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第45話 「恐怖を越えた先」

フォビア・ピラーが…

ゆっくりと脈打っている…



その光はーー

まるで心臓の鼓動のようだった。



スタジオの中。


サイモンが

リントたちを見つめる。



静かな笑顔。

「やっと来ましたね」



キリカが腕を組む。

随分(ずいぶん)と大騒ぎにしてくれたわね」



サイモンは肩をすくめる。

「私は街を守っているだけです」


「恐怖は管理しなければならない」



リントが少し首を(かし)げる。

「それ、本気で言ってるのか?」


サイモンは(うなず)く。

「当然です」


「人は恐怖があるから秩序(ちつじょ)を守る」


「恐怖が無ければ」


「街は崩壊する」


コトハが静かに言う。

「違う!」


サイモンが視線を向ける。


コトハの瞳がわずかに光るーー

「あなた」


「操られてる」



一瞬。



サイモンの表情が止まるーー

背後の塔がーー



ドクン。



大きく脈打つーー



黒い霧がゆっくりと流れ込む。


サイモンの瞳が…

黒く染まる。



声が変わる。

「操られている?」


笑う。

「違う」


「私は選ばれた!」



塔の闇がサイモンの体を包むーー


配信カメラがまだ回っているーー


世界中の視聴者が見ている。



サイモンの声が低くなる。

「恐怖は力だ」


「人は恐怖によって支配できる」



キリカが剣を構える。

「出たわね!」


「守護者」



リントが一歩前に出る。

「サイモン」


「お前はただ利用されてるだけだ」



サイモンが笑う。

「利用?」


背後の塔を指差す。

「違う」


「私はこの塔と一体だ」


「フォビアの守護者」



黒い闇が形を変える。


サイモンの背後にーー

  巨大な影ーー

    恐怖の集合体。



  【フォビア】



その瞬間!


街のモニター。

配信中。

全てに映る。

街の人々が見ている。



キリカが小さく言う。

「まずい」



コトハも理解する。

「恐怖が拡散する」



サイモンが腕を広げる。

「見なさい」


「これが恐怖の力だ」



街の群衆。

画面を見て震える。


恐怖ーー

疑念ーー

怒りーー

それがすべてーー

塔へ流れる。



フォビア・ピラーが

    巨大な光を放つ!!



リントがため息をつく。

「配信者の力ってすげぇな…」



キリカが叫ぶ。

「感心してる場合か!」



リントが笑いながらカメラを見た。

「いや…」


そして言う。

「ちょうどいい」



サイモンが眉を動かす。



リントがカメラに向かって言う。

「聞こえるか?」


街の人々ーー

    配信の視聴者。


「恐怖ってさ」


「そんな大したもんじゃない」



サイモンが怒る。

「黙れ!」



闇が襲うーー


その瞬間!!


ルディが前に出る。


刀を抜く。

一閃(いっせん)ーー

闇が切り裂かれる…



ルディがぼそっと言う。

「……うるさい」



キリカが笑う。

「ナイス」



リントが続ける。

「恐怖なんて」


「怖いのは“失うこと”だろ?」


「怖いのは“ひとりになること”だろ?」



街の画面。


全てに映る。



リントの顔。

「でもな…」


「それでも進むのが人間だろ?」


リントが塔を見る。

「だから」


「俺がぶっ壊す!!」



サイモンが叫ぶ。


「恐怖は消えない!!」



街のモニター

すべてが黒く染まる。


フォビアが巨大化する。



リントが笑う。

「そうだな」


「でも…」


拳を握る。

「支配はできない」



一瞬。


リントの感情が高まる。

空気が揺れる。



コトハが小さく呟く。

「感情エネルギー…」



リントが走るーー

フォビアへ。



サイモンが叫ぶ。

「止めろ!」



闇が襲う!


キリカが斬るーー

ルディが空間を裂くーー

コトハが未来を読むーー


三人が道を作る。


リントが塔へ飛ぶ。



拳を振り上げる。

「恐怖の終わりだ!」


渾身の一撃が…

恐怖の塔を砕く!!!



ドゴオォォォ……ン!!!



轟音。


塔に亀裂。



サイモンの目が見開く。

「そんな…」



リントが続けざまに放つ一撃!!



塔が…

粉砕する。


黒い霧がーー

一瞬で消える。



静寂…



サイモンが膝をつくーー

目の色が戻る。

「私は…」


「何を…」



街のモニター。


恐怖が消えるーー

群衆がざわめくーー



キリカが剣をしまう。

「終わったわね」



ルディが呟く。

「……静か」



コトハが小さく笑う。

「未来」


「変わった!」



その時…


遠くのビル屋上。

黒いコート。



ゼノン。



静かに見ているーー



ゼノンが小さく言う。

「恐怖を越えたか」


「リント」


空間が(ゆが)みーー


ゼノンの瞳が光る。

「だが…」


「まだ始まりに過ぎない……」



遠くーー

   別の塔がーー


まだ終わらない人の感情がーー


そこにあるかのように不気味に光る。



四人を誘うように…

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


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