第41話 「恐怖の連鎖」
夜になると街の空気は
変わっていた…
人々の視線がーー
どこかおかしい?
リントが歩きながら言う。
「なんか変だな」
キリカが頷く。
「さっきから」
「みんな周り警戒してる」
道の向こうーー
男が叫んでいた。
「嘘だ!」
「お前が感染者だろ!!」
別の男が怒鳴る。
「違う!!」
突然、殴り合いが始まる。
キリカが眉をひそめる。
「……何これ」
コトハが静かに言う。
「恐怖…」
その瞬間!
遠くから声が広がる。
「魔物が来る!」
「塔の呪いだ!」
「覚醒者が原因だ!」
リントが眉を上げる。
「覚醒者?」
男がリントを指差す。
「いたぞ!」
「こいつらだ!」
次の瞬間ーー
周囲の人間たちが
一斉に振り向く。
誰もが、誰かを疑う目をしていたーー
その目にはーー
恐怖。
キリカが呟く。
「最悪」
男が叫ぶ。
「捕まえろ!」
「こいつらが災厄を呼ぶ!」
人々が一斉に近づく。
コトハが小さく言う。
「フォビア・ピラー」
「恐怖を増幅してる…」
リントがため息をつく。
「つまり…」
「俺たちが悪者」
「こりゃまた……ベタな展開だな」
「めんどくせぇ…」
キリカが剣を抜く。
「どうする?」
その時ーー屋上から声。
「相変わらずだな」
リントが空を見るーー
【ゼノン】
屋上に立っている。
キリカが睨む。
「またあんた」
ゼノンは淡々(たんたん)と言う。
「忠告だーー」
リントが聞く。
「何だ?」
ゼノンが街を見渡す。
「恐怖の塔は」
「守護者を倒せば終わる類じゃない」
コトハが震える。
「……どういうこと」
ゼノンが答える。
「恐怖は」
「人間の中にある!」
「塔はそれを増幅するだけだ」
リントが言う。
「つまり?」
ゼノンの目が細くなる。
「この街の人間」
「全員が敵になる」
「お前らも含めてな」
キリカが舌打ちする。
「クソ面倒ね!」
リントが笑う。
「でも塔はあるんだろ?」
ゼノンが頷く。
「ある!」
「だが…」
「守護者は」
「姿を持たない…」
沈黙ーー
コトハが震える。
「……見えない敵」
ゼノンは背を向ける。
「恐怖は」
「想像で増える」
そして言うーー
「せいぜい」
「呑まれるな」
次の瞬間。
ゼノンは消えたーー
キリカが呟く。
「本当に敵なのあいつ」
ルディがぼそっと言う。
「……敵だ」
コトハが言う。
「でも…嘘は言ってない」
その瞬間。
人々が一斉に叫ぶ!
「捕まえろ!!」
群衆が押し寄せる。
リントが拳を握る。
「さて」
「どうするかね」
遠くの山ーー
黒い霧の中ーー
フォビア・ピラーが
静かに光っていた。
まるで静観しているかのようにーー
恐怖の厄災が…
本格的に牙を剥く。
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