第71話 「戦士の道」
静まり返る第三ノ扉前ーー
崩れた床ーー
砕けた柱ーー
エレボスの攻撃をーー
ルディの
【ヴォイド・エンド】
が消したあとだった…
煙がゆっくり晴れる。
リントが息を吐く。
「…マジ…ヤバかったな」
キリカがルディを見る。
「やるじゃんアンタ!」
ルディ
「ギリギリだ…」
コトハが肩で息をする。
「三秒……」
小さな声。
「もう無理……」
能力の反動でーー
膝をつく。
リントが優しく笑う。
「無理すんな」
手を差し出したリントが言う。
「どうやら勝手に認めてくれたみてぇだし…」
「行くか!第三ノ扉」
目の前には第三ノ扉が大きく口を開けて待っている。
四人はゆっくりと門をくぐった…
その時!
コツーー
コツーー
コツーー
足音。
フロアの奥からーー
エレボスが歩いてくる。
深紅のマントが揺れる。
傷一つない。
エレボス
「よく来たな、ここが…」
「キングピラー【上層】にして…」
「【D】のフロアーー 第三ノ扉ーー」
「【Disaster】だ!」
リント
「無傷……マジかよ」
キリカ
「まだやんの?」
エレボスは止まり四人を見たーー
大剣を肩に担ぎ静かに言う。
「なるほど」
「これが善意の力か…」
リント
「……?」
エレボスが天井を見上げるーー
「昔…」
「Dr.ジンが言っていた」
そしてゆっくり四人を見るーー
「この世界を救うのは…」
「力ではない」
ーーー。
少し笑うーー
「善意だ!とな」
リント達が黙るーー
エレボスは続ける。
「その時の私は笑った」
「バカな話だと…」
剣を握り一歩踏み出す。
四人が構える!
しかし――
エレボスは
剣をゆっくり下ろした。
キリカ
「……え?」
エレボス
「だが…」
四人を見て静かに言う。
「今…」
「少しだけ」
「分かった気がする!」
リント
「……?」
エレボスが振り返るーー
さらに巨大な門ーー
キングピラー最上階への
最後の扉。
エレボスが横に立ち道を譲る…
「行け!」
四人
「!?…」
リント。
「どういう風の吹きまわしだ?」
エレボスは静かに言う。
「私は厄災」
「力こそ全て」
ーーー。
「だが…」
目を細め四人を見る。
「お前達の善意が」
「どこまで届くのか…」
小さく笑う。
「見てみたくなった!」
キリカ
「つまり?それって?…」
エレボス
「通れ」
「そして行け!」
剣を肩に担ぐ。
「最後の【D】の元へ」
リントが笑う。
「いいのかよ」
エレボスの目が鋭くなるーー
「勘違いするな」
「今のままでは…」
「お前達は奴に勝てない」
ルディ
「……」
エレボス
「だが…」
「もし勝てたなら」
深紅のマントが揺れる。
「その時は認めよう!」
リントを見る。
「善意の力を」
沈黙。
リントが前に出てエレボスの横を通り過ぎるーー
ふいに立ち止まり…振り返る。
「なぁ…何か」
「ありがとな」
エレボス
「礼は不要だ」
「私はただ…」
「戦士として……」
目を閉じるーー
「面白い戦いを見たいだけだ」
キリカが小声で言う。
「この人ってさ…」
ルディ
「いい奴…」
コトハ
「敵だけどね!」
四人は巨大な扉の前に立ちーー
リントが手をかける。
その瞬間ーー
ゴゴゴゴ……
扉が開きーー
暗闇が続く。
ついにーー
最後の一人
エレボスが背中で言う!
「行け」
「未来を」
「変えてみろ!」
扉をくぐりーー
四人は歩き出す。
最終決戦の地へーーー
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