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第38話 「欲望の核」

マモン守護者の体が崩れる。



黄金の(よろい)が砕け散る――

中から現れたのは


巨大な黒い核。



それは脈打っていた。



ドクン……

ドクン……



まるで心臓のように。



コトハが震える。

「……あれ」


「守護者の本体!?」



キリカが舌打ちする。

「趣味悪すぎでしょ」



その瞬間――



核が光った。


街中の人々が叫び始める。



「金をよこせ!!」

「俺のものだ!!」

「全部俺のだ!!」



人々の欲望が暴走する。


金色の霧が一気に吸い上げられていく。



リントが目を細める。

「やばいなこれ」



守護者の声が響く。

「欲望」ーー

「審判」ーー

「最大」ーー

「徴収!」ーー



次の瞬間――



核から巨大な腕が生えた!

黄金の腕ーー

ビルほどの大きさ。



キリカが叫ぶ。

「デカすぎでしょ!」



腕が振り下ろされる!!



ドォォォォン!!



街が揺れるーー


リントが両腕で受け止めた。


地面が砕ける。

「ぐっ……!」



守護者の核がさらに脈打つ!



ドクン――

ドクン――



次の瞬間ーー腕が増えた!!


二本――

三本――

四本――

六本――


空が黄金の腕で埋まる。



コトハが叫ぶ。

「増えてる!」



ルディがぼそっと言う。

「……面倒だ」


刀を抜くーー

空間を()るーー


スパッ!


ルディの足元がわずかに崩れるーー



黄金の腕が一本消える…


だが――


次の瞬間……再生。



キリカが驚く。

「再生!?」



守護者の声。

「欲望」ーー

「極大収奪!」ーー

「無限∞!!」ーー



リントが歯を食いしばる。

「つまり……」


「人間の欲がある限り不死ってことか」



コトハの未来視が走る。

そして――


静かに言った。

「……勝てない」



その時――


一人の男が、地面に(ひざ)をついた。

「……やめろ」


「まだ…俺は……」


握りしめた手の中には、金。

「終われるかよ……!」


次の瞬間――男の体が

光に飲み込まれる。



キリカが振り向く。

「は?」



コトハは続ける。

「この街の欲望……」


「多すぎる」


「倒しても」


「再生する…」



ルディが小さく息を()く。

「……最悪だな」



その瞬間!

巨大な腕がリントを掴んだ。



ドォン!!



ビルへ叩きつけられる。

「ぐはっ!」



キリカが叫ぶ。

「リント!」



更に腕が落ちる。



ドォォン!!



キリカが弾き飛ばされる。



コトハの足元が崩れる。


ルディが腕を掴んだ。

「……危ない」


コトハが小さく言う。

「ありがとう」


ルディは視線を逸らす。

「……別に」



その時だった…

守護者の核が膨張(ぼうちょう)する。



ドクン――

ドクン――

ドクン――



コトハの未来視が走る。


そして――


絶望の声。

「……だめ」



リントが立ち上がる。

「何がだ?」



コトハが震える。

「あと十秒…」


「この街」


「消える!」



キリカが叫ぶ。

「はぁ!?」



守護者の声が響く。


「欲望」ーーー

「極大収奪!!」ーーー

「無限∞臨界!!!」ーーー



空に巨大な黄金の球体が生まれるーー


今までで最大!!!


街全体の欲望が集まっていた。



ルディが空を見る。

「……終わりか」



リントが笑う。

「まだだろ」


空を見上げる。

「欲望が原因ならさ」


「ぶっ壊すもん、決まってんだろ」



キリカが剣を握る。

「最後までやるわよ!」



コトハが震える。

「未来が……」


「……見えない」



守護者の腕が振り下ろされる!!


黄金の球体が落ちるーー

街が消える――



その瞬間……空が(ゆが)んだ!!!



バキィィィィン!!



黄金の球体が

真っ二つに割れる。



リントが目を見開く。

「……誰だ?」



空から声が落ちてくる。


低くーー静かな声。

「相変わらずだな」


「リント」



キリカが目を細める。



コトハが(つぶや)く。

「……この気配」



空に立っていた男。

黒いコート。

鋭い目。



ルディがぼそっと言う。

「……来たか」



男がゆっくりと

降りてくる。



リントが笑う。

「遅ぇよ!」



男は答える。

「助ける義理はないが……」


「こんなとこで…壊されるのも気に食わないんでね」



その男の名前は――



  【ゼノン】



欲望の塔の戦場にーー


静かに降り立った。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


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