第37話 「放逐の亀裂」
黄金の嵐が街を飲み込むーー
マモン守護者の背中の輪が回転するーー
吸い上げられる欲望ーー
街全体が震えていた。
リントが構える。
「こいつ…さっきよりデカくなってないか?」
キリカが舌打ちする。
「欲望吸ってパワーアップとか最悪ね…」
コトハが静かに言う。
「街の欲望…まだ増えてる」
守護者が腕を上げる。
「欲望」ーー
「審判」ーー
「徴収」 ーー
「増幅」 ーー
空に再び巨大な金色の矛が現れる。
数は――
十本!!
リントが目を見開く。
「おいおい!」
「多すぎだろ!」
矛が落ちる。
ゴォォォォ!!
キリカが斬撃を放つ。
二本破壊。
しかし残りが迫る。
その瞬間!
ルディが前に出た。
「……はぁ」
面倒そうにため息…
刀を軽く抜く。
リントが笑う。
「やる気なさそうだな」
ルディは言う。
「……面倒だ」
そう言うとーールディが刀を振る。
シュッーー
空間が裂けた。
黒い線。
次の瞬間――
ドォォォォン!!
金色の矛が
空中で消し飛ぶ。
キリカが驚く。
「……は?」
空間に黒い亀裂が残る。
そこから金色の光が吸い込まれていく。
守護者の目が光る。
「空間…」
「干渉能力」
ルディは刀を戻す。
「……街が」
「壊れる…」
リントがニヤッとする。
「つまり本気出してないってことか?」
ルディは沈黙する…
キリカが腕を組む。
「ねぇ!」
「今のなに?」
ルディが少し考える。
「……ただの斬撃」
キリカが叫ぶ!
「んなわけあるかぃ!」
守護者が怒りのような振動を出すーー
「欲望」 ーー
「審判」 ーー
「極大徴収」 ーー
「排除!」ーー
今度はさらに巨大な光。
街の欲望が吸い上げられるーー
空に巨大な黄金の竜巻が生まれるーー-
コトハが叫ぶ。
「だめ!」
「この攻撃…!」
未来視が走る。
そして言う…
「死ぬ」
リントが笑う。
「……上等」
キリカが怒鳴る。
「笑ってる場合か!?」
守護者が腕を振るーー
コトハが叫ぶ。
「リント!」
「あのままだと…街の人も巻き込まれる!」
一瞬ーー
リントの動きが止まる。
叫び声。
崩れる街。
「いやだ…死にたくねぇ…」
「助けてくれぇ!!」
黄金の竜巻が落ちる!!
その時ーー
「やぁめろォォォ!!」
金を抱えた男が、竜巻に向かって走り出す。
「全部俺のだ!!
誰にも渡すかよォォォ!!」
その瞬間——
男の体が、金色の光に飲み込まれる…
ルディの目が変わった!
「……」
コトハの腕を掴む。
キリカを引くーー
二人を後ろへ投げる。
キリカが驚く。
「ちょっ!」
ルディが前に出る。
刀を構えるーー
空気が歪むーー
リントが気づく。
「おい…」
「ルディ?」
ルディが静かに言う…
「……うるさい」
そして…
手を軽く振るーー
パキッーー
空間に黒い亀裂…
街の空が裂ける。
コトハが息を呑むーー
「ヴォイド…」
ルディが呟く。
「……ブレイク」
次の瞬間!!!
黄金の竜巻が
空間ごと削り取られたーー
ドォォォォォォン!!!
街の空に巨大な黒い裂け目。
守護者の体が揺れる。
初めて…
守護者が後退した。
リントが笑う。
「やるじゃねぇか」
ルディは刀を収める。
「……面倒だ」
キリカが呆れる。
「あんた…今街ごと消しかけたわよ」
ルディは真顔。
「……だから刀」
その時だった!
コトハの未来視が走る。
そして…
顔が青くなる。
リントが気づく。
「どうした」
コトハが震える声で言う。
「……来る」
リントーー
キリカーー
ルディーー
三人が塔を見る。
【マモン・ピラー】
金色の光が暴走する…
守護者の体が変形していくーー
黄金の鎧が割れるーー
中から現れるーー
巨大な黒い核。
守護者の声が変わる。
「欲望」
「極大収奪!」
「臨界!!」
キリカが呟く。
「……冗談でしょ」
コトハが言う。
「守護者」
「第二形態……」
リントが笑う。
「街一個消えそうなのに…」
「やっとボス戦っぽくなってきたな」
ルディが小さく呟く。
「……最悪だ」
マモン守護者の核が光る。
街全体の欲望が
一気に吸い込まれていくーー-
欲望の塔が…
ついに…真の姿を現そうとしていた………
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