第51話 「下層」
ゴゴゴゴゴ……
巨大な門が開く。
キングピラー内部ーー
暗い通路。
金属のような壁。
赤い光が不気味に点滅している。
キリカが小さく口を曲げる。
「……気味悪いわね」
リントは肩を回す。
「いかにもダンジョンって感じだな」
その瞬間ーー
影が動いた。
マリス。
さらにーー
模倣アビス。
一斉に襲いかかる。
キリカが剣を振る。
「遅い!」
一閃!
マリスが吹き飛ぶ。
リントの連撃。
ドドンッ!!
模倣アビスの体が砕ける。
コトハが静かに言う。
「まだ来る」
通路の奥。
影が次々現れる。
だがーー止まらない。
ルディが前に出る。
「……邪魔」
黒い衝撃。
マリスが壁に叩きつけられる。
キリカが笑う。
「弱すぎ」
リントも笑う。
「肩慣らしにもならねぇ」
四人は進み続けるーー
敵は次々現れる。
だがーー
すべて倒れる。
やがて…
通路の先に 広い空間が現れた。
巨大なフロア。
コトハが呟く。
「……ここ」
「10階」
キリカが剣を肩に乗せる。
「門番でも出てくるの?」
ルディが床を見る。
黒い液体ーー
じわりと広がっている。
ルディ。
「……変だ」
その瞬間ーー
ドクン。
床が脈打った。
ドクンーー
ドクンーー
黒い液体が膨れ上がりーー
肉のように蠢く。
キリカが眉をひそめる。
「……何よこれ」
黒い塊が ゆっくりと立ち上がる。
巨大な体。
歪な腕。
そしてーー
無数の顔。
苦しそうな声。
「ア……」
「アァ……」
コトハが息を呑む。
「融合体……」
ルディが低く言う。
「……マリス」
「……無理やり繋げてる」
巨大な怪物ーー
ゆっくりと動くーー
その目がーー
リントを見る!!
「タ……」
「スケ……テ」
沈黙…
リントは静かに見つめていたーー
苦しむ声。
歪んだ顔。
キリカが剣を構える。
「門番ってわけね」
リントは前に出る。
静かな声。
「……そうか」
黒い融合体が咆哮する。
その声は―― 悲鳴だった。
リントは躊躇なく踏み出す。
その目に迷いはないーー
「今……終わらせてやる」
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