第55話 「怒りの覚醒」
キングピラー内部【中層】
研究区画ーー
静かなフロア。
白衣の男はゆっくり歩いていた。
「こちらだ」
「見てほしいものがある」
リント達は後を追う。
通路の奥ーー
厚いガラスの部屋。
男が端末を操作すると扉が開く。
その中にはーー
カプセル。
いくつも並んでいる。
キリカが眉をひそめる。
「……これ」
コトハの声が震える。
「人……」
カプセルの中ーー
眠っているのは
まだ幼い子供達だった。
キリカの表情が変わる。
「っ…ふざけんなよ…」
研究者はうつむく。
「マリス機関は」
「感情の強い個体を集めた」
「子供は感情が純粋だ」
コトハが小さく言う。
「だから実験に…」
研究者の肩が震える。
「止められなかった」
「私は…」
その瞬間だった!
警報が鳴り響く。
ウゥゥゥゥゥ!!
キリカが顔を上げる。
「何?」
研究者の顔が青ざめる…
「まさか…」
壁が破壊される。
ドォォォォォン!!
黒い影。
巨大な怪物ーー
マリス実験体。
ルディが呟く。
「……処分個体」
怪物の目が光る。
そしてーー
研究者の方へ突進する。
一瞬リントが動こうとした。
だが…
その前に研究者が叫ぶ。
「逃げろ!」
研究者はーー
子供のカプセルの前に立った。
怪物の腕が振り下ろされる。
ドシュ!!
血が舞うーー
キリカの目が見開く。
研究者が倒れるーー
床に広がる血。
キリカの手が震える。
「……な?」
怪物が笑うように吠えるーー
カプセルの子供が
小さく震える…
キリカの中で……
何かが切れた!!
「……おい」
低い声。
剣を握る手。
震えが止まるーー
「ふざけんな…」
空気が変わるーー
見えない圧が広がるーー
キリカの瞳が
燃えるように熱く光る!
リントが小さく言う。
「キリ…」
キリカは振り向かない…
ただ一言。
「リント」
静かな声。
「ここは私がやる」
怪物が咆哮する!!!
ウゴォアァァァ……!!
巨大な腕が振り下ろされる。
ドォォン!!
キリカが
剣で止めるーー
「……遅い」
グガアァァァ……!!
怒り狂ったようにキリカに向け突進する。
突進が触れるその刹那ーー
キリカが消える。
次の瞬間!!
ズバァァァン…!!
巨大な体がーー
真っ二つに裂けた。
静寂…
キリカの周りにーー
黒い感情の風が渦巻く。
コトハが囁く。
「……これ」
ルディが小さく言う。
「……リベリオン!?」
キリカはゆっくり剣を納めるーー
怪物の体が崩れていく…
キリカは何も言わない。
ただ――
その瞳だけが全てを語っていた。
新しい力がーー
今ーー
目を覚ました!!
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