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第64話 「いつもの四人」

キングピラー【上層】ーー


【D】のフロア 



静寂…


ゼノン戦の爪痕が残るーー

所々崩れた通路を抜け

次のフロアを目指す四人。



そして――(しば)し歩くと

四人の眼前に新たな扉の影ーー



ドサッ…


扉目前で突然座り込むリント。



リント

「痛ぇ……」


体中傷だらけ。



隣でーー

キリカ が腕を組む。

「自業自得でしょ」


「何回バカみたいに突っ込んでんのよアンタ!!」



リントが(にら)む。

「うるせぇ!」


「突っ込まなきゃ勝てねぇだろバカ」



キリカが(あき)れる。

「だからって真正面から何度も行くバカいる?」



リント

「いるだろ」


「ここに!」


キリカの拳が落ちる。

ゴンッ!!



「痛っ!!」



少し離れた場所でーー

ルディ が静かに座っている。


腕を組みーー

真剣な顔。



コトハが近づく。

「ルディ大丈夫?」



ルディがゆっくり(うなず)く。

「…問題ない」


「……」


ルディが真顔で言う。

「ただ…」


三人が見る。


「内臓が…少しズレた……気がする」



リントが吹き出す。

「何だそれ!」



キリカも笑う。

「何よそれ!」



コトハが(あわ)てる。

「え!?大丈夫なの!?」



ルディは真顔のまま。

「多分…」


「…戻る」


「……」



リントが笑う。

「適当すぎだろお前!」



キリカがため息をつく。

「アンタ達ほんとバカね」



リントが言う。

「お前もな!」



キリカ

「はぁ?」



リント

「ゼノンに真っ先に突っ込んだろ」


「バカじゃなきゃやらねーよ!」



キリカが顔を赤くする。

「そ、それは……!」


「リーダーとして当然でしょ!」



リントがニヤニヤする。

「必死だったぞ」



キリカの拳。

ゴンッ!!

「うっさい!!」



リント

「痛ってーな!本当のことだろ」



ルディが真顔で(つぶや)く。

「仲が……良いな」



キリカが叫ぶ。

「違う!!」



コトハがクスクス笑う。



リントが寝転がる。

「しかし…」


天井を見るーー


「ゼノン…」


「マジ強すぎだろ」



ルディが静かに言う。

「三秒…」


「恐ろしい…能力だ」



キリカが(うなず)く。

「ほんと、未来を選ぶって何よあれ」


「チートすぎるでしょ!」


「ズルよズル!!」



コトハが小さく言う。

「でも…」


三人が見る。


「最後……」


「少し優しかった」



リントが笑う。

「知らねぇよ」


「次、会ったら」


拳を握る。


「ぶっ飛ばす!」



キリカが(あき)れる。

()りないわねアンタも…」



ルディが言う。

「その前に…」


「…回復…する!」



リントが笑う。

「お前もな」



ルディが真顔で答える。

「内臓は…」


「…多分戻る」



リントとキリカが同時に吹き出す。


コトハも笑う。



第二ノ扉手前の空間にーー

四人の笑い声が響く。


その時――



ドクン……



空気が震える。


四人の笑いが止まる。



ルディの目が細くなる。

「……来る」



キリカが剣を握る。


リントが立ち上がる。



コトハの端末が警告音を鳴らす。

「強い反応……!」



暗い通路の奥。


そこからーー

ゆっくりとーー

足音が響く。



コツ……

コツ……



四人の視線がーー

闇に向く。



そして――


新たな影が…

姿を現そうとしていた。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


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