第80話 「慧眼(けいがん)」
パキィィンーー
黒い刃が砕けた。
ルディのーー
【ヴォイド・ブレイク】
空間を裂くはずの黒い斬撃が――
社長の前でーー
粉々に砕け散る。
ルディ
「…効かない」
社長
「当然だ」
指を軽く振るーー
空間が歪む。
「キングピラー」
「戦闘領域制御」
ルディ
「…なるほど」
キリカ
「なるほどじゃないわよバカ!」
「ルディの技よ!?今の!」
コトハ
「……空間が補正されてる」
キリカ
「はぁ!?」
コトハ
「ルディの攻撃は」
「空間を裂く!」
「でも社長は…」
キングピラーを見る。
「空間そのものを管理してる」
ルディ
「…相性最悪」
社長が静かに歩く。
「理解が早いな本当に…」
リントが笑う。
「へぇ」
肩を回す。
「面白ぇじゃねぇか」
社長
「まだ立つか」
リントが拳を握る。
「当たり前だろ」
「社長」
ニヤッと笑う。
「まだ遊ぼうぜ!」
次の瞬間――
ドン!!
リントが突っ込む。
社長も動く。
拳ーー
拳ーー
激しいまでの拳の応酬!!
ドゴォォォン!!
衝撃波ーー
研究室の壁が砕ける。
しかし――
ドゴォッ!!
社長の拳が先に届いたーー
リントが吹き飛び瓦礫の山に突っ込む!!
キリカ
「リント!」
コトハ
「未来が…」
「追えない…」
社長
「当然だ」
目が光る!
「キングピラー」
「思考加速」
「計算速度」
「人間の限界を超える」
リントが瓦礫の中から立ち上がるーー
血を吐きながら笑っている。
「なるほどな…」
「じゃあよ」
拳を固める…
「計算外ってのを見せてやる」
社長
「無意味だ」
「感情で動く拳は」
「最も読みやすい」
その瞬間!
リントが笑う。
「そうか?」
社長の目がわずかに細くなるーー
リント
「じゃあ」
地面を蹴る。
ドン!!
突っ込む!
社長の拳が先に動く。
ドゴォン!!
顔面ーー
リントがよろめく。
しかし――
止まらない!!
もう一歩ーー
踏み込む。
社長
「無駄だ」
拳を振りきる!
その瞬間!!
コトハの目が光る!
「クロノ・リライト」
世界がーー
わずかにズレる。
未来が…
書き換わる……
社長の拳。
わずかに外れるーー
リントの拳!!
ドカッ!!
ついに社長の頬を打つ!!!
キリカ
「……入った」
ルディ
「…初めて」
社長の顔がわずかに動く。
しかし…
社長はーー
ゆっくり顔を戻す。
「なるほど」
血を拭く。
「奇跡か?」
リント
「どうだよ」
笑う。
「計算外だろ?」
社長が静かに言う。
「違う!」
次の瞬間。
ドン!!
社長の拳がリントの胸にめり込むーー
リントが吹き飛び壁が崩れる。
社長
「計算済みだ」
キリカ
「嘘でしょ…」
コトハ
「未来を…」
息を呑む。
「読まれてる」
社長
「三秒」
「それ以上は書き換えられない」
静かに言う…
「ならば…」
「四秒後に攻撃すればいい!」
ルディ
「…化け物」
社長がリントを見る。
その目にーーほんの一瞬!
微かな揺れーー
「リント…君…」
キリカ
「!?」
コトハ
「また…」
血まみれでーー
リントが笑う。
「社長…」
「やっと」
ニヤッと笑う。
「話せそうだな!」
社長の目がーー
揺れるーー
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