第44話 「恐怖の正体」
夜の街。
ネオンが点滅する。
だがその光の下で――
群衆が走っていた。
「いたぞ!」
「覚醒者だ!」
「捕まえろ!」
街中が
リントたちを探している。
キリカが屋上を走りながら叫ぶ。
「完全に街全体が敵じゃない!」
リントが軽く笑う。
「人気者はつらいな」
キリカ
「笑ってる場合!?」
コトハが端末を見ながら言う。
「配信は」
「まだ続いてる…」
巨大スクリーン。
そこにはーー
サイモンの顔ーー
『皆さん落ち着いてください』
『覚醒者は危険です』
『街を守るため』
『彼らを排除しましょう』
群衆が叫ぶ。
「サイモン!」
「街は俺たちが守る!」
ルディが後ろを振り返る。
追ってくる人の波。
「……すごい数」
キリカが剣を握る。
「でも一般人よ!」
リントが言う。
「だから戦えない」
コトハが小さく言う。
「サイモンを止めないと」
ルディが呟く。
「……配信」
リントがニヤッと笑う。
「そう」
「配信で止める!」
キリカが呆れる。
「どうやって?」
リントがコトハを見る。
「未来視」
コトハが理解する。
「了解!配信ルート」
「探すね」
数秒ーー
目を閉じる。
未来が流れる。
そしてーー
コトハが目を開く。
「見えた!」
「塔の近く」
「配信スタジオ」
キリカが眉を上げる。
「黒い塔の近く?」
リントが笑う。
「なるほど」
ルディが呟く。
「……ピラーの近く」
コトハが頷く。
「フォビア・ピラー」
「そこから…恐怖が拡散してる」
リントが言う。
「つまり…」
「サイモンは」
「塔の真横で配信してる」
キリカがため息。
「最悪ね…」
その時。
下の通りでーー
群衆が屋上を指差す。
「いたぞ!」
「覚醒者!」
キリカ。
「見つかった!」
リントがルディを見る。
「頼めるか?」
ルディが小さくため息。
「……面倒!」
……………。
「…仕方ない」
面倒そうに前に出る。
屋上の端ーー
下には数百人。
ルディが静かに言う。
「…通行止め」
右手を振るーー
空間にーー
黒い亀裂。
「ヴォイド・ブレイク」
空間が裂けるーー
ビルとビルの間に
巨大な空間の裂け目。
群衆が止まる。
「な、なんだ!?」
「道が…消えた!?」
ルディが言う。
「……越えられない」
キリカが目を丸くする。
「本当に街を守る役やってる…」
ルディがぼそっと…
「……別に」
コトハを見るーー
一瞬視線が逸れる。
キリカがニヤニヤ。
「ふーん?」
ルディが無視。
リントが笑う。
「よし行くぞ!」
四人は
塔へ向かう。
そして――
街外れ。
黒い霧の中。
巨大な塔ーー
【フォビア・ピラー】
その前にーー
ガラス張りのスタジオ。
中にいる男。
サイモン。
配信中ーー
『皆さん』
『安心してください』
『恐怖は私が管理します』
『皆さんのために…』
その背後。
黒い塔が…
ゆっくり脈打つ。
恐怖が
街へ流れている。
その時!
スタジオの扉が開くーー
リント。
キリカ。
コトハ。
ルディ。
サイモンが振り向く。
一瞬の沈黙…
そして…
笑うーー
「やっと会えましたね」
リントが言う。
「配信者さん」
「話そうぜ」
サイモンが首を傾げる。
「何を?」
リントが言う。
「恐怖の正体」
「それはお前じゃねぇ!!」
その瞬間!!
フォビア・ピラーが
強く脈打つーー
サイモンの瞳が…
一瞬だけ。
彼ではない…
“誰かのもの”に変わった。
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