始める。



キリカ

「……嘘」


足が震える…

「これ……本当にこの世界のものなの…?」



コトハ

「違う……」


小さく首を振る…

「これ…世界の“外側”の何か…」



ルディ

「……近いな」


「…無だ」


黒が集まり圧縮される。



そして――“立つ”!!?


それは人の形をしているーー

だが人ではないーー

顔は見えないーー

輪郭(りんかく)すら曖昧(あいまい)ーー


ただそこに()るだけで

全てが消えていく。



地面が崩れる。

 空気が消える。

  音が消える。

   存在が削られる。



リント

「……これが」


(つぶや)く…

「セブンスピラーの完成形かよ…」



誰も答えない……


  答えなど必要ない。



   “それ”



……はゆっくりと

     顔を上げた。



その瞬間――


世界が止まる!!


時間すら凍りつきーー


そしてーー初めてーー



   “声”



    ……が生まれる。



――――


「108:00:00」


無機質な音ーー

感情はない。


ただの“宣告”。


――――



キリカ

「……え?」


理解が追いつかない…



コトハ

「今の……」


震える声…

「カウント……?」



ルディ

「……始まったな」



リントが(にら)むーー

「何がだよ!」



その存在はーー

  ゆっくりとーー

    リントの方を向く。


そして――


再び…



    “声”



――――


「終焉まで――108時間」


――――



……!?空気が凍る。


コトハ

「そんなの……」


言葉が震える…

「ありえない……」



キリカ

「108時間で……」


唇を噛む。

「世界が終わるっていうの…?」



ルディ

「……そういうことだな」



リントはーー小さく笑った。

「はっ……」


肩を鳴らす!

「分かりやすくていいじゃねぇか」


「要は――」


「その前にぶっ壊せばいいんだろ?」



だが――


次の瞬間…!?



リントの腕が…


“消えかける”


「…っ!?」



一瞬で引くーー

腕が戻るーー


だが確かに感じた…



   “消滅”



コトハが叫ぶ。

「ダメ!!」


「触れたら消される…!」



キリカ

「何よそれ……!」



ルディ

「……触れられない?」



リントが舌打ちする。

「クソが……」



再び(にら)むーー


だがーーその存在は動かない。


ただ立っているだけーー


それだけでーー

世界が削れていく。



空が歪みーー

地面が崩れる。


遠くの建物がーー

音もなく消える。



キリカ

「……ヤバい」


「戦いにならない……」



コトハ

「ううん…」


首を横に振るーー

「これ…戦いじゃない」


「あれは“現象”だよ…」



ルディ

「……ああ…これは」


「…災害だ」



リントは…黙る。


拳を握ったまま。



その時――



  “それ”



……が動いたーー


一歩。


ただそれだけーー


だが――


その一歩で空間が崩壊する。


リント達の足元がーー

       砕ける!!



キリカ

「きゃっ!?」



コトハ

「下がって!!」



全員が距離を取るーー

呼吸が荒くなる。



リント

「チッ……」


「どうすんだよこれ…」



誰も答えられない……



その時――


再び…



    “声”



――――


「残り――107:59:58」


――――



カウントが進む。


無慈悲にーー

    確実に!!



コトハ

「カウント……減ってる」


顔が青ざめる…

「本当に……終わる…」



キリカ

「ふざけんな……!」


「もう何も…できないの…?」



ルディ

「時間制限付き…」



リントは…静かに笑う。

「いいじゃねぇか」


振り返りーー

   仲間を見る!!

「燃えてきた!!」



キリカ

「はぁ?何言ってんのアンタ!?」



コトハ

「ちょっとリント…!?」



ルディ

「……バカだな…本当に」



リントが前を向く。

「終わりが決まってるなら――」


肩を回し始める。

「ぶち壊すだけだろ!」



その目に迷いはない。


だが――


   “それ”


    は…ただ見ている。



感情もなくーー

意思すら感じさせずーー


ただ一つの目的の為に。

全てを――


無に還す為に。



  ――終焉の刻は始まった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


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